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【PTA夜話】PTAの会費、いくらまで出せますか?

少し前にX(Twitter)を見に行ったら、「PTAで何か活動してね、仕事は理由にならないよアンケート」の話がタイムラインに流れてきてました。もうそんな季節なのですね。たしか数年前には、「1万円払うから勘弁してほしい」というツイート(当時はまだ「Twitterツイッター」だったのです)がバズっていたと思います。

PTA会費、わが子のときは確か年間3000~4000円くらいで、町内会費と同じくらいだったかと思います。これは一家庭当たりの金額なので、きょうだいが多い家庭ほどお得になる計算です。PTAに入らない人は増えているでしょうし、少子化で一人っ子が増えているとは言え、この会費で大丈夫なのかなあと当時漠然と思っていました。ざっくり、全学年で400~500人くらいの規模だったかと思います。コロナ禍があったので、行事などを減らして会費も下がっているかもしれませんが、現在のところはわかりません。
幅を広くとってぼかしてます

さて、「1万円払うから……」のツイートを見た時、「そんな額で足りるかいな」と反射的に感じたのを覚えています。会費を倍以上払うと言うと聞こえはいいけど、首都圏では当時でもアルバイトやパートは時給900~1000円が大体の相場。1万円で10時間人を雇えると考えても、10時間で完結するPTA活動って1年限りの委員活動でも多分ないんですよね。じゃあ、一体いくらあればいいのでしょうか?

本部役員をして実感したのが、実際に学校で作業・会議する時間だけでなく、家で考えを練ったり、LINEで“同僚”と報連相している時間もかなりあるということでした。繁閑はありましたが、繁忙期は週に3~4日は行って4~5時間、決算前は空が真っ暗になるまでやっていました。お祭りや漢検、運動会のような大きい行事などは事前準備に始まり諸々かなりの段取りが必要ですし、当日は土日の半日仕事です。毎月会議があって、そのための準備資料を作ったり……。

バイトルのサイトによると、扶養の範囲内で年間103万円ぶん働く場合、仮に時給1300円とすると年間の労働時間は792時間だそうです。これを12か月で割ると月に66時間、さらに月の平日20日で割ると1日3.3時間になります。(下記リンクより)

1,030,000(扶養の範囲内、103万円の場合)÷1300(時給)=792(時間)
792(時間)÷12(か月)=66(ひと月あたり時間)
66(時間)÷20(日)=3.3(一日あたり時間)

PTA本部役員の仕事は何時間?(あくまでも仮定です)

まあ毎日学校に行くことはないので仮に週3として、この扶養内で働く時間の6割をPTA本部の実働時間と仮定し、103万のうちの6割、約60万円が本部役員の仕事に相当すると考えると、60人が1万円出してくれてやっと本部役員を一人雇用できることになります。

792(時間)×0.6=475.2(時間)
103(万円)×0.6≒61.8(万円)

もし同じ時間パートしてたら、いくらになる?(あくまでも仮定です)

当時、現役の本部役員は約20人※※で、任期は2年。半数が毎年入れ替わります。(1年目で仕事を覚えて、2年目で次の人に引き継ぐ。そうやってノウハウが残るようにしているわけですね。)そうすると、本部役員を20人雇うのに年間約1,236万円必要で、これを450人の児童数で割ると約2.8万円です。仮に家庭数が350なら、1家庭につき約3.5万円。実際にはコピー用紙、リソグラフのインク代、お祭りや謝恩会、ママさんバレー、PTA上位組織への会費など、多岐に渡ってお金がかかります。現行の会費が3500円くらいなら、それを上乗せした約4万円が「本部役員にならなくていい年額」で、しかも「(割った数の対象者)全員がその額を出すのが前提」です。
※※訂正:当初10人と書いていましたが、倍の約20人でした。毎年約10人が入れ替わります。ですので、ここで計算した“人件費”は倍ということになります。計算式を修正しました。

61.8(万円)×20(人)=1236(万円)
12,360,000(円)÷450(児童数)≒27,500(円)
12,360,000(円)÷350(家庭数)≒35,300(円)
{(27,500+35,300)÷2}+3500≒35,000(円)

学校のPTA会費は家庭数ベース?児童数ベース?

PTA会費に約3.5万円、6年間(あるいは9年間)毎年払えますか?あるいは、年間60万円のパート代が入るなら、本部役員のお仕事、やりますか?

実際には、人を雇用するとなると法人登記をしたり、税金の支払いをしなくてはいけないでしょうから現実的な話ではないのですが、こういうお金、人件費の面から、ちょっと考えてみたいなと思って書いてみました。
毎年PTAの予算や決算の報告が配られていると思いますが、ぜひ目を通して「この“〇〇費”って結局何なん?」なんて思ってもらうのもいいんじゃないかなと思います。

今の自分は、PTAは会費を払って広報紙をもらい、年に1~2回単発ボラをやるだけの人なのですが、「絶対やりたくない」でも「皆やっているんだから全員やるべき」でもなく、現実に存在する(しかも子供の学校や地域に関係ある)組織がどのように回っているのか、そういう視点で見る、考える癖を持っておきたいな……と思っています。

このドラマ以前見たことありますが、面白かったので載せておきます。松平健さん演じる「おじいちゃん」がワーママの代わりに(?)PTAの副会長に……!毎回“あるあるトラブル”に直面しながら、PTA問題を考えていきます。


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