よい感想をぽんと言える人



文筆家の佐藤友美さんから、とても嬉しい本のレビューをもらった。

私は感想をもらうのが苦手だ。もちろん、もらって嬉しくないということは絶対にない。けど、なんだかちょっと気恥ずかしい。悪いなあという感じがする。多分、自分の書いた作品を読み直すことはほとんどないし、原稿が手から離れて、編集者さんに渡った瞬間に「過去のもの」になってしまうからだと思う。一度手から離れた原稿は自分のものという感じがしないし、内容も忘れてしまう。

シェアハウスに住んでいた時、仕事で行き詰まって、頭が割れそうなくらいに悩み、「何か良いヒントはないか……」と思いながら共同の本棚(7人の住人の所有している本が、全部一箇所に所蔵されている)を眺めていて、ふとカバーのかかった本を手に取り、パラパラとめくってみて「なにこれ!すごく良いこと書いてるじゃん!誰が書いたの?」と思ってカバーを取ってみたら自分の本だった、ということがあった。

それぐらい、内容を忘れている。著者としてそれってどうなの?って思うかもしれないけど、だから、他の人から「あの本のここがよかった」とか「ここが面白かった」と言われても、「ええ、はい、まあ、そんな本もありましたっけねえ」というような、どことなく他人事のスタンスで聞いてしまうことが多い。

けど、多分それは、自分の作品にどこかで後ろめたい気持ちを抱えているからだろう。

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それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

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