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青梅シュトレン

さて今日は、クリスマスイブ。
毎年思うのは、日本のクリスマスって、イブで終了な感じがあるよな。
、である。
特に宗教的な側面を持たない人たちにとっては、1年の楽しいお祭りである。
そんな自分もそのくちなのだけれど。

クッキー屋として13年クリスマスクッキーを送り出してきた訳だけれど、
本番の頃には、クリスマス気分からお正月気分へ切り替える大事な時でもある。
気分で製作する人間にとってはこれが本当に大事で、うまく切り替えられないとお正月クッキーの製作に取り掛かれない。
そして、更新が遅くなる、、のである。

ケーキか、シュトレンか。

クリスマスといえば、生クリームにイチゴが乗ったケーキが主流だった子供時代。
そもそも生クリーム系のケーキと言われる類のものは、それほど心が動かない。
昔から焼き菓子がもっぱら好きだった。
専門学校でいろいろな菓子を見聞きした中で、
比較的焼き菓子の多いドイツ菓子やウィーン菓子に魅了された。
ところが、菓子屋の比率でいえば断然少ない。
身近にないからと卒業後に作ったものがいくつかある。
その中で、一番気合を入れて作ったのがシュトレンだ。

今ではシュトレンは普通に見かけるようになったが、
若かりし頃は置いている店を探すのに一苦労だった。
・・・かれこれ30年以上前の話。

右が青梅シュトレン、左はカカオシュトレン

好機にのっかって

この冬のクリエーターズマーケットでうめぼしの松本農園さんとブースを一緒に取って頂いた。
これを好機とばかりに、夏に下処理を済ませ、いかに調理しようかと考えていた青梅を使って何かを作ろう!と企んだ。
と、ここでシュトレンである。
クッキー屋としてデビューしたもんだから、好物のシュトレンを出すタイミングをずっと計り損ねていた訳だ。
ここぞとばかりに試作が捗る!

初挑戦だから、シンプルに青梅を生かしたい。
1作目は青梅のみで、水分の飛ばし具合をどの程度にするかを決定。
ただ、青梅だけでは酸味が強すぎる。
これに何を合わせるか。
2作目であたりを付けた副材料を決定。
3作目で最終調整。

そうして出来上がったのが、このクリマに登場した青梅シュトレンである。レーズンは味の濃いものではなく、少しすっきりした味わいのサルタナとサンマスカットのみを組み合わせた。
青梅の香の邪魔にならないように、ラム酒もどっぷりとではなくうっすらとまとわせるにとどめた。
その代わり、生地にラム酒を練り込み全体のバランスを整えた。
こうして、きゅんとした酸味の生きた、とても私らしいシュトレンが完成したのである。

自分の好きなものを受け入れてもらえるのは楽しいものだ。


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