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そのサッカーを疑え!

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2020年9月の記事一覧

久保建英は他のウイングとどこが違うのか。いっそう評価を上げるために必要なものは

久保建英は他のウイングとどこが違うのか。いっそう評価を上げるために必要なものは

 久保建英は、開幕2戦目のエイバル戦、3戦目のバルセロナ戦で、サムエル・チュクエーゼと交代で右ウイングの位置に入った。

 内(真ん中)に切れ込み、あわよくば左足でシュートを狙うか、タテに進出し、折り返しを狙うか。「左利きの右ウイング」が選択するプレーは、大きく分けて2つある。

 どちらかが苦手なら、プレーはどちらかに偏るものだが、久保はそれぞれを均等にこなす。つまり進行方向に偏りがない。対峙す

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5バックになりやすい3バックが6割。Jリーグに蔓延する「後ろで守る」サッカーを憂う

5バックになりやすい3バックが6割。Jリーグに蔓延する「後ろで守る」サッカーを憂う

 Jリーグの今季最大の特異性はJ2降格がないことだ。通常より、気分的に楽なシーズンを送ることができるはずだが、成績が悪ければクビになる監督に、そうした余裕はないのかもしれない。

「絶対に負けられない戦い」の呪縛にハマる監督が目立つ。失敗が許されにくい環境で育った日本人監督ならば、ある程度、納得できる。陥りがちな現象として半分諦めもつくが、わざわざ招聘した外国人監督の場合はそうはいかない。攻撃的サ

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首位を独走する川崎・鬼木監督は、交代枠使用率でも唯一「パーフェクト」を達成中

首位を独走する川崎・鬼木監督は、交代枠使用率でも唯一「パーフェクト」を達成中

 2ヶ月前(7月17日)、5人増えたメンバー交代枠を最大限有効に活用しているJ1リーグ監督は誰かという原稿をこの欄で書いた。

 交代枠をフルに使う監督は、枠を余したまま試合を終える監督より、選手から信頼されやすい。チームの士気は高まりやすい。日程がタイトになればなるほど使える選手、選択肢となる駒を多く抱えるチームが有利になる。降格のない今季は、実験を試みやすいシーズンでもある。選手交代は、監督の

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0トップの元祖ロナルト・クーマンとメッシの親和性

0トップの元祖ロナルト・クーマンとメッシの親和性

 リオネル・メッシがバルセロナに残留する。メッシは移籍の意志を固めていたが、そのためには7億ユーロ(約878億円)という莫大な違約金の支払いが不可避という事実が判明すると一転、残留に方向転換した。

 一方で、来季以降、移籍にその違約金が伴わないこともハッキリした。メッシがバルサでプレーするのはあと1年。2020-21が最後のシーズンとなるメッシと、どう向き合うか。サッカーのやり方はメッシがいる、

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