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コミュニケーションは『環境』

先日、とある銀行でパワハラなどが原因としての労災認定が下されたとのニュースがありました。
未経験の業務負担、相談しにくい職場環境、上司からの強い口調での叱責、金融機関ではいまなお、こういう古い体質が根強く残っている組織があるんだろうと思い知らされました。

真面目な人ほど真摯に取り組み、周りが見えなくなっていく。
そしてそんな環境が日常になると、本人も、周囲も、そして上司の側も、その異常さを認識することなく業務に没頭してしまう。
さらに良くないのは、その環境を乗り越えてしまうと、その異常な状態が成功体験になってしまう。

パワハラが駄目だということは今なら誰もが知っていること。でもその行動がパワハラだと認識できないまでに麻痺してしまうと、もしくは気付いた人が声を出せない環境だと、不幸はまた起こる可能性があります。

コメントされていた「コンプライアンスの徹底を進めていく」ことは大切だし当然ではあるけれど、それだけではなく、相談できる『環境』をつくることに力を入れて欲しいと切に願います。

声を出せる環境、部下の声を聴ける上司の育成、話を聴くことのできる人材育成。
金融機関では研修体系はかなりしっかりしているはずです。でも、コミュニケーションが大事と言いながら、なにがコミュニケーションなのか、具体的にどういうことが良好なコミュニケーションに繋がるのか、それがなかなか伝わっていない。
業種に関係なく、部下の話を聴く上司、悩みを聴ける同僚、そんな『聴く』力をみんなが身に付けていければと、あらためて思います。

カウンセリングは技術だけでは活かしていくことができません。その人を尊重し、自分の色に染めるのではなく、無色で聴く。

部下から「話がある」と言われたとき
同期と飲みに行って「ちょっときいてくれよー」と言われたとき
遮らず、自分の考えを押し付けず、たとえ短時間でも ただ聴く時間。そんな時間が持てているでしょうか。

聴く力を身に付け、実際に活かしていく。そんな人こそが、誰かにとっての『環境』になれる。そして自分自身もそんな『環境』でありたい。そう強く思います。


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