めぐりあえぬ下巻。
朝も早くから電車に乗っている。
法事があるので、帰省をするため。
いつもなら、特急券を買ってイメージとしてはびゅーんと、帰るのだが、今回はあえて各駅停車で2倍位の時間をかけてみることにした。
本が読みたかったからだ。
今「天地明察」の上巻をよんでいる。
昨日の時点でもうあと10ページ…ちょい残り。
そしたら、下巻を買って、明日電車でじっくり読んだりしてみようかな…と思い立った訳だ。
素敵なプランだ。
美味しいお茶か…コーヒーがあると完璧なのでは。
うきうきした。
胸の中でポルカが鳴って小踊りしたいくらい。
*
いつも行く中型の本屋さん…下巻がなかった。
あれま。
いつも行く本屋さんの、ちかくの小さな本屋さん。
なかった…。
なんと。
まさかまさか。
うーん、どうしようか。。
帰省のお土産を買うのに、大きな駅まで出ていたのだけど、休日で、キラキラした売り場とたくさんの人にちょっと疲れて、大型の本屋さんまで足を延ばす気力がなかった。
ちょっとがんばればよかった…。
人知れず、しゅんとした。
実のところ、上巻はもう何年も前に買っていて、途中で他の小説に浮気をし、そのまま本棚に納めてしまっていた。
先日、他の本を探していている際に発掘し、あ!と。
ちょっと後ろめたいきもちも感じつつ、再度読み始めた次第。
映画も観ていたので、あらかたのストーリーは既に知っている。改めて読み始めると、あの映画は小説に忠実に、丁寧に創られた作品だったんだなぁ、と感服。嬉しくなってしまう。
なので下巻以降の展開もわかるけれど…
読みたいなぁ。
うずうず。
何年も何年も本棚に寝かせておいたくせに、
ホント都合の良いハナシだ。
*
大型の本屋さんある駅まで戻る時間の余裕が無かった、を言い訳に最初に行った本屋さんに戻る。
仕方ない…いずれにしても本をじっくり読みながら、各停で帰るプランは実行したい。
読書の秋をきめこみたい。
星野源さんの「よみがえる変態」を買う。
ずっと読みたいと思っていたから、いいんだ。
「ね?」
と自分の肩を掴む気持ちで、言い聞かせる。
表紙の絵が可愛い…。
いいんだ。だってしょうがないんだ。と表紙をなでながら何度もうなずく。
レジに並び、
そうだ!東京に戻る際は「天地明察」の下巻を読みながら各停プランすれば素敵だ!!
とこれまた都合よく思いつく。
地元の駅とて田舎といえど大きい駅だ。
田舎といえど県庁所在地だし。
さすがに下巻が置いてないってことはないだろう…。
どきどき。
*
そして思い立ち、スマホでnoteを書いている。
「よみがえる変態」は開いていない。
地元駅まであと…30分くらい?
イヤホンして星野源さん聴きながら、今から読みますのです。
いざ変態。
-20221009-
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