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好きなことを、好きなときに、好きなように。 ★ツイッタ(@onon_orange) ★インスタ(onon_orange) ★なろう(userid/877513)

マガジン

  • 日々のポエム。

  • 月を拾う旅シリーズ

    月の落とし物を拾い集める「私」が出会う、少し不思議な物語たち。

  • 【シナリオ】あの世ワーク

    気が付くと厚子はあの世の入口に立っていた。それ以前の記憶が全く無いまま、「あの世センター」へ向かう。 そこで自身が「まだ死んでいない」状態だと判明した厚子は、生死が確定するまで「あの世センター」で働くことになった。

  • 【シナリオ】おじさんはケービーン

    ショッピングモールで警備員をしている秦(しん)は、殺人事件の現場で、子供の幽霊と出会う。 幽霊の大和は、かつて秦が想いを寄せていた女性の息子だった。 瞬間記憶能力をもつ大和に乗り移られて大捕り物をしたり、秦の毎日は一変する。 騒がしい日々を送りながら、秦と大和は次第に心を通わせていく。

  • まぁちゃん と さっちん

    「まぁちゃん」と「さっちん」の、交互にそれぞれの視点から紡がれる何でもない日常の小話集。 24のお話の背景には、長い月日が流れています。 ここには描かれていない、二人の物語を想像して読んでもらえたら嬉しいです。

最近の記事

応募作品あらすじ(読切)

読切作品『俺の彼女の重い愛』 【応募作品のあらすじ】  主人公の武は病室で美少女の南に「あなたの恋人」だと告げられる。彼女の事を全く知らないため驚く武。事故で入院する際に出来心で記憶喪失になったフリをしてしまったが、実際は記憶を失ってなんかいないのだ。美少女からの好意に戸惑いつつも浮かれていた武だったが、彼女のなくしたピアスが何故か自宅のベッドで見つかり、恐怖を感じて突き放す。しかしその後、自分の記憶に曖昧な部分が存在することに武は気づく。南に関する記憶だけ本当に忘れてしま

    • 【シナリオ】俺の彼女の重い愛

      ○病院・病室    入谷武(20)と橋本南(20)、見つめ合っている。 南「私、あなたの恋人なんです」 武「……はっ?」    武、ベッドの上で目を丸くする。    南、武の反応に傷ついた様子を見せるが、すぐに笑みを浮かべる。 南「本当に、記憶がないんだね」    武、南の笑顔に見とれる。 武M「うわぁ、凄い可愛い……いやいやいや。この子は何を言ってるんだ? 俺に恋人なんていない!」    武、頭を抱える。 武M「どういうことだ? 俺は記憶喪失なんかじゃない。

      • 【小説】王様の朝食

         暑さで目が覚めた。 「あちぃー」  カーテンを勢いよく開けると外はいい天気だ。 「ふっふっふ、絶好のアイス日和だな」  俺は足取り軽くベッドから抜け出した。  先日、いつも頑張っている自分へのご褒美に業務用の高級アイスクリームを購入した。冷凍庫を占領するその姿にニンマリする。  俺はボックスを取り出し、大きめのスプーンを片手に窓の近くへ。ダイニングチェアを持ってきて窓を開け放つ。気持ちのいい風が入ってきた。  椅子に膝を抱えて座る。膝の上にはでっかいアイス。いざ! 「い

        • 【詩】君の翼

          君の翼は美しいね かわいそうにね その翼があるばかりに 重い体を引きずって 地上を歩くことを許されない 空を目指し 皆に笑顔で別れを告げて そうして君のことを誰も覚えていない 君はこんなに美しいのにね

        応募作品あらすじ(読切)

        マガジン

        • 6本
        • 月を拾う旅シリーズ
          3本
        • 【シナリオ】あの世ワーク
          7本
        • 【シナリオ】おじさんはケービーン
          6本
        • まぁちゃん と さっちん
          24本
        • スイーツ擬人化百合
          4本

        記事

          【シナリオ】あの世ワーク①

          ○あの世入口・門の前    愛川厚子(30)、スーツ姿で頭上を見つめ、口を開けたまま固まっている。 厚子「アッハ。またまたぁー」    厚子が見上げている大きな門の看板には、『あの世 入口』と書かれている。 厚子「え? ウソだよね、だってまだ若いよね、私。事故? 病気? それとも事件に巻き込まれたとか?」    厚子、頭を抱える。 厚子「ダメだ、なんっにも思い出せない……ていうか『あの世』って。そのまんますぎない?」 松田の声「ちょっと、そこどいてもらえる?」

          【シナリオ】あの世ワーク①

          【小説】放課後、窓際の檸檬たち

          【登場人物】  アイダ:毎日楽しい。  ウエノ:読書すればモテると思っている。  私:「普通」が個性。 *** 「うわ、ウエノがホントに本読んでる!」 「言ったろ。僕は生まれ変わるんだよ、インテリに」 「マジか、すげぇ。有言実行じゃん。あ、今の俺の方がインテリっぽくね?」  放課後の教室。  何だか動く気が起きなくて机に伏せて寝たフリをしていたら、バカみたいな会話が耳に入ってきた。  思わず窓際の机に目をやる。  アイダ君とウエノ君だ。うちのクラスの明るいバカと静か

          【小説】放課後、窓際の檸檬たち

          【小説】ミモザとマーマレード

          【月を拾う旅シリーズ:No.3】 「美しい庭ですね」  水やりをする後ろ姿に声をかけた。 「あら、お客さん。珍しいわね」  振り返った女性は、チェック柄のロングワンピースに頭には三角巾。いかにも「お母さん」という出で立ちである。 「あの、月の落とし物について何か知りませんか」  女性は目を丸くした後、明るく微笑んだ。 「もしかして、アレのことかしら。待ってて、いま持ってくるから。そこのベンチに座っていて」  そう言って家の中へ入っていった。 「今回はあっという

          【小説】ミモザとマーマレード

          【小説】トロイメライのオルゴール

          【月を拾う旅シリーズ:No.2】  教会の前にある噴水の縁に腰掛け、礼拝が終わるのを待っている。  ほんのり潮の香りがして、下り坂の奥に海面の煌めき。  やがて人々が大きな扉から出てきたのを見て、入れ替わるように私は聖堂へ向かった。 「見れば分かる?」 「どうでしょうね」  胸に抱いた黒いパグに尋ねると、頼りない返事。  しかし、椅子に座る後姿に「あ、この子だな」と直感が働いた。  実際、腕に掛けていた月傘がその子供を指し示す動きをしたので、当たりだ。 「少年、キ

          【小説】トロイメライのオルゴール

          【小説】真夜中の公園にて

          【月を拾う旅シリーズ:No.1】  彼女と仲良くなったのは、小学校一年生の教室で、私の前の席に座っていたからだ。  特に何か起こったわけではなく、彼女は社交的であった、ただそれだけ。  幼い私は引っ込み思案で、自分から誰かに声をかけるということができなかったので、友人と呼べるのは彼女だけだった。  対して、人気者の彼女にとって私は「たくさんいる友人の中の一人」であることが、寂しかった。  やがて中学生になると、お互いに違うグループに属するようになり、高校生の頃には、ほと

          【小説】真夜中の公園にて

          【シナリオ】あの世ワーク 7(完)

          最初:あの世ワーク 1 前話:あの世ワーク 6 ○住宅街・歩道(夜)(夢)    厚子、スーツ姿で歩いている。 厚子「何よあの男! ハッキリしないんだからー!」    厚子、歩道の石を蹴飛ばす。 厚子「付き合って何年になると思ってんの? もう30なのに私!」    厚子、歩道の端に黒猫がいるのに気づく。 厚子「おわっ、ビックリしたぁ。暗いと黒猫って見えにくいね」    厚子、黒猫にそっと近寄ってしゃがみ込む。    黒猫を見つめながら、呟く。 厚子「またケン

          【シナリオ】あの世ワーク 7(完)

          【シナリオ】あの世ワーク 6

          最初:あの世ワーク 1 前話:あの世ワーク 5 ○あの世センター・面談室    厚子、椅子に座ったまま伸びをする。 厚子「夢のせいで、あんまり休んだ感じがしないなぁ……」    藤沢あさひ(27)、暗い顔で部屋に入って来る。 厚子「こちらへおかけください」    藤沢、驚いた顔で厚子を見る。 藤沢「タカヤさん? タカヤさんなの? あああ、会いたかった!」    藤沢、厚子に勢いよく駆け寄る。 厚子「お、落ち着いてください。私の姿は、あなたが親しみやすいよう、

          【シナリオ】あの世ワーク 6

          【シナリオ】あの世ワーク 5

          最初:あの世ワーク 1 前話:あの世ワーク 4 ○あの世センター・休憩室    休憩室には厚子と受付がいる。    担当、部屋に入って来る。 担当「ああ、仕事したくないなあ」    受付、担当を冷めた目で見る。 受付「あなたはイヨさんのおかげで、楽をしているのでは?」    担当、厚子の近くにやって来る。 担当「私、あの人、取っつきにくくて苦手なんです」 厚子「担当さんはいつもヘラヘラしてますもんね」 担当「嫌な言い方しますね……。それはそうと、どうでした?

          【シナリオ】あの世ワーク 5

          【シナリオ】あの世ワーク 4

          最初:あの世ワーク 1 前話:あの世ワーク 3 ○高校・教室(夕)(夢)    厚子(17)、清春(17)と机を挟んで向かい合わせに座っている。    清春、日誌に記入している。 厚子「早く終わらせてよね。ホントにハルは昔っからトロいんだから」 清春「ごめん、あっちゃん」    厚子、歴史の参考書を読んでいる。 厚子「いち早く作った帝国憲法……」 清春「あっちゃん、ゴロ合わせ好きだよね」 厚子「一番好きなのは、『文くださいね卑弥呼より』かな。すごい素敵じゃない

          【シナリオ】あの世ワーク 4

          【シナリオ】あの世ワーク 3

          最初:あの世ワーク 1 前話:あの世ワーク 2 ○あの世センター・面談室    部屋の扉が開き、原みどり(57)が入って来る。    厚子、気合を入れて声をかける。 厚子「どうぞこちらへ!」    原、厚子の顔を見て驚く。 原「あっ!」 厚子「えっ?」 原「マサル! どうしてここに!」 担当「イヨさんのことが、彼女には『マサルさん』に見えているみたいですね」 厚子「なるほど。本来は私もこういう反応になるはずだったんだ……」 厚子M「だとしたら、担当さん、あ

          【シナリオ】あの世ワーク 3

          【シナリオ】あの世ワーク 2

          前話:あの世ワーク 1 ○あの世センター・待合室(夜)    厚子、マニュアルを読みながら長椅子に横になっている。    受付がやって来る。 受付「我々はもう帰りますので」    厚子、体を起こす。 厚子「あ、受付の……お名前、何ていうんですか?」 受付「我々に名前はないんです」 厚子「じゃあ『受付さん』で」 受付「あなたも名前、分からないんですよね?」 厚子「そうなんですよ、不便だな……あっ、そうだ、番号!」    厚子、番号札の数字を見る。    『1

          【シナリオ】あの世ワーク 2

          【シナリオ】あの世ワーク 1

          ○あの世入口・門の前    愛川厚子(30)、スーツ姿で頭上を見つめ、口を開けたまま固まっている。 厚子「アッハ。またまたぁー」    厚子が見上げている大きな門の看板には、『あの世 入口』と書かれている。 厚子「え? ウソだよね、だってまだ若いよね、私。事故? 病気? それとも事件に巻き込まれたとか?」    厚子、頭を抱える。 厚子「ダメだ、なんっにも思い出せない……ていうか『あの世』って。そのまんますぎない?」 松田の声「ちょっと、そこどいてもらえる?」

          【シナリオ】あの世ワーク 1