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オクトパストラベラーで勇ましく戦う術を伝授する(レビゥー記事)

どうしてここまで濁流のように書き連ねているか? 
それは真に迫ったレビゥー記事を書くことで人々に旅をさせようと自分が
考えているからに他ならない。旅は早ければ早いほど良い。遅くなるとどうなる?現代社会で考える力をなくし、制作チームのインタビューも読まないのにアマズンのレビューを上から4つとか5つ見てゲームを知った気になってしまうともう既に膝まで泥に浸かっていて引きずり出すのもめんどくさく、もはや救えないからだ。
かつてロードラのストーリーを読み、アイツはどの時代のせんしで……とかそんなことを考えながら風呂に入っていた歴戦の勇者が錆びついたまま旅に出ずに老いるのはすべてにおいての損失だ。旅に出て、勇ましくbattleせよ。

さて前回ゲームの本質であるロールプレイについて語ったところで思い出したいのはオクトパストラベラーがゲームであることだ。TRPGのシナリオではないので、テリオンがなんかのトラップに掛かって死んだり……オフィーリアは生き残りSAN値をかく得しながら次のキャンピェーンに備えたり……そういうことではない。
本質はさておき、ゲームの目的はまずクリアすることだ。だからこそ
この過酷な世界で戦い、生き残る術を書いておこうと思う。

RPGのセオリーなど捨て置く

まず最初に言っておくことがある。自分はいわゆるRPGを
あもりプレイしたことがなく、率直に言うとズブの素人だ。
たまに公言すると驚かれるがドラックエやFF……そういう
世界を賑わせてきたコンテンツに対してまったく造詣が深くない。
そしてインターネットでこういうことを言うとすぐにマウントを取って
知識や経験で殴りつけようとするヤツがいる。だが、そんなヤツが一番しょうもないと統計学的にも証明されている。

レジェンド・ゲームの経験がなくば何かを語ってはいけないなどという
ルールはない。そんなことでいちいちしょげたり、めげたりしなくていいと
いうことをまず自分からは伝えておきたい。もし言ってくるやつがいたら
両手剣で切り捨てればいい。そして、その鋼鉄の両手剣がオクトパストラベラーというわけだ。

BREAKし……BOOSTせよ

実はオクトパストラベラーのバトルシステムについてこまかく
説明しているサイトはない。公式サイトを含めてだ。なぜか?
それはオクトパストラベラーが古式ゆかしいコマンドバトルシステムを
採用しているからだ。見て分かれ、そう言いたいのだろう。

コマンドバトルはすべてに平等であり、クソみたいなミニゲームに我々を
付き合わせたあげく、「Miss!」みたいな腹の立つ文字を画面に踊らせて
こちらを煽ってきたり、ありし日のToZみたいにシュババッと指だのタッチャペンをすばやく動かす必要はない。焦るな。押し間違えにだけ気をつければ良い。だが、平等ということはイコールで相手にもチャンスがあるということに他ならない。

砂漠の岩場に隠れていて生まれた時から紫色の体表をしたもうれつな毒サソリがPOPしたとして、そいつにもとうぜん攻撃チャンスがある。コマンドバトルではそれを避けることはまずむつかしい。つまりは確実に毒サソリに刺される。それは一気に我々を死に近づけるだろう。コマンドバトルはサンズの川の向こうへ運ぶ相手をより好みはしないのだ。
じゃあどうするのか? 砂漠を避けるか? 毒サソリの紫色を見たしゅんかんにケツをまくって逃げだすのが正解か? 帰って酒や博打に逃避し、戦いの記憶を封印したまま緩やかに老いていき悟った気になって自然のことや海の生物の未来などを案じる無難で誰とも決闘することのない傷つかない生き方を選択すべきなのか?
そうじゃない。そもそも、毒サソリに攻撃させなければ良い。
その方法もこのゲームではちゃんと用意してある。

モンスターの左下に盾のマークがあり、その中に「1」の数字が見えるだろう。この数字が「0」になると死ぬまではいかないが奴らは泡を吹いて昏倒する。それをBREAK(ブレイク、ブレークとも)と呼ぶ。ではどうやって奴らをBREAKするか? 弱点を突けば良い。

かつてギリシア神話に登場したアキレウスは母より不死身の肉体を与えるため、冥府の川に全身を浸された。これによりアキレウスはかなり全身が不死身になったが、母親に掴まれていた踵の部分は不死身ではなかったのでこれを狙われて後に死んだ。
こいつらMOBは英雄アキレウスとは程遠いのでかなりの弱点があり、それを
突くことでBREAKできる。

ボスとかはたまにセコい手を使って自分の弱点を隠したりすることもあるが、それに対しても落ち着いて対処すれば問題ない。耳なしHo-1とイーヴィル・スピリットの戦いを思い出せ。Ho-1は腕利きの高僧ニンジャだったが手ぬるいので自分の耳にジツをかけず、結果としてイーヴィル・スピリットに耳をもぎられた。だがこれはHo-1があほで、イーヴィル・スピリットは諦めなかった、ただそれだけの話だ。
いずれ敵は確実に弱点を晒す。その時を狡猾なイーヴィル・スピリットのように虎視眈々と待て。

WEAKの文字の下に小さな武器やエレメンツのアイコンがあるのを確認してくれ。それが奴らにとってのアキレス腱だ。この場合、一番奥のアリのような何かはハンイットによって斧で弱点を斬られ、BREAKされた。よほど強力な一撃なのだと一目でわかる。そしてBREAKのしゅんかん、時間は泥めいて停滞する。ニンジャ同士の壮絶なイクサの趨勢が傾くかのような予感がプレイヤーの全身に駆け巡り、アドレナりンがむげんに湧き出す。その時、我々は知らず吠えている。

どれだけ勇猛な相手でもBREAKされるとへたりこんで動けなくなる。
次のターンまではぼうぎょりょくも下がり、何もできない。
どんな毒を持つ生物も、決して破れぬ筋肉を持っていようともそうなる。

手数が多い攻撃で弱点を突けばそれだけ多くのシールド・ポインツをけずることができる。つまりBREAKを早める。とにかくさっさと削って、BREAKだ。ちなみに初期のゴミみたいなスカスカの鉄でできた剣や斧で殴ったときでも弱点さえ突いておけばシールド・ポインツを減らせる。安物しか持ってないからといって仲間を遊ばせておいたり、てきとうにコマンドを打つのはあほで、愚かだと言わざるを得ない。
1ダメージしか入らなくても良いから弱点を突け。できなければ毒サソリのターンが回ってきて、刺されて、全身が緑色になって、変な汁を出しながら砂に埋れて死ぬ。覚えておこう。

次はBOOSTのはなしをする。右上のキャラクターの名前の下に
小さなイクラめいたものがあることがわかるだろうが、それはBPだ。
イクラは5つまでたまる。だが、溜めているだけでは何の意味もない。
使ってこそのイクラであり、BOOOOSTだ。
RボタンでBOOSTできる。

いったい何が起こった? 画面が青白く輝いているのがわかる。
BPを使用するとBOOSTが起こり、なんとそれは一度に3回まで可能だ。
つまり最大で3BOOOSTとなる。BOOSTに入るとキャラクターはオーラを纏い、やがてそれは3BOOSTで青白い神秘的な炎となり、敵は後退りきょうふに震える。そのまま崖から落ち、死ぬ間抜けも出るかもしれない。それがBOOSTだ。

このBOOSTは基本のコマンドである「たたかう」に加え、各スキルの効果をも高めることが出来る。威力や特殊効果を増長させるすごいエナジーを与えるのだ。そして何より凄いのがBOOSTの時のキャラクターのヴォイスだ。普段澄ましているハンサムなやつも、絶世の美女であろうとBOOOSTするとカラテ・シャウトを発する。
「ウアオー!」「オアアー!」「アオオオー!!」こんなふうにだ。
まいどボソボソと喋ってはテレビの音量をいちいち上げさせるあのテリオンですら、肩を怒らせ青白い闘気を放ちながら「ウアオー!」と叫ぶ。


オクトパストラベラーの主人公にうらなり野郎や男に媚びを売るだけの女はいないのでBOOOSTすれば確実に吠えたける。最初、それを聴いた者は笑うかも知れない。だがすぐにシリアスになる。つまるところ、BOOOSTはキャラクターの魂の猛りだからだ。闘気は可視化されカラテの威力は高まり、叫んだりして覚悟をかためる。純粋な闘争本能を呼び覚まし、敵を打ち倒すためにBOOSTが必要になる。それは現代人が忘れ去って久しい、獣の咆哮だ。これに適応した時、プレイヤーも一緒に吼えるようになる。
コンビニから帰る時どこかの窓からシャウトが聴こえたら、その家の奴は
間違いなくオクトパストラベラーをやっているし、3BBOOOSTしている。

ここまで読めばRPGを体験したことのない者でもBREAKとBOOSTを
合わせることで無限のパワーを手に入れて世界を支配できることを想像できるだろう。オクトパストラベラーにスーパープレイは存在しない。粛々と弱点を突きBREAKし、溜めていたイクラを3つ消費し……BOOST。抜け目のない計算をし、敵が体勢を崩したところでカラテを爆発させる。つまり、
コマンドバトルシステム+BREAK&BOOST=ニンジャのイクサだ。

サイラスは賢い

BREAK&BOOSTはほぼ半神的存在であるニンジャのミスティック・アーツ
領域に足を踏み入れており毒サソリや危険なトカゲが跋扈するオクトパストラベラーの世界においてRPGしょしんしゃが生き残るには十分なジツだ。そこにレジェンド・アールピーズィーのセオリーなどを学ぶ必要は皆無であり、RPGについての知識でマウンティングしてくるヤツやコマンドバトル方面においてあらゆる指図をしてくるヤツが介入してどうこうできる
レヴェルにはない。つまり、そういううっとうしいしょうもないやつがいたら弱点を見つけ、攻撃を重ねてBREAKし……BOOOSTして殴れば良いというわけだ。

だがここで問題が発生する。いかに優れたジツを持っていようとも
敵の弱点を探る術がなければ意味がない。手当たり次第にこうげきしたり、
なんか水属性っぽいから雷を撃っとけみたいなヤケクソなムーヴをすれば
死ぬのはこちらだ。そしてオクトパストラベラーではシナリオが進む度に
元々通っていた何ということもないはずの街道に唐突に見知らぬ邪悪な魔物が現れ、弱点がわからないまま時にパーティーはズたボロにされる。
ではどうやって効率的に弱点を探る? 

八人の主人公の中でもっともハンサムだと公言されているのがサイラスだ。
そしてもっとも、賢い。どのくらい賢いかと言うと……顔や髪型、そして
何よりアトモスフィアを見れば分かるがこいつは今は亡きサイファー・ロンデオン……いやサイファー・ストライクスに似ている。物腰が穏やかで賢く、そしてハンサムだ。そして思い出してみてほしいがサイファーはただハンサムなだけのインテリ野郎だったか? つまりそういうことだ。サイラスは賢く、ハンサムで、そしてタフで、賢く、BOOOSTを使えば獣の咆哮を上げる。つまり、信用に足るじんぶつだ。

サイラスは「予習」という固有の能力を持っており、バトルの開始時に
敵の全員の弱点を一つずつ開示させる。つまり、何度か出くわすだけで
全ての弱点を詳らかにしてしまうというわけだ。これでやたらめったらに
攻撃して時間やアイテムを無駄にすることはなくなる。さらにサイラスの持つ学者のスキルに「しらべる」というものがあり、これでも弱点を一つ提示する。提示された弱点はもう二度と消えない。永遠に「斧」だの「火」だのに弱いということをエネミーは開示し続ける。それは屈辱の烙印であり、死を暗示するマークだ。

サイラスをパーティーに入れてない場合は……勘で当てる。
ただの勘ではなく、修羅場を潜ってきた記憶から導き出される、勘だ。
だがこれはかなりの確率で外すし、まごついている間にもう我々の影を
見るもおぞましい毒サソリが踏んで、尾の毒針からじゅうじゅうと毒液を
滴らせているかもしれない。その辺りは自由にしてほしい。それもまた旅の思い出として語り継ぐ日が来る。だがまずはロッキングチェアの上で子どもたちに語る未来のためにも敵の弱点を見つけ、BREAKし、BOOOOSTで畳み掛けろ。そうしないと武勇伝は生まれないからだ。

今回は以上だ。

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