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ピボットのタイミングと大切なこと

今回はスタートアップ界隈の人なら一度は聞いたことがある『ピボット』について取り上げます。私も今まで事業検証を行いピボットしてきました。

今までピボットしてきながらも、この判断は良かったのかと考えることがあり今回自分なりにまとめてみました。

ピボットとは

pivot「ピボット」とは、事業アイディアを変えることです。
厳密には、事業がある程度形になっており資金調達を終えているような会社で使われることが多いみたいです。

スタートアップの事業検証の段階でも頻繁に行われています。
では、ピボットについて原因やタイミングについて、私が抱えていたモヤモヤを含めて解説していきます。


ピボットと機会費用

ピボットをする最も大きな理由は、機会費用の存在です。

機会費用とは「ある行動を採用をした場合に、代替的な選択肢としてどのようなものがあったのかを考え、その代替的な選択肢を実行した場合に得られる利益を、実際に採用した行動のために犠牲にした費用と考え、その行動を採用するべきかどうかを判断する利益計算をする場合には、機会費用も含めて考えなければならない」という概念 引用:経済学入門 奥野先生

機会損失や損切りなどと言われるように、今取り組んでいる事業がうまくいっていない中続けることで、ピボットした場合に得られる利益を失っている可能性があるということです。

時間は有限で、その期間取り組める事業の数には限界があるので、うまくいかない事業をひたすら取り組んでも逆に損失が膨らむばかりで回収することができなくなってしまいます。


ピボットを考える原因3選

はじめに、ピボットを考える原因について自分なりに3つのポイントをあげます!

①Founder Market Fit

Founder Market Fitとはその名の通りファウンダーとマーケットがフィットしているかどうかを示すものです。

①市場とファウンダーの相性
⇨興味があるかどうか。得意分野。精通している領域。
②Whyをもっているか
⇨自分自身がその事業に取り組む理由、意義。

これは事業アイディアがどうこうの前に、そもそもファウンダー自身と市場やスタイルの相性が合っていなかったり、その事業をやる理由を見出せていないことで起こります。

そのため事業を始める段階で、Founder Market Fitについては自分自身で深く考えておくと、その後もモチベーションを保ちながら長期的に取り組めると思います。また、大義をもって心からこの事業に取り組みたい!と思って進められる事業と、そうではない事業とでは結果も明白です。

ガイアックスの佐々木さんに教えていただいた、サイモン・シネックのゴールデンサークルの話は「なぜWhyからはじめるのか」について分かりやすく説明されているので是非見てみて下さい!

とはいえ、私のように経験値の浅い大学生の中には、そもそも特化した専門性や経験もなく、市場との相性が分からない方も多いと思います。(やってみるしかない)
そんな方はとくにかく自分が興味を持って取り組める領域や自分自身or大切な人が抱える問題を解決するために始めるのもいいと思います!

②モチベーションと経過時間

こちらもFounder Market fitに近い話ですが、ファウンダー自信のモチベーションと事業の進捗具合もピボットを考えるきっかけになります。

特に初期の段階の課題検証やソリューション検証のような地味で前に進んでいるのか分からない時期が長くなるほど、モチベーションが下がる傾向になります。(ここに時間が掛かり過ぎる事業が良いものかは別として)

そのためにも下記の3点が大事だと思います。
①期限を守り次のステップに進む
②やり切る
③モチベーションを持って取り組める事業を選択する

人間は誰しもモチベーションを一定に保つことは難しいので、期限や目標を定めて、やり切って次のフェーズに進んでいきましょう!


③検証した結果、行き詰まった時

上記の①と②はどちらかというとファウンダー自身のメンタル面が大きく影響していましたが、実際は検証をやり切ったり、ローンチした後に得た結果を元にピボットすることの方が健全だと考えています。

当たり前ですが、事業アイディアの段階では仮説でしかないので実際に課題検証を実施したり、ソリューションを検証してみて仮説とは異なる場合は大いにあります。仮説を持った上でやり切ると多くの学びを得ます。

結果から学び、その学びを元にピボットしたり軌道修正して学習し続けながら進むといずれ上手くいくと信じています。(上手くいっていないのでまだ言い切れませんが。。)

ちなみに、まだ初期の段階で判断できればいいのですが、タチが悪いのが中途半端にトラクションがあったり、周りに本当のことを言ってくれる人がおらず上手くいくと思い込んでしまうケースです。これらの時は、ピボットを避ける傾向になりやすく気づかないうちに損失を生んでいるので厄介です。


ピボットのタイミング

「どの検証フェーズの段階で?」「どんな反応、結果になった時?」「何回試行錯誤したら?」など私自身ピボットを意思決定するタイミングや判断基準が明確になっておらず、少しモヤモヤしていました。

私が抱えていたモヤモヤ

①判断材料
短期間で判断し、繰り返す場合は課題検証の段階で判断することも多々あります。その際に、最初の10人の結果を持っていても、他のセグメントならどうなのか?とか、あと20人に聞いてみたら変わるかも?と考えることで、ひたすらに終わりのないインタビューを行うことになってしまいます。。
つまり、今得ている情報で判断してしまってもいいのかと躊躇してしまうのです。

分析
・定性調査であれば数人で良い(定量調査だと終わらない)
・適切なインタビューが出来ていないためデータを信用できていない
・情報の質、量が悪い(判断材料が集まっていない、インタビューが甘い)
・未来への期待、バイアス


②ただ届いていないだけ?
ソリューション、MVPの検証に入った時に、実際に市場に出してみたものの全然反応がなかったり、利用する人が少ないという状態に陥ることがあります。このときに、複数の仮説が浮かび上がります。「課題の検証が甘かったかも」「ソリューションが刺さっていないかも」「セグメントが違ったかも」「まだターゲットに届いていないだけ?」「LPのデザインや表現の仕方が悪かったかも」「チャネルが間違っている?」

まだ届いてないだけだと思い込み、最も簡単にできるSNSで広告を続けてしまったり、そもそも課題の質が悪かったのだと思い込みピボットすることがありました。

分析
・原因を追求できていない
・課題検証をやり切れていない
・最初に使ってくれるアーリーアダプターを獲得できていない
・小さくスケールしないことをやるフェーズだと理解していない
・結果を分析する準備ができていない(それぞれの仮説を一つずつ分析して検証すれば良いのに、分析するだけの準備が出来ていない)


③これ以上やって成長する?
若干のトラクションが起きている状態でなかなか伸びない時に、どこまで続けるべきか分からなくなったことがありました。全くトラクションがなければすぐにピボットできるのですが、トラクションが若干あると決断し切れずに続けてしまいます。

分析
・ネクストアクションの選択肢が少ない(仮説が少ない)
・指標がない(AARRR、KPI)
・期限を決めていない
・何が原因かを理解していない(細かく分析できていない)


解決策3選

Whyを考え抜く

ピボットの原因で紹介したFounder Market Fit やゴールデンサークルの概念の通り、事業を始める前にWhyを考えることで途中でモチベーションを崩したり、事業を長期的に推進する力が付くと思います。それはモノ・サービスを利用する顧客にも伝わるストーリーになるので、重要な部分です。

ピボットの基準を定めておく

判断する基準としては、定性的なものと定量的なものが存在します。定性的なのは課題インタビューにおいて話し方や表情などから感じ取るもので、定量的なのは数値として分かるものです。

どちらとも仮説を立てた上で検証を行い、その結果や現状を比較することで判断しやすくなります。この仮説(指標)は様々な角度から作ることができるため、またの機会に紹介します!


短期間でやり切る(宮田さんから学ぶ)

「(こんな課題があるのではないかという)課題の仮説」を立てて、それを解決できそうなサービスのプロトタイプを作ります。それについて5〜10人にくらいにヒアリングして、課題としてアリかナシかという判断を1週間でやる」引用


市場は必ずある

やり切れていない理由『市場がなかった』と言いたくないですよね。ピボットする時は本当にやりきったのかを自分自身に問いかけてみると良いかもしれません。

ピボットすることは決して悪いことではなくポジティブなことです。むしろ、プライドやバイアスが邪魔してピボットできない状態の方が危険です。しかし、「嫌な仕事から逃げる場合」や「軽い気持ちで他のアイディアに目移りする場合」はピボットすべきではないと思います。

やり切るまでは『市場は必ずある』と信じて取り組みましょう!


大事なのは学習し続けること

ピボットを考える上で学んだことは学習し続けることの大切さです。どれだけピボットしても毎回学習することができれば、自分自身の価値ある経験としてその後の事業の成功確率が上がります。逆に、学びのないピボットにはあまり意味がありません。

またその学びには相応の事前準備が必要だと分かりました。検証を行う前の仮説や意思決定の指標、事前情報など、準備を整えることでその分質の良い学びを多く得て、成長できると思いました。

スタートアップで事業を伸ばしている方々は、やり切る力と試行回数と修正する能力が高く成長するスピードも早く感じます。成功している起業家の方々も何度もチャレンジを繰り返し今の位置まで辿り着いたのだと思います。私も、学びや成長を大切に事業に向き合い検証に取り組んでいきます!

ピボットにも色々な種類があるのでまたの機会に紹介します!
読んで頂きありがとうございました。起業家の先輩方、是非アドバイスのほどよろしくお願いします🙏

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