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綺麗事が好きな元児童一時保護所職員が保育を語る Vol.2

前回のvol.1からの続き、ということで、前回までは児童一時保護所とはどういうところなのかということ、保育とは一般的にはどのように定義されているものなのかというところに触れた。

今回は私が勤めている園の方針と私が理想としている保育観との間に乖離があり、どうにもこうにも受け入れられないところがたくさんあるので、「幼児期の子どもの過ごし方ってこういうふうに過ごせたらいいんじゃないかな〜」ということを伝えていきたいと思っている。

子どもと一括り言えど、生まれた直後から、もっと言えば、生まれる前、お母さんのお腹にいる時から一人一人何もかもが異なるのである。

そして、それぞれの家庭で過ごして成長していくわけであるが、そこで大切なのが、幼児期では、家庭で過ごすよりも多くの時間を過ごす場所がある。

それは、「保育所」、「幼稚園」である。

家庭よりも多くの時間を過ごす、というのは、家庭で子どもたちが寝る時間を除き、家庭の中で子どもが活動している時間を考慮した上での表現である。

子どもたちは保育所の場合、早くて7:00に登園して遅くまでいる子は19:00まで、幼稚園では8:30から14:00頃までいる事になる。このように子どもたちは幼児期の大抵の時間を過ごすのである。

このような状況の中、大切になってくるのが「過ごし方」である。

小学校に上がると、一人一人自分自身のテリトリーといっても過言ではないような机が用意され、黒板と向き合うスタイルでの授業が進められ、テストの点数で評価される、そのような世界に飛び込んでいき、書く力や計算する力などは小学校以降にも身につけることができるのだから、幼児期まではひたすら自由に遊んで生活をしてはいけないのかと思う。幼児期は学童期、小学校に上がるまでの準備段階ではないのであるから。

だから、子どもたちは一人一人に机なんかいらないし、ワークなんかしなくていいし、前ならえとか整列とかしなくていいし、トイレや何かを使うときにわざわざ保育者に「〜していいですか」とかいう許可なんて取らなくていい。お昼ご飯を食べるときにもご飯を食べ進めていたらたくさんおしゃべりしたっていい、もっともっと他の年齢の子どもたちと交流持つために保育室を行き来しながら遊んでいい、怪我しながらたくさんのことを学ぶ、遊びの中でたくさんのことを学べばいいんだ。

静かに並びなさい、静かに食べなさい、大声を出さない、静かに並ばないこと、食べないこと、大声を出すことの何がいけないことなのかわからない。

毎日新しいことに心を躍らせて、自分の中に生まれている感情を声に出して、人との関わり合いの中で様々な気づきが生まれ、それを蓄積していき対人スキルを身につける。子どもたちにとって、無駄な経験なんて何一つもない。どんな経験も子どもたちの「何か」を形成するために必要な材料となっていると、私を強く思っている。

眠たいので、今回はここまで。みなさま良い連休を。

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