【SS】大人の処方箋 #毎週ショートショートnote
お題:記憶冷凍/タイトル:大人の処方箋|
人は例外なく無垢な状態で生まれる。そして、周りの環境や友達、両親の影響を強く受けて「自我」が確立されていく。それぞれの人生を歩み始め独り立ちする頃になれば、悪に染まったり、正義感が人一倍強かったり、いろんな事に興味を示したりと一人一人違った人生に没入して歳を重ねていく。
一方で、歳を重ねていくごとに徐々に失っていくものもある。幼い頃の美しく無邪気な経験は、思い出せない記憶として奥底深くに仕舞い込まれてしまう。
誰しもが幼い頃の記憶を取り戻すことができれば、少しは犯罪も減少するのでは無いかと考える科学者がいた。科学者は研究を重ね続けた。そして実現できる目処が立ったのだ。幼い子を育てている親にとっては朗報だった。それは帽子型の装置で、被っている間は経験した記憶が全て特殊倉庫に冷凍保存されるのだ。
科学者は「幼い時の記憶冷凍保存サービス」として売り出した。注意書きには「解凍は大人になってから実施すること」と書いてあった。
410文字
以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)
出題日 5月12日
お題 記憶冷凍
裏お題 二億斉藤
先週のお題に対するSS
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