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混雑してても満足度の高い『ムンク展』

年明け一発目の美術館めぐりは、東京都美術館での『ムンク展』でした。
予想通りかなり混雑していましたが、それ以上に満足度の高い『ムンク展』。
2018年の10月27日から開催していたにもかかわらず、閉幕直前での訪問が口惜しいほどです……。

そしてエドヴァルド・ムンクといえばやはり《叫び》!!!!

『ムンク展』ももちろん《叫び》を全面に押し出しているのですが、実は《叫び》の名を冠した作品は複数あります。ただし今回展示される《叫び》が日本に来日するのは初とのこと。

実際に本物を目にしてみると、「さけびクン」こと栄養失調くねくね人の圧がスゴいです(良い意味で)。書籍やネット上で絵を見ると、どうしても色調や絵筆のタッチなどの細部に目が入ってしますのですが、会場では自分が絵を観ているのではなく、《叫び》の世界に自分が迷い混むような感覚になりました。

これは会場での見せ方も良かったのではないかと。
一般的には客寄せパンダ的存在となるメイン作品は、広めのスペースに1つの作品がドーンと鎮座しているだけです。なので、来場者がワラワラと群がり、作品を楽しむ暇などなく、結局「なんかもう、どうでもいいや」とメイン作品を近くで見ることなく帰ることがあります(もしかして、私だけ??)。

でも東京都美術館の『ムンク展』では、《叫び》を最前列で見るために列に並ばなくてはなりません。逆に「並ぶなんてしゃらくせえ」という人もいるかもしれませんが、自分の視界を遮られることなく作品を見られるので、私は好きです。「最前列でなくてもいいや」という方は普通に見られるので、自分の好きなスタイルを選択できるのも良いところ。

ただし問題は待ち時間ですね。

私は平日開館後すぐに会場に着いたので、5分ほどの待ち時間で作品を見ることができました。しかしおそらく平日の午後や休日は、夢の国のアトラクション並みに待つかも…。そもそも混雑具合が半端なく、チケット購入はもちろん会場への入場すら待ちが発生しているので、《叫び》を見ただけで疲労困ぱいなんてこともありえます。

会場に飾られているのは100点すべてエドヴァルド・ムンクの作品なので、《叫び》は背伸びをしつつ群がる人たちの頭の上からチラッと見る程度に留めて、他の作品を見る過ごし方もおすすめです。

《マドンナ》や《接吻》、《吸血鬼》など有名な作品もあるので、《叫び》以外でも十分に楽しめるかと。

全体的な感想としては、明るい色彩と流れるようなタッチの中に現れる、圧倒的な存在感の“死の翳り”が、人を惹きつけるのだろうなと思いました。カッコつけて言ってみましたが、「この絵なら俺にも描けるぜ」と思わずにはいられない一見単純な(ような)絵にもかかわらず、見るものに死や闇、悲しみといった蔭の感情をまざまざと沸き起こさせるのが、ムンクさんは上手だったんですかね。

個人的にどの作品もとても好きなので、1600円払ってもおつりがもらえるんじゃないかと思うぐらい満足感がありました。図録はもちろん、「さけびクン」のバルーンインテリアと、ポケモン×《叫び》のコラボグッズを何も考えずに購入するほどには、テンションも上がりました。

平日・休日関係なく、どの時間に行ってもある程度は混雑していると思いますが、一見に値する作品群ばかりです。

東京都美術館での《ムンク展》は1月20日までなので、ぜひご覧あれ。

『ムンク展』公式サイト
https://munch2018.jp/

#ムンク展
#東京都美術館
#アート

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