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そのサッカーを疑え!

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2022年5月の記事一覧

横浜FMケヴィン・マスカットの持続可能な采配から日本サッカー界が学ぶべきこと

横浜FMケヴィン・マスカットの持続可能な采配から日本サッカー界が学ぶべきこと

 J1リーグは全34試合中16試合を消化した段階でおよそ20日間の中断に入った。6月2日から6月14日まで4試合、日本代表戦が行われるためだが、このタイミングで、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレと入れ替わり首位に躍り出たのが横浜F・マリノスだ。満を持すようにじわりと一歩、前進したという感じだ。

 鈴木優磨と上田綺世の2トップとディエゴ・ピトゥカ抜きには語れない鹿島。得点への期待感がレアンドロ・

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ブラジル戦、韓国戦が森保監督是か非か論を再燃させる可能性

ブラジル戦、韓国戦が森保監督是か非か論を再燃させる可能性

 6月にパラグアイ、ガーナ、ブラジル、チリorチュニジアと4試合を戦う森保ジャパン。7月には東アジア選手権(香港、中国、韓国)も控えている。今回のカタールW杯はご承知のように、通常の6月ではなく11月に開幕する。本番までまだ半年ある。

 前回、ハリルホジッチ解任を受けて西野朗ジャパンが誕生したのは2018年4月。ロシアW杯本大会の2ヶ月前だった。ハリルホジッチに批判的な声は多数を占めていたが、そ

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感覚的なスポーツであるサッカーと難解な日本語の親和性

感覚的なスポーツであるサッカーと難解な日本語の親和性

 日本語は難しさにおいて、世界でも指折りの言語として知られる。音読みと訓読みがあることの厄介さに加え、語彙の多さも習得が難しい要因だとされる。一方、サッカーはデータの類が決定的に少ない感覚的なスポーツだ。指導者に問われているのは伝える力で、高い表現力が不可欠になる。言葉はおのずと重要なウエイトを占めることになる。

 サッカーと難解な日本語と相性がいいと考えるのが自然だ。外国人の指導者より日本の指

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価値観が一変。途中交代でベンチに下がることが恥ではなくなった時代との向き合い方

価値観が一変。途中交代でベンチに下がることが恥ではなくなった時代との向き合い方

 チャンピオンズリーグ(CL)準決勝、レアル・マドリード対マンチェスター・シティは、合計スコア5-5となり、延長にもつれ込んだ。選手交代枠はそれと同時に、最大5人から6人にまで拡大された。

 シティのグアルディオラ監督が5人で止めたのに対し、レアル・マドリードのアンチェロッティ監督は6人の枠をすべて使い切った。フィールドプレーヤーとして先発した10人中6人、つまりその半分以上の選手がベンチに下が

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スタジアムがこだわるべきは傾斜角。「ピッチとスタンドの距離」が一番ではない

スタジアムがこだわるべきは傾斜角。「ピッチとスタンドの距離」が一番ではない

 FC東京対ガンバ大阪。昨日(4月29日)国立競技場で初めてJリーグの試合が開催された。天皇杯、ルヴァンカップ、高校選手権など、これまで行われた試合はいずれも日中で、ナイターとして行われるのは初だった。夜の国立競技場がサッカー場として、どんな表情を示すかも関心事の一つだった。

 そもそも国立競技場は、東京五輪後、球技場に改装される予定だった。トラックを撤去し、その4コースあたりまで客席を延ばす計

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