遠回りして気づく

大沢温泉に行きたい。花巻にある、ぼくが一番好きな温泉。そういう時間が欲しい、でないと日々があっという間に過ぎていってしまうので。

殿の話

北海道にいる時から一緒にいる殿さんが倒れたのが9月末。大きな病気で5日間の入院を経て家に戻ってきた。その時は生存確率が40%くらいと言われたけど、なんとか戻ってきた。

北海道で譲ってもらい、でもぼくの事情で殿は海を超えて秋田に来た。秋田に来てからぼくはAKITA"KARA"の立ち上げや仲間たちと未来を語るべく、仕事を18:00に終えては24:00までマックで話す。

殿とゆっくりする時間もなく、そんな時に殿が倒れた。

殿を振り回すだけ振り回し、遊ぶ時間も作れないくらい狂ったように働き、「自分は何をしているんだろう」と思ったり、考えたり。殿がいなかった5日間はすごく辛い時間だったと、今振り返っても思う。

退院して安心かと思えば、心臓病があることがわかった。それが原因の大きな病気だった。

専門の先生を求めて岩手まで。殿さんと往復4時間、冬は5時間、岩手大学まで通った。もう3回も。

長くない寿命だとはわかっているけど、自分ができることはしたい。殿と一緒にいる時間を大切にしたい。幸い、今も元気に家で過ごしている。

ぼくには今まで殿にしてもらったことを返すチャンスがある!だから、頑張れるのだ。ありがとうね、殿。


最近思ったこと。

生きるとは何か。働くとは何か。自分や他者とは何か。

自分がどうして秋田に帰ってきたのか。それはきっと、自分のプライドを捨てられなかったからで、下げれる頭を持っていなかったから。

変えたい現実よりも、救いたい誰かよりも、たぶん「自分」の方が大切だった。だから、ぼくは夢を諦めて地元に戻ってきた。

でもそういう経験があったから、社会をちゃんと見つめるようになったし、社会を知りたいと思うようにもなれたんだと思う。

自分ができることを見定めて、社会や人のためにできる仕事をする。そんな単純なことにたくさん遠回りして気づいてしまった。

これからの社会はどうなるんだろう。みんなはどう思っているんだろう。
資本主義や脱成長。たくさん本を読んでもわからないことばかり。

決めつけてはいけないんだと思うし、世の中には黒や白だけじゃなくて、グレーがあるものだし、そう思いながらぼくはこれからも社会を見つめていきたいと思う。


AKITA"KARA"を通してたくさんの人と出会ってきた。夢を持っている人もたくさんいる、良い。輝いているし、一緒にいるとワクワクする。

それが、諦めなくて良い夢なら追いかけてほしい。会社をやりたいというのも、良い父親になりたいというのも大して変わらない。立派なかっこいい夢だ。

「夢」なんて言葉、久しぶりに使った。ぼくの「夢」はなんだろう。考えてすらなかった…。でも「この世は生きるに値する」という軸は持ち続けたい。

今できることをする。自分にできることをする。それ以上は望まないけど、でも自分にできることがあるなら、それを精一杯やりたい。やってみてから、考えよう。

できないことは頼ろう。頭を下げてお願いをする。自分より優れた人はたくさんいるから、一緒にやらせてもらう。そうやって助け合える人、お願いできる人が増えてから、ぼくは生きやすくなったし、秋田での生活が楽しくなった。

「TAYORe:」という屋号。二年近く前からあったのに、不思議なことにようやくぼくの屋号っぽくなってきた。

大変なことはあるし、時には傷つくし、それでも「この世は生きるに値する」と思って、頑張るぞ!みんなでいこう、遠くに〜。押忍!

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