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そのサッカーを疑え!

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2022年2月の記事一覧

鹿島に同種のサッカーで対抗した川崎鬼木監督への不安

鹿島に同種のサッカーで対抗した川崎鬼木監督への不安

 3連覇を狙う川崎フロンターレは、横浜F・マリノスに2-4で敗れたその3日後、試合間隔が一週間空いた鹿島アントラーズとアウェー戦を戦った。苦戦するのではないかの下馬評とは裏腹に、川崎は開始2分、相手のミスを突き先制。その15分後にも新人、佐々木旭が追加点を決め、2-0のスコアで押し切った。

 心配は杞憂に終わった。結果論で言えばそうなる。実力者をそれなりに揃えた上位候補。コンディションでも上回っ

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背番号10番の左サイドハーフ。期待の荒木遼太郎に漂う南野、香川と同種の不安

背番号10番の左サイドハーフ。期待の荒木遼太郎に漂う南野、香川と同種の不安

 欧州組を優先する傾向が強い森保監督だが、欧州でそれなりに活躍していているにもかかわらず呼ばれていない選手もいる。2019-20シーズンから2021年末まで実質2年間、ベルギーのシントトロイデンでプレーした鈴木優磨は、その最たる存在だ。日本代表歴はない。だが、招集された過去は1度ある。鹿島アントラーズに所属していた2018年11月のベネズエラ戦、キルギス戦(=親善試合)になるが、怪我で辞退を余儀な

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大外で構えるサイドアタッカーが1人で頑張るサッカー。CLバイエルンに見る危うさ

大外で構えるサイドアタッカーが1人で頑張るサッカー。CLバイエルンに見る危うさ

 決勝トーナメント1回戦が始まったチャンピオンズリーグ(CL)。マンチェスター・シティ、バイエルン、リバプール、パリ・サンジェルマン……英国のブックメーカー各社が、4強と予想する上記チームの中で、バイエルンだけが、初戦を勝利で飾ることができなかった。

 ザルツブルクに1-1。先制を許し、後半45分まで0-1のスコアで推移するドロー試合を演じた。なぜバイエルンは格下に大苦戦を強いられたのか。バイエ

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これぞガラパゴス。なぜJリーグに攻撃的な3バックは存在しないのか

これぞガラパゴス。なぜJリーグに攻撃的な3バックは存在しないのか

 日本サッカーは2000年代に入ると3バックを敷くチームが急増した。2002年日韓共催W杯に臨んだ時の代表監督、フィリップ・トルシエが、フラット3なるシステムを採用したことと、それは深い関係にある。

 多くの指導者がこの影響を受けることになった。3バックを敷くチームは、Jリーグでは一気に半分以上にまで増加。大学、高校、中学、少年サッカーの現場にまで波及した。国内の津々浦々まで浸透することになった

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