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映画2.0-映画にまつわる体験をアップデートするには-

最近いろいろなものが急速にアップデートされていて、お金2.0や編集者2.0といった言葉が生まれて来ていてそのアップデートがわかりやすく可視化されてきているなと思うんですが映画2.0、そしてプロデューサー2.0ってどんなものだろうと考えています。

※先に断っておくとこの問いはこのブログ1記事では完結しません。
これから模索していく過程です。

お金2.0は評価経済やキャッシュレスなど、編集者2.0は箕輪さんやコルクラボ佐渡島さんなどが体現しつつあります。

プロデューサー2.0、そして映画2.0ってどんなものでしょうか。
僕は既存の映画業界の人間ではありません。
だからこそ映画1.0を正しく定義し、現代風にアレンジした映画2.0を模索していきたいと思っています。
映画という文化を考える上で「映画作品そのもの」のコンテンツと「映画上映の場所やイベント」のプラットフォーム、そして最後に「お客さん」という消費者を考える必要があります。
文字コンテンツで言えば「本と本屋」や「ブログとインターネット」などです。

映画2.0を考える上で参考になるものはなんでしょうか。
本や本屋のあり方もどんどんアップデートされていると思います。
本屋は単に本を買うための場所としての役割を終え、そこに本を中心とした文化やコミュニティを作る役割へと変化して来ていると思います。
東京・京都・福岡にある天狼院書店はまさしく本屋をアップデートしています。
天狼院書店
http://tenro-in.com/

本をタッチポイントにして本屋自体をコミュニティ形成のオフラインの場所として設計されています。本屋とそこに関わる人がキュレーターとしてコミュニティに寄与しているためその本屋で買う理由が生まれています。

またブログはある意味では本2.0と言えるかもしれません。作者がとても重要視されブランドとなっています。
情報量でなくそこから始まるコミュニケーションやその作者自体に価値が生まれています。
そのブログを引用してさらに自らの発信に繋げたり、作者と直接その議題でやりとりを行ったりする中心のコンテンツになっています。そしてそこには余白があった方が良くて全ての情報や結論が網羅されている必要はありません。余白がその次のステップのコミュニケーションを生んでいます。
お客さんとコンテンツ、コンテンツの作者がSNSを中心としたインターネットをプラットフォームとしてシームレスなコミュニケーションを生んでいてインタラクティブなコミュニティが形成されています。

音楽はどうでしょうか。CDはどんどん売れなくなってきてみんなYoutubeやSpotifyなどのストリーミングサービスへと移行しています。
作品そのものに直接的にお金を払う機会は減って来ているでしょう。でも音楽はみんな好きなのです。音楽ではLIVEがオフラインコミュニティの場として活用されています。そしてそのコンテンツを知っていること(ストリーミングなどで聞いたことがある、など)はコミュニティーへの参加チケットとなっています。

映画を好きか嫌いかで質問すると「好き」と答える人はたくさんいます。
じゃあどれくらい劇場に足を運ぶか、というとあまり行けていない、という人がほとんどです。
映画業界は盛り上がっているのか?という部分では様々な映画関係者にヒアリングしてみたところ、やはりかなり厳しい状況にある、というのが現状のようでした。
これはとにかくアップデートが必要な状況だと思います。

映画を見てもらうことがゴールのマーケティング、プロデュースではとにかく広報が命です。
同じ映画を繰り返し劇場でお金を払って見る人間はかなり一部です。基本的には「一度お金を払わせてしまえば勝ち」のマーケティングになってしまいます。
それは原作があって固定客がいる(漫画の実写など)や、有名女優が出ている(これも固定客がいるので映画の内容がほとんど関係ない)のような作品ばかりを生み出してしまうことになります。

映画もそのコンテンツを見ることをゴールとせずにそこからコミュニティがスタートするような設計を作っていけないかと思っています。
映画というコンテンツの周りに人が集まりそこにコミュニティが生まれ文化度を高め合うことにより作品に対する解像度を上げていくことで視聴者を育て、世の中により良い作品が生まれるようなスパイラルを生みたい。

そこで電気海月のインシデントの萱野監督とプロデューサーの僕で映画に関するオンラインサロンを作ってみました。
監督の映画に対する解像度や狙いや知識などを視聴者にも共有し、より作り手に近い目線で映画というコンテンツを楽しめるようにしていきます。

そして電気海月のインシデントの関係者となってもらえる人間を増やしていきたい。

萱野映画サロン produces by オレンジの人
https://camp-fire.jp/projects/view/90547

現在このサロン内では30人くらいの人がいて(映画製作スタッフや役者も含む)映画の製作の裏側や技術的な話や映画に関する様々な知識やレビューなどを共有しています。

・役者ってどういう基準で選んでるの?
・プロデューサーと監督の違いって?
・映画のレビュー
・脚本の狙い
などなど映画に詳しくない人でも知っていることや目線が増えると楽しめることが増えると確信しています。

これで映画2.0と言えるとはまだまだ全然思っていません。
しかし少しでもアップデートが可能であればやる意味があると思っています。

コンテンツを参加券として同じカルチャーを共有する者のコミュニティを作り上げ、盛り上げるということが今重要なのではないでしょうか。

電気海月のインシデント
https://jellyfish-movie.jp/

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