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マスクとの戦い/【文章のきほんコース受講生作品 Vol.2】

この文章は、大阪編集教室の「文章のきほんコース」受講生作品です。
課題原稿に添削が入って書き直したものを、一部編集した文章になります。
詳しい授業の内容はこちらからご確認ください。

今回の課題のテーマは「コロナと日常」でした。

マスクとの戦い

コロナウイルス感染症が世界を征服しつつある中、人間はその渦に巻き込まれまいと必死に抵抗を試みる。私も感染拡大を防ぐため、新しい生活様式をまじめに取り組む一人である。

だが私は辛い。手洗いうがいはともかく、何よりもマスクの着用が辛い。これまでの人生でマスクをするという習慣は皆無に等しかった。花粉症ではないし、部屋が乾燥していてもマスクを着けたりしない。若い女性はスッピンがばれないアイテムとしても着けているらしいが、スッピンで出かけるなど以てのほか。息苦しいだけのアイテム。とどめは、自分の吐く息の臭いと熱が、私の自由をすべて奪っていく。そんな気にさえさせる。とにかく不快でしかたない。だからコロナ蔓延の中、最後の最後までマスク着用に抵抗した。けれど、世間の目が気になり仕方なく着けるようになった。ちょうど緊急事態宣言が発令される少し前からだ。

幸い手元にマスクはあった。去年の末「会社で安く買えたからあげる」と言って友人が10枚くれた。マスク不足になった後も、常時マスク着用派の姉が心配して、備蓄していた中から20枚くれた。しばらく乗り切れる枚数はあったが、心配性な私はそれらを丁寧に洗い、天日干しして二回ずつ使用。洗うと表面が毛羽だって鼻の辺りがこそばくて嫌だったが、今後のマスク不足に備えた。すると今度は会社から100枚ほど支給。初めてなんて良い会社なんだろうと思えた。そして、世間のマスク不足が解消された頃……、アベノマスクが届いた。

息苦しくて何度も着け直す。化粧がこすれて汗が流れる。あぁ不快だ。鼻が低い私にとって、楽に呼吸ができるポジションへマスクをフィットさせることは至難の業。当分、このマスクとの戦いは続くだろう。

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