なぜ、職場に「オープンダイアローグ」が有効だと思うのか?
フィンランドの精神医療現場で用いられているオープンダイアローグ(以下、ODと略す)を私は、職場に導入したい。
そう話すと、「ああ、メンタルヘルス対策ね」と捉えられがちだ。なぜなら、知る人ぞ知る、オープンダイアローグは、2019年にはNHKで、日経新聞では2021年に「メンタルケアの新手法」として紹介されているから。
1.オープンダイアローグとは?
これが注目を集める理由は2つ。
一つ、薬物なし(※)で治る点。例えば、うつ病、パニック障害など精神疾患で困りごとを抱える人に、病名の通達と服用を提供する代わりに、対話だけを提供して、回復に導く点だ。
もう一つは、困りごとを抱える人に、医師以外の助け手が、多く与えられる点。前述の、ODNJの「オープンダイアローグ対話実践のガイドラインウェブ版(第1版)」にある、下図を御覧頂きたい。
その様子がNHKの記事に取り上げられていて、参考になる。
2.オープンダイアローグが職場に有効と考える理由
ODは、精神医療の現場だけでなく、教育現場でも少しづつ、その輪が広がっていて、私は職場での応用に着目している。
私は、職場で業務の困りごとを抱える社員を、上記のフレームにそっくりそのまま当てはめられると考えた。つまり、個人の業務課題を、自己解決できないとき、その支援のフレームワークに、オープンダイアローグが適応できる。
具体的にはこんなふうにやる。
・Aさんが業務で困っている。→上司に訴える。
・上司は、AさんとAさんを取り囲むメンバー(課題解決に必要な人だけ招集)を一同に会させ、皆でフラットに、Aさんの話を聞く。
ポイントは、上司でさえも、対等な立場であるかのごとく、全員が発言しやすいように配慮しながら輪に入り、心理的安全性を担保してその場を促進すること。
なぜ、こんなことを書くかと言えば、このような事象に陥ったとき、解決の仕方に、個人差があるとわかったからだ。
誰もが何でも意見を言えるわけじゃない。一人で苦しむと、ストレスを一人で担って、パフォーマンスが低下する。
チームミーティング、という場で解決すればいいのだが、その会議では、別の業務課題があって、個人の課題を共有しづらいこともある。
メンバーの話を、どんなふうに聞き、解決するかは、上司次第で、手腕には当たり外れがある。だから、私は、上司のスキルによらず、全員で考える共創的なダイアローグ(対話)を推奨したいのだ。
3.リモートワークで表層化するコミュニケーション課題
リモートワークの定着で、社員同士、今日の体調が把握できなければ、何の仕事をしているか分からない課題も増えた。
総務省が21年に発表した調査には、職場のコミュニケーションの課題がラインクイン。企業にとって大きな損出だ。
だから、誰もが、安心して現状を職場にシェアできる環境を整えたい。
私は、人としての品性を養う観点からも、
職場において、協力と対話を通じて問題に取り組むために、ODがきっと有益と信じている。
by桜子
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