【短編】夜景とチョコレート #シロクマ文芸部
チョコレートを手に取り、ベッドの上で愛する男性に渡している日向がいた。全てをその手中に納め、タワーマンションの四十六階の一室で満足そうに微笑んでいる。
「ねぇ、誠治さん。これからは私たちの時代ね。あなたの不動産と私のデザインしたドレスでもっともっと輝く人生にしていきましょう。これはあなたの為だけに選んできたチョコレートよ。どうぞ、召し上がれ。でもね、その前に一つだけお願いがあるの」
「このチョコ、いろんな種類があるんだな。ん、ほとんどビターのチョコベースなんだね。僕が甘