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なぜ「オーガニック」なのか?

オーガニックは哲学である。
オーガニックとは、自然と調和して働き、生きるというビジョンです。その結果、健康な土壌が生まれ、健康な植物が育ち、健康な人々が生まれます。

Rodale Institute「Why organic?」:  https://rodaleinstitute.org/why-organic/

 1940年代から有機農業の研究などを行なってきたロデール研究所は「Why Organic?」でこのように言っています。

 じゃあ、自分はなぜオーガニックなのか?と改めて考えたら眠れなくなってしまったのでオーガニックについて書いてみます。

 私は、わさび農家の佐々研山葵農園と申します。
 わさびの有機JAS認証に向けて取り組んでおり、現在は特別栽培(農薬・化学肥料不使用)の認証を取得しております。

 将来的には、有機わさびの佐々研、オーガニックわさびの佐々研と呼ばれたい・・・笑


1. なぜオーガニックなのか?


特別栽培(農薬・化学肥料不使用)の実地検査

 「そこでしか作れないわさびを作りたいからです。」

 そもそもオーガニック(有機農業)って何?って話なんですが、

化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として・・・農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。

有機農産物の日本農林規格 有機農産物生産の原則 第2条

 これがいわゆる有機JASの有機農産物の生産の原則です。
 ふわっとしているのでコーデックス有機(国際基準)で見てみると、

土壌の肥沃度及び生物活性は、適切な場合は、以下の方法で維持・増進されるべきである。
・適切な多年輪作計画におけるマメ科植物、緑肥又は深根性植物の栽培
・堆肥化されているか否かを問わず・・・・・有機的な生産を行なっている保有地から得られた有機物の投入・・・・(一部省略)
付属書2の表1(有機JASでは別表1)は上記での方法では充分でない、作物への栄養供給や土壌改良を補う程度に限り、また、きゅう肥については、有機的畜産から得ることができない場合にのみ使用することができる。

有機的に生産される食品の生産・・・に係るガイドライン:付属書1有機的生産の原則A.5

 つまり、基本的には堆肥であろうと有機質肥料であろうと外部資材は使用せずに、自分たちの(有機的な)生産の中で循環させるのが本来の(目指すべき)有機農業だと言うことだと思います。

 ですから、

 それを実践することで、もしくはその地域内での有機的な生産の中で得られる有機物やきゅう・堆肥のみを使用することで、そこだけの、その地域だけのわさびを作りたいからです。
 
 それが最高の個性(味、物語)になって生産者も、食べてくれる人も楽しめるんじゃないかなと思います。

2. 有機農業を始めたきっかけ


畑わさび

 まず、私は「畑わさび」というものを栽培しております、一般的にわさびというと「水わさび(沢わさび)」と言って綺麗な沢や水耕で栽培されているものをイメージすると思いますが、畑わさびは林間などの土壌で栽培されているものです。西洋わさびではなく本わさびになります。

 生で擦りおろして食べる水わさびとは違い、基本的にはチューブわさびなどの原料わさびとして加工されます。水わさびと比べて品質が劣るとされ、単価も少し下がります。
 
 確かに水わさびはすごいです、味はもちろん、色も綺麗ですし、風味も辛味も素晴らしい、最高です、日本の誇りです。

 でも、何とかして勝てないか???と思って有機農業にたどりつきました。

「安易すぎる!!」と思われるかもしれませんが、実は2024年1月現在水わさびは有機JAS認証を取得できないんです。
 
基本的には土壌由来の物しか有機として認められない(例外有り)ので「畑わさび」は有機になるけど「水わさび」は有機にならない

これなら勝てるかも、と思いわさびの有機栽培を始めました。

3. オーガニックわさびの目標


花わさび、浅漬けにして食べます、辛くてご飯やお酒に合います

 私は岩手県岩泉町でわさびの生産をしておりますが、
 畑わさびの生産量は岩泉町が日本1位です。

 ですが残念なことに

  • 岩泉町内でわさびを食べられる飲食店はありません

  • 農家さんたちが自分たちで作ったわさび製品もありません

  • わさびの祭りやイベントもありません

  • そもそも、日本1位なのに町内の人ぐらいしか知りません

 個人的にはめちゃくちゃ悲しいです。
 でも、岩泉町のわさびで誇れるところも多々あります

  • 年配の方々の栽培技術

  • ハウス等使わず露地だけで育苗含め生産できる

  • 若い生産者が増えてきている

  • 役場やJAなど、関係機関の協力体制

 ですから、今度は国際基準の有機わさびで日本一の産地になり、日本固有種のわさびの有機として国内外の人たちに認知されること。そして、わさび の祭りやイベント・様々なわさび製品・わさびグルメなどで、観光にきてくれる人たちも、町民も、今よりもっと楽しめるようになれたら嬉しいです。

 「誰も知らない日本一の産地から、誰もが知る世界一の産地へ」

これが私たちの目標です。



ここまで読んでくれた人がいたら本当にありがとうございます
以上が私の「なぜオーガニックなのか?」になります

不慣れと勉強不足で間違ったことを書いていたら申し訳ありません
3時すぎたんで寝ます😴


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