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海の顔

高校生の頃は、海といえば瀬戸内海だった。
(今住んでいるのは、海なし県だが)
潮の流れの速い場所以外は、波頭さえ見えないおだやかな海である。
(春の海 ひねもすのたり のたりかな<与謝蕪村>・・・の様)
 
太平洋の波を見たときは驚いた。
沖合からすでに波頭が白く現れ、帯状になって押し寄せて来る。
のこぎりのような岩礁にタックルするかのごとくぶつかり、裂けて砕けて飛び散る。
(大海の磯もとどろによする波われて砕けて裂けて散るかも<源実>・・・の様)

60数年前の絵ハガキ。漱石「坊ちゃん」に出てくるターナー島(四十島)
向こうに見えるは興居島。走る客船は関西汽船の別府航路。
村上水軍の本拠地能島。潮流が激流のように流れる海。
犬吠埼