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帰る場所

久しぶりに実家で過ごした。

たった1週間。たった7日間。たった168時間。

それっぽっちの間で父と喧嘩した。

始まりはたわいもなくて、だけど私はそのとき他のことで感情的になっていて、23歳なのに部屋に閉じこもって大泣きした。翌日は不貞腐れて15時半までベッドから出なかった。見たかったドラマ。読みたかった本。やらなきゃいけなかったこと。期せずして全部ベッドで済んでしまった。

くだらない。くだらない。くだらない。

何度も思うのにため息が止まらない。いつまで経っても感情的で子供な自分が嫌になる。

朝から夕方まで何も口にしなかったのは始めてで、このまま萎んで消えて無くなってしまいたいとか中学生みたいなことばかり考えていた。いつも結局は、あのカーテンの揺れる窓に向かって走ろうとしていた14歳に戻ってしまう。これでも結構頑張ってきたのにね。

こういう悪い方の感情に引っ張られるとどうしようもなくなる。まるで後ろ向きに階段を転げ落ちるようだ。涙は止まらないし、今でこそないけど手当たり次第モノに当たってようやくクールダウンしたりして、とにかくコントロールが効かないのだ。何度も何度もやってきたのにどうすれば良いのかわからない。不謹慎だけどこれは何かの病気であって、こういう時に飲む薬があれば良いのにといつも願ってしまう。

人当たりが良いとよく褒められる、外面ばかり良い内弁慶な自分が嫌いだ。それでも、元は外面すらも良くなかったのだから成長してるのだけど。いつか外が内と同化して本物にならないかな。

親や家族になると、いつまでも切れない縁というものに甘えて何でもしてしまうし、もう自分の素性がバレてしまっているのだから元々ブレーキなんてものはどこにもついていない。どこまで下に転げ落ちても結局は助けてくれると思っているのかもしれない。今回のことで家族という存在に対して、自信がすっかりなくなってしまった。私はとても汚い心を持っている気がする。

親だって人間なのだから時にはムカつくし悲しくなる。私がその原因になりがちであることを冷静に理解し始めたのは、本当に最近のことだ。

それでも翌日の夜に、「一緒に考えていこう、今までそうしてきたんだし。家族なんだから。」「あなたの帰る家はここなんだからね」と声をかけてくれた母には頭が上がらない。前は言い合うばかりだった母のとても寛容な対応に、いつのまにか置いてかれてしまったなと思った。

あと何度怒って泣いて喚いて反省を繰り返せば良いのかわからない。ついさっきはもう頭が上がらないと思ったのに、次の日には生意気ばかり言ってしまう。時には一歩進んで三歩下がっているかもしれない。自分の機嫌を上手に取れる人にとても憧れる。今はとてもとても苦しい。誰かに助けてほしいけど、誰かに機嫌を取ってもらうような人にもなりたくない。いつか自分のこの感情の大きな波と上手に付き合っていかないと。出来るかなんて全然わからないけど、これは私が一生かけて取り組むべき、一番の大きな課題だとは分かってる。自分自身とは一生離れることができないとは、よく言ったものだ。

新たな文章と出会う旅の餞別となり、私の感情がまた文章となり生まれます。 いつもありがとう。