ミルクティー × タピオカの擬人化百合

ミルクティー × タピオカ

「あなた最近、調子のってるって噂されているわよ」

 その声に振り向くと、ミルクティーが亜麻色の髪を指に巻きつけながら、こちらを見ていた。

「人気者はツライよねぇ。またモテ期きちゃったからなぁ~」

 私は溜息を飲み込んで、わざと軽い調子で答えた。
 自分の魅力は理解してる。
 黒髪に甘い丸顔、ムチムチな体も評判がいい。

 一方の彼女も、品があって優しく、皆に好かれている。
 私たちは「お似合いの二人」って周りから思われているみたいだけど、実際の仲はこんなもんだ。

「いろんな子と遊んでるんでしょ?」
「何、嫉妬ぉ? まぁね、いま引っ張りだこだから、私」
「誘われるままホイホイのっかっちゃって。どうせ今だけよ、直に飽きられるんだから」

 よく言う。
 自分だって、昔っからあっちこっちにイイ顔してるくせにさ。

 最近はテイストの違う子とつるんでみたりする私だけど。
 結局、ミルクティーに帰ってきてしまう。
 だってホントは、執着してるのはこっちなのだ。

 いつだって、底に沈んだまま置いていかれるのは私の方なんだから。

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