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自分を貶めるのは「自分」だった

人間がインスピレーションにあずかるチャンスはいくらでもあります。ところが、取越苦労、疑念、不安、こうした邪念が障害となるのです。ですから、こうした念が心に宿る隙を与えてはなりません。         「近藤千雄訳編:シルバーバーチ今日の言葉」より

あなたは、いままでの人生を振り返って、「後悔」するような体験をしたことがあるだろうか?

私は自慢できることではないにしても、いまになって振り返らなくても「後悔」するような体験ばかり積んできた輩である。

その「後悔」の殆どが、人絡みのことである。人とうまく交われないという類のことではなく、まさに自分の人間性が獣寄りだったがために引き起こった「妬み」「嫉み」「恨み」「辛み」を心に抱いたことで生まれる「疑念」「不安」そしてネガティブな妄想(取越苦労)だ。

逆風を敵だと思いこむと獣化し始める

自分のことを深く探求し、せめて「夢」だけでも描いて、それなりに一歩前に出ると、とたんに「逆風」を感じ始める。熱心になればなるほど、「逆風」を感じる。

「うまく行かない」頻度が上がり始め、時には押し戻される。これを「うまくいかねぇ」と思い始め、「逆風」を敵だと睨みつけ始めると、だんだんとまっすぐだったものが折れ曲がりはじめ、ねじれていく。

そして、「不貞腐れ」ていく。自分だけが苦しんでいるような錯覚に苛まれ、何でもかんでも斜に見るようになり、何でもかんでも斜に聴くようになる。ブツブツと不満を溢しながら日々を送るようになっていく。

そして、ある日気がつくと、自分が「獣寄りの人間」に成り下がり、一番なりたくなかった人間の姿をしていることに苦しむようになる。

ヨットは、逆風を捕まえて前に進む

シルバーバーチは言う。人は霊的存在として肉体を携えてこの世を生きることで自らの霊性を磨いていくと。またこんなことも言う。霊的存在である以上、常にスピリットからのサポートを受けていると。

しかし、私達が「獣寄りの生き方」をしていると、その霊性の鈍重な波長が私達の周りに文字通り、牢獄のごとき壁を作ってしまい、霊性の高いスピリットが発する高周波長が届かない。せっかくのインスピレーションが私達に届かないのだそうだ。

つまり、じつは、我々はヨットの進行方向と同じ摂理で進化していく生命体なのだ。私達が思っている「逆風」は、前進するために必要な動力源であり、推進力そのものなのだ。

昔の賢人達は、このことをよく理解していたのだろう。古今東西の諺には数え切れないほどこのことを言い表したものがある。代表的なものに、

苦労は買ってでもしろ

というものがあることは、あなたもご存知だろう。

私は、若い頃は、苦労を買うなんてまっぴら御免だと心底思う獣寄りの人間だったからどの面下げてここに記するのか?と自分に問いたくなるが、

今はわかる。というか思い知らされた。インディアナ・ジョーンズが秘宝にたどり着く前に手に入れる宝の地図と同じだ。「苦労は買ってでもしろ」は本気で重要な人生のヒントだった。

「苦労=苦しみ と、労り」と書く。労りは、ねぎらいともいう。苦しみの後には労いが待ち受けている。今振り返ると、本当にそうだと痛感する。

甘んじて受け入れる素直さがあなたを流れに乗せてくれる

これをありがたくも読んでくれるあなたは、私よりも数段若く聡明な人だろうと想像する。

どんなにうらやまれるような人生を送ってそうに見える人でも、その人なりの「艱難辛苦」を体験している。ヘマをし、失敗し、恥をかき、どん底を体験している。

これを嫌がってはいけない。これは「逆風」と呼ばれる風のただ中にある証拠だからだ。もしあなたが、いま、苦しい状況に置かれているならば、お悔やみ申し上げる。

さぞかし、私の想像を超える「苦痛」がそこにあるのやもしれない。

だが、少し落ち着いたならば、そのときはこんな見方もあるんだと思いだしていただきたい。

ヨットは逆風がないと進まない。推進力が得られない。向かい風と追い風があり、どちらもヨットには必要だが、逆風も推進力になっていることを忘れないでほしい。

ねじ曲がりたくなり、屈折してしまうこともあるだろうが、慌てずに体の力を抜き、逆風を感じてみてほしい。どちらから吹いてくるのか。どれぐらい強く感じるのか。

素直さはあなたの羅針盤となる

シルバーバーチは言う。我々は大霊と呼ばれる宇宙そのものの子供であると。文字通りそうであるという。

言われてみれば、我々は自分自身もトンボもカエルも自動車でさえ、宇宙にあるものだけで構成されているわけだから、「宇宙でできている」といえる。そう、宇宙の子供なのだ。

子供なのだから、成長しようとする。子供だから間違いも犯す。泣きじゃくり世をすねてみることもある。

だが、そんあときほど冷静になり、風向きを読み、帆を張って向かい風を捕まえてほしい。

そしていつか、あなたの目指す美しい港にたどり着いてもらいたい。それは必ずできる。

なぜならば、向かい風に素直に帆を張って目的地を目指した魂は、「労い」を得るからだ。

私も51歳になったが、向かい風に帆を張る。だいぶ苦労にもなれてきた。艱難辛苦に遭遇する数多の仲間を観てきた。だが、希望はいつもあることを学んだ。逆風が吹いたら、出発する時なのだ。

素直な心で風を見つめるとき、あなたにインスピレーションが届くことだろう。それを受け止めよう。


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