小野美由紀

文筆家。著書に銭湯を舞台にした青春小説「メゾン刻の湯」(2017.2)「傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」(幻冬舎文庫、2015年2月10日発売)絵本「ひかりのりゅう」(絵本塾出版、2014)など。http://onomiyuki.com/
固定されたノート

小野美由紀はなにを書いているのか【お仕事のご依頼について】

そういえばnoteで自己紹介を書いていなかったなと思い、これまでの簡単な来歴と、コンテンツをまとめておきます。デビューからこれまで、主に2017〜2018が中心です。

最初のころ

2010年から2014年ごろにかけて、個人ブログを細々と更新していました。

それらを読んでいただいた編集者さんからお声がかかり、エッセイなどを出版させていただくようになりました。

書籍

ひかりのりゅう

201

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社会の役に立っている実感のこと

6月某日

編集者さんと打ち合わせ。12月刊行予定の長編小説について。

なんだか調子が悪い日で、ぼんやりして財布を家に忘れ、半泣きで家に戻り、電車に乗ったら明治神宮前で降り過ごして20分遅刻。死にたい。死にたいけど死ぬほどお腹が空いていたので待ち合わせのお店でフレンチトーストを食べた。美味しかった。AALIYAのフレンチトースト、むっちゃふわふわ。

プロットにひねりがない事を心配して今まで最終

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亀はウサギに憧れるし、ウサギは亀に憧れる

旅先の出会いって不思議だ。目を見ただけで、言葉も交わす前から「あ、この人」と分かってしまう相手がいる。

6月某日、原稿を書きにホイアンのアンバンビーチのカフェSound of Silenceへ。

名前の通り、目の前がビーチで、波の音しか聞こえないとても静かなカフェだ。

ココナツコーヒー片手に海の見えるテラスに行くと、一番眺めのいい席に、綺麗な金髪の、白人の女の人が座っていた。

私は正直、ゆ

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専門学校に行きたかった話

SNSを眺めていたら、写真家の荻野直之さんのウェブサイトが流れてきたので、久しぶりに彼の作品を見る。

荻野さんは医大を出た後、電通に勤めて、辞めて、写真家になった。

インドネシアの奥地のシャーマンの写真や、ウズベキスタンのバレリーナの写真、京都の祇園の置屋での舞妓さんの写真など、神秘的な女性を中心に撮り続けている。

窃盗で逮捕された元彼の知り合いで、紹介してもらって仲良くなった。

私が最初

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世界で一番静かなお茶屋

私が世界で一番素敵だなと思っているカフェはベトナムのホイアンにある。その理由は一つで、とても、とても、とても静かである事だ。

「Reaching Out Teahouse」。

このカフェを運営しているのは聾唖者の自立就職支援NPO法人であり、働いているスタッフは全員、耳が聞こえない人たちである。

注文やスタッフとの会話は全て、このテーブルの上に置かれた木製のブロックとメモ帳で行われる。スタッ

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ソウルと印税

6月某日

2泊3日の弾丸ソウル。ソウルに来るのは4回目で、しかも初めて来たのは30代になってからなのに、なぜか毎回「なつかしい」感じがするのはなぜだろう。かくかくの文字、赤や黄色の派手な照明、路上に面した店から溢れるキムチと豚肉の匂い、バケット山盛りの甘辛いフライドチキン、路上に放り出された一着100円の古着。眠そうな顔に丸メガネをかけ、深夜中繁華街をうろつき回る人々。硬質な電子音。

故郷でも

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