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YouTubeラジオチャンネル「生きづらジオ」をはじめました

記事タイトルのままですが、「生きづらジオ」というYouTubeラジオのチャンネルをはじめました。現状では不定期更新ですが、週に1〜2本程度は公開したいと考えて、時々収録しています。

僕(小野寺)と、友人の早川くんの二人でやっています。
「YouTubeラジオ」と言っているのは、まあ、おしゃべりをメインとしたYouTubeのチャンネルというようなことです。
インターネットラジオというとポッドキャストなどで音声のみでやることが多いのかなと思うのですが、それをしゃべっている動画つきでYouTubeでやっていこうというようなことです。

この「生きづらジオ」について、初心を忘れないうちに書き留めておこうと思います。

生きづらジオって、どんなラジオ?

生きづらジオのことを紹介するときは、今のところ以下のような言い方をしています。

共になんらかの生きづらさを抱える二人の地味なおじさんがお互いの生きづらさについてだらだら喋るYouTubeラジオチャンネル「生きづらジオ」です。
メンヘラ・バツイチ・ひきこもり・無職で色々な生きづらさを抱える早川貴泰と、正体不明の生きづらさを抱える小野寺啓の二人でお送りしています。
もしよかったら、在宅ワークのBGM代わりにでも聴いてみてください。

大雑把にいうと、出てくる二人が自分たち自身のことをネタに「生きづらさ」や、「生きづらい中でそれでも生きていくにはどうしたらいいかな」といったことを、それぞれの持っている素朴な視点から喋るという内容です。

早川くんはやや自嘲的に「メンヘラ」という言い方を好んで使いますが、いわゆる心の病気をいくつか抱えており、人とのコミュニケーションや生活がうまくゆかないということを日常的に経験しています。
一方の僕は早川くんのように病気があるわけではないのですが、まあ世の中の多くの人たちが常にうっすらと感じる程度には「なんだか生きづらいなあ」と感じています。
この二人が「どんなふうに生きづらいのか?」「どういう感じでつらいのか?」といったことをお互いに聞きあうというのが、毎回の主な筋立てです。

僕は静岡県の島田市、早川くんは山形県の天童市に住んでいます。
簡単に会うことができるわけでもないので、オンライン通話アプリの「Zoom」でお互いの自宅をつないで収録をしています。
Zoomの通話を記録すると動画の形になるので、せっかく動画があるのだからということでポッドキャストではなくYouTubeで配信しようということになったような気もします。

「生きづらジオ」をはじめたわけ1:早川くん

僕としては、これをやろうと思った理由は二つあります。(あくまでも僕自身の理由です。早川くんの理由は他にもあるかもしれません)

一つ目は、「早川くんの生きづらい感じを理解したい」ということです。

僕と早川くんは学生時代からの友人で、付き合いの長さでいうとそろそろ20年近くになります。
それに加えてこの2〜3年は仕事でも彼の手伝いをしていました。彼はアニメーション作品を作る作家さんなので、進行管理とか諸々のことを、本業が映像制作である僕に依頼してくれていたのです。

特に仕事で関わる中で、僕が困ったことがあります。
彼は、上にも書いた心の病気などがあって、仕事を進めるにあたって様々な問題が起こってしまうのです。
スケジュール通りに進められなかったり、自分にはできないことをできると言って引き受けてしまったり、すごく落ち込んで何日も(時には何週間も)寝込んでしまったり、言うべきではない相手に言うべきではないことを言ってしまったり、判断力が無くなってなんでもかんでも人(主には僕)に確認しないと進められなくなってしまったりなどなどなど…。
例を挙げれば、キリがありません。
彼の仕事の「進行管理」が役割だった僕としては、これには困ってしまったわけです。

彼の心の病気を、彼が診てもらっているいる医者の言葉で説明すると以下のようなことになるそうです。

その1)双極性障害二型 = いわゆる「躁うつ」の一種。
その2)ADHDアスペルガー = いわゆる「発達障害」の一種。
これらが併発している「合併症」という状態。

僕にとって仕事上やっかいだったのは、これらの病気がどんな場面でどのような形で現れてくるのかといった傾向が読めず、予測が立てられなかったことです。

例えば、「アスペルガーの人は場の空気を読むことが苦手な傾向がある」などという形で個々の病気の症状は本を読んだりすればわかるのですが、それによって実際に早川くんがどんな時にどんな状態になるのかというようなことには一貫性が無く、本の知識だけでは早川くんの変化を読み解くことはできませんでした。
早川くんは頭の良い人なのでとても理性的にロジカルに仕事の話をしている時もあるのですが、翌日にはなぜか全て忘れてわけのわからないことをやっているというようなことが頻繁に起こっていました。

一時期は僕の方から「仕事を続けるのは無理なのではないか」というようなことを伝えたりもしたのですが、本人としてはどうしてもやりたいということでした。
それで、僕の方でも色々勉強したり辛抱強く付き合って少しづつ彼の心の変化の傾向を読み取ったりして、最終的にはどうにか仕事を進められる状態を作ることができました。

ですが、ここまでで僕にできていたのはお勉強的な視点で病気のことを理解し、早川くんのことを観察し分析したといったことまででした。
本当はその時僕は、「早川くん自身が、どんな時にどんなふうに感じているのか」を理解したいと思っていました。
それを理解できないと、仕事としてはともかく友人としての人間づきあいが難しくなっていくように思えました。
また、もし早川くんについてそういう「感じ方」を理解する方法があれば、早川くん以外の心の病気で生きづらさを抱える人たちのことを理解する手がかりになるかもしれないと思いました。

僕は映像制作者なので、そのための方法として早川くんの表情話しかたを映像で記録しておく方法があったらいいなということをその頃から考えていました。
「生きづらジオ」でやっているZoomの対面通話映像は、そのためには都合が良かったわけです。

「生きづらジオ」をはじめたわけ2:新型コロナの流行

もう一つの理由は、この時期にこんなことを始めたわけなので、やっぱり新型コロナウイルスの流行は無関係ではありません。

あとで自分が読み返す時のためにも附帯情報として書いておこうと思うのですが、僕と早川くんが「生きづらジオ」の開始準備をしていたのは2020年の3月から4月にかけてです。
この時期は世界各国での新型コロナ流行による都市封鎖などのあとを追うように日本でも(検査で確認された)感染者の数が1万人に達し、全国に「緊急事態宣言」というものが出て「外出自粛」という今まであまりみんな体験したことのないことをやる事態になっています。

その渦中で僕が気になっているのは、感染が恐ろしいとか外出できなくてストレスが溜まっているとか仕事ができなくて経済的に不安とかいうことがあいまって、みんながすごく「不思議な感じ」になっているということです。
みんなというのは、僕自身や早川くんも含めた「みんな」です。

早川くんが病気で生きづらいのが「どんな感じか」というのと似たような意味で、コロナの状況下で「(自分も含めた)みんながどんな感じか」というのも記録しておきたいと思いました。
社会状況がどうなっているとか個人の状況がどうなっているとかいう情報的なことではなくて、この時期のふつうの人たちがどんな表情でどんな喋り方をしているかを残したいわけです。

「生きづらジオ」の方法ならば、とりあえず僕自身と早川くんについてそういう記録を残せるなと思ったわけです。

「生きづらジオ」をはじめてみたら…

この記事を書いている時点で「生きづらジオ」には7本の動画がアップされています。
この段階で、上に書いた二つの「生きづらジオをはじめたわけ」を満たしてなおかつラジオとして面白いものにするためのコツが一つ分かっています。

それは、早川くんと僕がともに「正直に喋る」ということです。
この点は、早川くんと僕の間でも共通した理解になっています。

それぞれが自身の体験や記憶の中から、ちょっとかっこ悪い気持ちの持ちようや恥ずかしい経験を正直に話すことで、それぞれの人の持つ「感じ」の正体がちらりと見えることがあるようです。
これは考えなしにただ喋っていてはダメで、「正直に話そう!」ということを二人がかなり意識して記憶を辿りながら喋らないと実現できません。

「記録」という言葉には、何も特別なことを意識していない生のままの素材を記録することを意味するような響きがあります。
でも実際に早川くんと僕の「感じ」を記録するためには、僕たちはすごく意識して一生懸命記録されようとしないとうまくいきません。
このことも、なんだか不思議な感じがします。

ともあれまだはじめたばかりの「生きづらジオ」です。
「正直」をモットーに地味なおじさん二人が一生懸命に喋っています。
もし良かったら、コロナで外出自粛の在宅ワーク時にBGM代わりにでも聴いてみてください。


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