#116: こんなときだから♪ラヴェル〜不気味と妖艶の間「蛾」
ラヴェル:『鏡』より「蛾」(1905)
#113 -119のテーマは「鍵盤の上を駆け巡る!?ーピアノが奏でる虫の世界」
「日本にはチョウ目の昆虫が3,500種類知られているが、『チョウ』と呼ばれるものは250種類にすぎず、他はすべて『ガ』である。世界全体で見ると、ガの種類数はチョウの20 - 30倍ともいわれている。チョウとガに明確な区別はない」
Wikipediaで「蛾」を検索すると,このように説明されています。
「チョウとガに明確な区別はない」
え!? そうなの?
知ってましたか? この事実。 少なくとも素人目には蝶と蛾を見た目で判断することは難しいことだけは確かなようです。 しかし,蝶と蛾って響きが雲泥の差がありませんか?
蝶は美しいイメージがあるけれど,蛾って,家主にとってはモスラです。個人的には好きですが,やはり不気味さを感じずにはいられません。
本日お送りする,モーリス・ラヴェル(1875-1937)が作曲したピアノ組曲『鏡』の第一曲目である「蛾」は,複雑な拍子,リズム,音型が絡み合い,掴み所のない不気味とも妖艶とも言える雰囲気を漂わせています。
ちなみに,作品はラヴェルと同時代に生きた詩人のレオン=ポール・ファルグ (1867-1947)に献呈されています。また,ファルグの詩に触発されて作曲し,「蛾」は娼婦を暗喩しているとも言われています。
まさに,不気味と妖艶の間。人は危険なものに惹かれてしまう,悲しい生き物なのかもしれませんね。
それは置いといて……..
音の魔術師の異名を誇るピアニズムが発揮された名曲をお楽しみください。
今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!
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