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ウイルス、ゾンビからは逃げるべきか、それとも戦うべきか?『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮/3:最後の迷宮』#映画感想文

前回『メイズ・ランナー』の感想を書いて、2と3もそれぞれに感想を書くつもりでしたが、結局連続で一気に見てしまいました。ただ、2と3は心構えというか、1を観た時とは気持ちがかなり違います。1のラストで少年たちはウイルスの免疫研究のために集められたことが明かされますが、『メイズ・ランナー』は2014年、2は2015年、3は2018年の作品です。この頃は新型コロナウイルスによるパンデミックなど想像もしなかったでしょうし、軍事侵攻、衝突もなかった。でも今はそのどちらもあります。どうしても、そこを念頭に置かないで見るのは難しいですね。そんな映画の時間になりました。

迷路を抜けたトーマスたちが収容されたのは、少年たちを箱庭に送り込んだ組織「WCKD(世界災害対策本部)」の施設だった。毎日数人ずつ連れて行かれるのを疑問に思ったトーマスは組織が人体実験をしていると確信し、仲間たちと脱出を敢行する。しかし施設の外は灼熱と厳寒の砂漠で、辿り着いた廃墟でほっとしたのもつかの間、その中はウイルスに侵され狂暴化した「クランクゾンビ」の巣窟だった……。RAライトアームと呼ばれる集団がWCKDから若者を脱出させて山岳地帯に暮らしていると知ったトーマスたちは、広大な砂漠を抜けて山間部を目指す。

あらすじ『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』

仲間だと思っていたテレサの裏切りによってWCKDの攻撃を受け、RAは全面敗走するしかなかった。RAのリーダーはこのまま新天地へ向かう方針を定めるが、トーマスたちはWCKDに捕まったミンホを取り戻すことを決意する。ミンホは、「最後の都市」と呼ばれる防護壁に囲まれた電脳都市の研究施設で血清の研究に利用されていた。テレサはワクチンの開発こそ急務と信じ、ミンホの血液から血清を作る研究を急ぐ。
トーマスは新しく仲間に加わったブレンダたちと共にミンホ奪還を計画する。だが計画の実行には「最後の都市」に敵対し防護壁をよく知る“反乱軍”の協力を得る必要があった。
ミンホの無事を願うトーマスだが、その傍らで、ウイルスは徐々に親友ニュートの体を蝕んでいく……。

あらすじ『メイズ・ランナー3:最後の迷宮』

迷路の攻略がテーマだった1と違って、2と3はWKCDとの戦いが軸で、「ザ・アメリカ映画」という感じではあります。全編を通して銃火器がバンバン使われる場面が多く、FPSゲームを映画化したのかと思うほど。追跡の兵士たちから逃げ、ゾンビから逃げまくり、WKCDの「悪者ワル」ジャンソンと対決し(この人はさながらラピュタのムスカを彷彿とさせますね……顔はナウシカのクロトワに似ていますが)、銃撃戦あり、トラックで列車を襲撃し、電脳化された都市へ侵入し、ラスボスと最後の対峙……と緊迫のアクションシーンが満載です。

それにしてもウイルスは目に見えないし、ゾンビからは逃げるしかないし……どうやって戦うのか、本当に戦う相手って結局……一番怖いのって、もしかして人間なんじゃないの……と思ったり、でも人間だからこそ信頼関係、友情が生まれて、仲間との絆ができて……自分がどういう信念でもってどう行動するか、ほんとそれに尽きるんだろうな……、なんて思って、結局1の「日常と非常事態」に戻るんですね。でも1の時と同様、見ているときはあまり深く考えず怒涛の展開で、あっという間でした。

一方で、人類を救うためワクチンを作ることの重要性が説かれながら、そのために犠牲になる者がいること、作られたワクチンは誰が優先して使うのか?といった問題も提示されています。パンデミックを経て今も数多あまたのウイルスたちと“共存”している今、このシリーズは再評価されてもいいような気はします。

本筋からそれますが、「最後の都市」の通勤の場面では、行き交う人々が皆マスクをしていて、それがちょっと異様に見えるんですよね。なるほどマスク率が高いとこういう風に見えるのか……でもアメリカではサングラスで目を隠してもマスクはしないなんて言いますが、映画を見ているとみんなしっかりと目を見て話しているんですよね(実は私、視線をがっつり合わせるのがちょっと苦手)。アイコンタクトも、口元の非言語メッセージも、どっちも大切なんだよな……とか、そういう気づきもありました。

「ゼルダが映画化するから」という理由だけで見始めたのですが、3つで1つのこの作品、よかったです。「簡単に施設に侵入できるの都合よすぎる」とか細かい部分が気になる人には向きませんが、社会的なテーマが入っているのが好きな私にはバッチリでした。



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