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そのサッカーを疑え!

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2023年12月の記事一覧

ハーラント、ウーデゴール。ノルウェー代表の2人に見る今日性。引退した小野伸二との接点は

ハーラント、ウーデゴール。ノルウェー代表の2人に見る今日性。引退した小野伸二との接点は

 右利きなのか左利きなのか、どちらかわからない選手が増えている。一番わかりやすい例は、マンチェスター・シティの1トップ、アーリング・ハーラントだ。豪快さが何より目に止まるので、利き足まで関心が回りにくいことも確かだが、身体を斜めに傾け、格闘技で言うところの半身の体勢になる瞬間は実際に少ない。

 したがってカバーするエリアに偏りはない。苦手なエリアがないのだ。右も左も苦にしない。右から作ったチャン

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選手と監督、レベルが高いのは選手。監督版の「欧州組」が誕生しない日本サッカー界の悲劇

選手と監督、レベルが高いのは選手。監督版の「欧州組」が誕生しない日本サッカー界の悲劇

 森保監督が続投して約1年が経過。この間、より顕著になったのが欧州組の占める割合だ。カタールW杯に出場した26人中7人だったその数は、最近では9月(ドイツ、トルコ戦)=3人、10月(カナダ、チュニジア戦)=4人、11月(ミャンマー戦、シリア戦)=4人に減少。GKを除いたフィールドプレーヤー23人に限るならば、2人がスタンダードになっている。

 年々増加する欧州組の総数は有名ではない選手を含めると

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森保式可変システム3-4-2-1⇔5-4-1への疑問。なぜ3-4-3にならないのか

森保式可変システム3-4-2-1⇔5-4-1への疑問。なぜ3-4-3にならないのか

 マイボール時と相手ボール時で並びが変わる、いわゆる可変式の布陣は、ここ何年かの間に少なくとも欧州において、監督采配の常套手段となった。サッカーの変化を語る時、外せない出来事になる。

 目に付くのは4バックから3バックへの移行だ。相手ボール時は4バック。マイボールに転じるや3バックに変化する。代表格は、昨季のチャンピオンズリーグ(CL)を制したグアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティだ。3

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人材流出著しいJリーグが目指すべき道は。サッカーはある条件が整えば低レベルでも面白い

人材流出著しいJリーグが目指すべき道は。サッカーはある条件が整えば低レベルでも面白い

 天皇杯決勝。今季のJ1リーグ9位チーム(川崎)対17位(柏)チームの対戦と聞けば、心はあまり踊らない。トーナメントの頂上決戦には好カードを期待する。理想は1位対2位。せいぜい5位以内同士の戦いであってほしいと考える。だが11月に行われたルヴァンカップ決勝も7位(福岡)と9位(川崎)の対戦となったように、それこそが国内のカップ戦“あるある”なのだ。

 決勝進出を果たした下位チームのサポーターにと

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