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特許図面を愛でる01~ジェットコースター編~

※ 本記事はパテントサロン「知財系ライトニングトーク#19 拡張オンライン版 2023 冬」向けに執筆したものです。

パテサロLT(ライトニングトーク)、9連続9回目の参加です。過去8回は、権利化されている特許の内容でお料理をするという「特許料理シリーズ」でした。

 2021.1.25(1回目):簡単で美味しい炊き込みご飯(リンク
 2021.4.19(2回目):パラパラチャーハン(リンク
 2021.7.19(3回目):塩クッキー(リンク
 2021.10.25(4回目):日本酒豆腐アイス(リンク
 2022.1.24(5回目):かんたんお蕎麦(リンク
 2022.4.18(6回目):楽しい冷奴(リンク
 2022.7.19(7回目):簡単ジュース(リンク
 2022.10.24(8回目):特許料理11品まとめ(リンク

9回目の今回からは、「特許図面を愛でるシリーズ」を開始するものとします。

特許図面は、発明内容を説明するにあたって役立つもの。おカタい特許文献の中で緩さを醸し出す図面もあり、なかなか味わい深いものです。

これまで様々な記事で取り上げた図面を中心に、新作も交えつつ再編集してお届けしていきます。

第1弾はジェットコースター編です。


01 Loop the Loop @ Coney Island(米国)

US609164:Roller-coaster
出願日:1898.8.16 発明者:E. Prescott 氏 Google Patents リンク

US609164

北米初の宙返りコースター「Loop the Loop(Wikipedia)」関連の米国特許。実機と似た雰囲気の図面であり、レールを支える柱が細くて怖そうである。

02 国内最古の出願案件?

実公昭09-10375:滑走「カー」
出願日:1934.6.5 考案者:林 兩太 氏 J-PlatPat リンク

実公昭09-10375

ジェットコースター関連の特許分類「A63G21/04」が付与されている最古文献が、1934年出願の本件。図面から全貌は定かでないが、あまり怖くなさそうである。図面中の人物も楽しそう。

★ジェットコースター関連の特許分類★
A63G メリーゴーランド;ぶらんこ;揺動木馬(幼児用家具として用いるぶらんこまたは揺動木馬A47D13/10);すべり坂;スイッチバック;一般娯楽用の類似装置
A63G21/00 すべり坂;ヘルタースケルター
A63G21/04 ・固定レールを有するもの

03 スプラッシュマウンテン @ ディズニーランド

特許第2595424号:遊戯用乗り物
出願日:1992.9.2 権利者:株式会社オリエンタルランド J-PlatPat リンク

特許第2595424号 より

水飛沫を上げて落下する乗物に関する発明。側面14の形状等を工夫することで、水飛沫が客席内に入らないようにするという内容。出願日や図面から察するに、1992年10月オープンの「スプラッシュマウンテン」に関連する特許と思われる。

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04 穴あきコースター

特許第3434887号:遊戯用乗物装置
出願日:1994.4.20 権利者:ビイエルデイオリエンタル株式会社 J-PlatPat リンク

特許第3434887号 より

こちらは、走行軌道が欠落部を有する乗物装置。より一層のスリル感を味わうことができる恐ろしい発明。怖そうである。

ところで本件は、特許庁における審査時に「こち亀」が参照されている。特許出願前に公開されたこち亀にも、似たアイデアが登場していたのだ。

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05 懸垂型コースター

特開2002-18145:懸垂型ロ-ラ-コ-スタ-
出願日:2000.7.10 出願人:富士急行株式会社、豊永産業株式会社
J-PlatPat リンク

特開2002-18145 より

最後は懸垂型コースター。着席姿勢ではなく、図のとおり横向きになって走行するコースター。個人的には着席姿勢でさえ「あり得ない」ので、なんて末恐ろしい発明なのかと。人類の飽くなき探究心は凄い。


では、今回はサクッと5件で終了です。

ご覧いただきありがとうございました。

Uchida


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