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そのサッカーを疑え!

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2020年6月の記事一覧

R・マドリー戦。レガネスのアギーレがマジョルカの監督だったら久保建英はもっと活躍した

R・マドリー戦。レガネスのアギーレがマジョルカの監督だったら久保建英はもっと活躍した

 レアル・マドリーに0-2。マジョルカは現地時間24日に行われたこのアウェー戦で、順当負けした。身贔屓するわけではないが、0-2のスコアで済んだ一番の理由は、久保建英の存在と関係する。彼がいなければ、試合はもっと一方的になっていたと思われる。

 マジョルカのビセンテ・モレーノ監督は、シーズンのある時まで、そんな久保を先発で積極的に使おうとしなかった。その通算1753分という国内リーグの出場時間は

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身体の硬いロマーリオのプレーがなぜ柔らかく見えるか。サッカーらしさを象徴する案件だ

身体の硬いロマーリオのプレーがなぜ柔らかく見えるか。サッカーらしさを象徴する案件だ

 動きの柔らかい選手といわれて、いの一番に想起する選手はロマーリオだ。吸い付くようなトラップ。胸トラップからの反転ターン。身体を傾け、片足立ちになりながら放つボレーシュート等々、ネコ科の動物を連想させる、まさに人間離れした身のこなしに目は釘付けにさせられたものだ。

 1995年バルセロナからブラジルのフラメンゴへ突然、戻ったロマーリオを追いかけて、現地を訪れた時のことだった。スタンド下のとある片

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2001年のバロンドール。オーウェンに投じた176人は、なぜラウールではなかったのか?

2001年のバロンドール。オーウェンに投じた176人は、なぜラウールではなかったのか?

 サッカーは選手個人の成績を示す記録の類が少ないスポーツ。選手の評価は各人の主観に委ねられる。それまでベンチで燻っていた選手が、監督交代を機にスタメン入りすることはよくある話。監督交代が他の競技に比べて早いタイミングで行われるのも、選手の移籍が頻繁に行われることも、そうした競技の特性に由来している。

 こちらがよかったと高く評価した選手について、周囲から「えー? よくなかったじゃん」と異を唱えら

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