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そのサッカーを疑え!

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2022年10月の記事一覧

W杯は自国の勝利だけを願う場所ではない。日本のファンはサッカーの面白さを堪能することができるか

W杯は自国の勝利だけを願う場所ではない。日本のファンはサッカーの面白さを堪能することができるか

 前節、川崎フロンターレが終盤、VAR判定の末、ゲットしたPKを決め、勝利したことで、横浜F・マリノスとの間で繰り広げられている今季のJリーグの優勝争いは、最終節まで持ち越されることになった。

 横浜FMか川崎か。この2チームが優勝争いをする展開は、日本サッカー界にとって喜ばしい話である。何といっても、ともにパッと見、攻撃的で面白いサッカーをするチームだからだ。

 川崎は前任の風間監督時代から

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W杯に臨む森保Jが、中継ぎを惜しげもなくつぎ込む日本シリーズから学ぶこと

W杯に臨む森保Jが、中継ぎを惜しげもなくつぎ込む日本シリーズから学ぶこと

 前回のロシアW杯で、グループリーグの3試合と決勝トーナメント1回戦の計4試合を戦った日本。初戦のコロンビア戦と2戦目のセネガル戦の間隔だけが中4日で、残る2試合は中3日での戦いだった。それが今回のカタールW杯では、少なくともグループリーグの3試合はすべて中3日で行われる。

 西野監督はその1戦目と2戦目を同じスタメンで戦い、3戦目(ポーランド戦)はスタメンを大改造して臨むことになった。1戦目と

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苦戦のメカニズムとは。最近の2大番狂わせ、横浜FM対磐田、広島対甲府から森保Jが学ぶこと

苦戦のメカニズムとは。最近の2大番狂わせ、横浜FM対磐田、広島対甲府から森保Jが学ぶこと

 サンフレッチェ広島がヴァンフォーレ甲府に延長PKで敗れた天皇杯決勝。そして、首位を行く横浜F・マリノスが最下位のジュビロ磐田に0-1で敗れたJリーグ32節の一戦と、ここ最近、国内では大きな番狂わせが相次いで発生した。

 サッカーは結果に運が3割影響を及ぼすと言われるが、広島と横浜FMは運に恵まれなかったと言うより、攻めあぐんだ印象が勝る。惜しいチャンスはそれなりにあったが、いわゆる決定的なチャ

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打倒ドイツ。大番狂わせを起こすには2010年の岡田ジャパンのような特別な作戦が必要不可欠である

打倒ドイツ。大番狂わせを起こすには2010年の岡田ジャパンのような特別な作戦が必要不可欠である

「目標はW杯ベスト8」。森保監督は日本代表監督就任会見でそう述べた。それを受けて筆者は「可能性はある。だが、その可能性は別の監督で臨んだ方がより高まる」と考えた。本大会のグループリーグ分け抽選で、日本がドイツ、コスタリカ、スペインと同じ組を戦う結果になっても、その考えに変わりはない。思いはますます強まっている。

 森保監督は依然としてベスト8を口にしているが、そのためには、ドイツかスペインのどち

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