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[おんまちびと]まちかどの音楽でにぎわいをつくる―武藤聰宏さん(いさご通り商店街理事長)

「おんまちびと」では、川崎の音楽に関わる活動をしているみなさんをご紹介します。
今回はいさご通り商店街理事長、アジア交流音楽祭実行委員、アジアンフェスタ実行委員長を務め、いさご通り街角ミュージックを主宰する武藤聰宏さんにお話を伺いました。
(2024年4月15日放送「ミュートンパーク」から再構成しました)

路上ミュージシャン救済のためにはじめた「いさご通り街角ミュージック」

平成16~7(2004~5)年頃に川崎の駅前広場に路上ミュージシャンがすごく増えたことがあったんです。当時は警察がすごく厳しくてね。ミュージシャンがよく交番に連れて行かれる、なんて話があったんですよ。
川崎に「かわさきTMO」という中心市街地活性化を図るタウンマネジメント組織があります。その会合で、せっかく「音楽のまち・かわさき」と言っているんだから、その状況を何とかできないのかという話が出ました。それで、ミュージシャンたちに会場と電源を提供することが決まったのが「かわさきTMOバスカー」の始まりですね。
まず実験的に「平成19(2007)年にかわしん広場で開催しまして、私が「いさご通り街角ミュージック」を手掛けたのは平成21(2009)年3月が最初になっています。
今は500人くらいの登録ミュージシャンがいますよ。半分くらいはもう活動していないと思いますけれども(笑)
演歌からJ-POP、ギターやピアノの弾き語り、ジャズ、それからラテンギターなどいろんなジャンルの人に出演してもらっています。
また、いさご通りのほかに川崎競輪場の西ステージでも街角ミュージックを開催しています。

かわしん広場

アジア各国の文化を楽しむ「アジア交流音楽祭」と「アジアンフェスタ」

川崎はアジアのいろんな国の方たちが住んでるので、そこの音楽の交流を図ろうというところで始まったのがアジア交流音楽祭です。アジア各国の民族舞踊や民族楽器の人たちにも出演してもらっています。中国、インドネシア、カンボジア、台湾、韓国、ベトナム、フィリピン、日本でいえば沖縄もですね。そして美味しい美味しい、アジア系の食べ物がたくさん食べられるアジアンフェスタというのも同時開催しています。川崎駅前の商店街や商業施設にあるアジア系の飲食店、それと川崎信用金庫本店横のかわしんプロムナード、東田公園などに多くの屋台が出店します。スケジュールを見ながら回るもよし、なんとなくぶらっと見に来てもアジアの雰囲気を楽しめますし普段出会えないアジアの文化に出会えるんじゃないかと思います。

「アジア交流音楽祭」は川崎駅東口10か所の無料ステージで楽しめる

公式パンフレット(PDF)

いつかは音楽資料館を

「音楽のまち・かわさき」は一生懸命がんばっていただいていると思います。クラシックはミューザ川崎シンフォニーホールがある、ジャズはかわさきジャズがある。でもね、ちょっと欲を言わせていただくならば、私は大人が聴けるポップス、歌謡曲などもっといろんなジャンルの音楽をもっと取り上げてほしいなと思いますね。
そして、これも常々感じているんですが、音楽資料館がほしいんです。元々川崎には日本コロムビアの工場がありました。国産第1号のSPレコードは明治時代に川崎で作られたんです。その後レコードはLPになり、そしてCDへと進化してきました。そうした歴史を持っている川崎だからこそ、いろんな時代のレコード、そして音楽を集めた施設があったら素晴らしいなと思うんですよね。


武藤聰宏(むとう・さとひろ)
いさご通り商店街理事長、アジア交流音楽祭実行委員、アジアンフェスタ実行委員長。


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