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『男は荒野を進め』

僕だけが一億光年分の価値のある宝物を探しに行く。それは荒野を一人で歩く事と同じ位孤独な行為だ。

誰も僕の背中を押してはくれなかった。

誰もが一億光年分の価値のある宝物の存在を認めてくれなかった。

だから僕は、言葉で言葉で殴り付けてやることにした。

生かすか殺すか。生きるか死ぬか。

殴り付けても、殴り付けても、殴り付けても、誰も宝物の存在を信じてはくれなかった。

もう我慢の限界だ。

いつでも男は、荒野を一人で進む。

ヒタヒタと音を立てる。

足音が、僕の意識を軽々と追い抜いていく。

裸足でぶっちぎりで走り抜けてみる。

裸足のまま、裸になって、男なら死ぬまで荒野を一人で進め。


写真 小幡マキ 文 大崎航

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