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そのサッカーを疑え!

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2020年7月の記事一覧

森保ジャパンは川崎フロンターレのサッカーを見習うべし

森保ジャパンは川崎フロンターレのサッカーを見習うべし

 鹿島アントラーズ(2016年)→川崎フロンターレ(2017、2018年)→横浜Fマリノス(2019年)。過去4年、Jリーグの優勝チームは、上記のように推移してきた。昨季は横浜が、鹿島(3位)、川崎(4位)の間に割って入り、2強時代を終焉に導いた。

 鹿島、川崎の巻き返しはあるのか。横浜の勢いは続くのかーーとは、過去4年の関係性に基づく今季の見どころになる。

 この中で鹿島はスタートダッシュに

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スタンドや画面の「手前側」でプレーする成長を認めざるを得ない好選手

スタンドや画面の「手前側」でプレーする成長を認めざるを得ない好選手

 メインスタンドとバックスタンド。縦長のピッチが横長に見える場所に座る観衆の目に、焼き付きやすいのは、目の前でプレーする選手、つまりタッチライン際でプレーする選手だ。ウイングあるいはサイドハーフ、サイドバックになる。

 動画観戦でも似たようなことが言える。目に一番飛び込んでくるのは、大きく写りやすい画面手前でプレーする選手だ。

 マジョルカで今季、ドリブル得意な右ウイングとしてプレーした久保建

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Jリーグ、メンバー交代5人制が面白い。有効に活用しているチームとしていないチーム

Jリーグ、メンバー交代5人制が面白い。有効に活用しているチームとしていないチーム

 メンバー交代枠が2人から3人に拡大されたのは、W杯で言うならば1998年フランス大会からだ。これを機にサッカーの概念は大きく変わった。

 監督が采配を振るチャンスが1回増えれば、監督の力が結果に反映する割合も、その分だけ増す。

「サッカー監督は試合が始まってからは無力ですから」

「実際に試合をするのは選手たちですから」

 これまでそうした台詞を吐く日本人監督を何人も目にしてきた。監督を擁

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サッカー監督にも「感想戦」を。将棋に学ぶ敗者の振る舞い

サッカー監督にも「感想戦」を。将棋に学ぶ敗者の振る舞い

 将棋で投了後、勝者と敗者に分かれた両棋士が、対局を振り返る「感想戦」。将棋に特別、詳しいわけでもないが、つい見てしまう。勝者が大喜びしたい感情を堪えているように見える表情より、目は敗者に向く。悔しさを堪え、対局を振り返る敗者の、なんとも言えぬ表情が画面に大写しになる。他の勝負事ではあまり見かけない光景だが、そこに将棋の魅力を見る気がする。

 サッカーの試合後は、両監督が軽く握手を交わす程度だ。

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久保建英。右足を鍛え「両利き」のアタッカーを目指せ

久保建英。右足を鍛え「両利き」のアタッカーを目指せ

 日本サッカー界にとって、ここ最近で一番、喜ばしいニュースは、レアル・マドリード戦で魅せた久保建英(マジョルカ)のプレーだろう。

 6月24日。ソン・モッシュで行われたこの一戦。ハイライトは後半17分に訪れた。

 相手陣内に入ったところで、ガーナ代表歴のあるMFイドリス・ババから横パスを受けた久保は、2、3歩ドリブルを交えながら、スペイン人の右ウイングバック、ポソの鼻先にパスを送ろうとした。こ

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