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#114: こんなときだから♪バルトーク〜うっとうしさ満開!「ハエの日記」

バルトーク:『ミクロコスモス』第六巻より「ハエの日記」(1956)

#113 -119のテーマは「鍵盤の上を駆け巡る!?ーピアノが奏でる虫の世界」

「ぶ〜ん…….」
「……. ……… ………….」
「えええぃ! うっとぉしいなぁ!!」

と,あの羽音が聞こえてきたら腕を目の前でブンブン振りたくなりますよね。
本日お送りする曲は,まさにそんな様子が目に浮かぶピアノ曲です。

バルトーク・ベラ(1881-1945)は,ハンガリーの作曲家であり,自国,近隣国,そしてアフリカなど,民俗音楽や民謡を調査・採集し,その研究結果を反映した作品を数多く残しました。

全六巻から成る『ミクロコスモス』は,ピアノ学習者のための曲集であり,現在では現代音楽への入門として重要なピアノ教本であると言えるでしょう。
最終巻である第六巻は上級者用であり,演奏会用のレパートリーとしてしばしば演奏されます。

その中の1曲である「ハエの日記」は,音と音がぶつかる不協和音を巧みに利用したユーモラスな描写,両手の指や腕が絡まる「密」な音形を演奏するための練習曲です。

本日はいつもの様にYouTube で紹介用の映像をリサーチしていたところ,とても魅力的な演奏を発見しました。演奏者であるBen Lepetitさんは,現在13歳。2年前に行われた「青少年のためのリスト国際ピアノコンクール」13歳以下の部門で3位に入賞した,今後の活躍が期待されるピアニストです。映像は,そのコンクールの演奏であり,演奏はもちろんのこと,風格,表情もすでにピアニストとしての魅力を存分に発揮しています。将来,来日公演もあるのではないか,とこれから注目の逸材としてご紹介したいと思います。ぜひ,最後まで音だけでなく映像をお楽しみください。

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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