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ミラクル道東紀行 3日目

360度写真が撮れるカメラRICOH「THETA SC2」(シータ)と、見た目は一眼レフ型のデジタルカメラCANON「COOLPIX B700」、そしてスマホのカメラ。この3台のカメラで撮影した写真を交えて、今回沢山のミラクルに遭遇した道東の旅の3日目をここに綴りました。

朝風呂に朝ごはん

カーテンを閉めずに寝て、目覚めた朝7時。窓際のベンチシートに向かう。窓の外には鹿も現れると言う阿寒川の流れ。うっとりと眺める。ここも360度の写真が撮れるthetaの出番だ。

朝風呂に浸かりながら川面を眺める。ここはマス釣りも楽しめるスポットらしい。私は最近距離を置いてしまっているが釣り好きで、中でも渓流釣りが大好きだ。いつかここにも釣りで訪れてみたいと思った。
朝食も前日同様に川を眺めながら北海道の幸を楽しめる豪華なメニューだ。私は和食、息子は洋食の選択。花咲蟹のみそ汁は二人分だ。お櫃に入れられたご飯をお代わりする。美味しかった。

10時にチェックアウト。ここから阿寒湖へと向かう。

ま、まさかの休館日。で、でも・・・

ホテルを出て車で5分ほどで阿寒湖に到着。今回の旅のいくつかある目的の1つ。阿寒湖のマリモ。実家にはウイスキーの空瓶に入った大きなマリモがある。今から50年ほど前から瓶の中で生きるマリモの謎に迫りたいからだ。叔父が誰かから譲り受け、私が幼かった頃から実家にある。物心ついた私が子供の頃のマリモは直径2センチから3センチ。サイドボードのガラス戸に酒瓶と一緒に並べて飾られていた。私が大人になる頃、その酒瓶たちは私の血液となり消えていき、マリモの入った瓶は同じサイドボードの下の戸棚、日も当たらない場所に追いやられた。母は数年に一度、思い出したように取り出してみる。年々大きくなるマリモを不思議に思っていた。ある時一番下のマリモが上の2つに押しつぶされているので、瓶を揺らして位置替えをした。そして近年はお互いが干渉しないように瓶を横にして大事に閉まっておいた。光を浴びずに少なくとも30年間は戸棚の中だ。数年前にマリモの生態を調べたら、水換えが必要なこと、光合成を行う上で、直射日光を避けて適度な明るさを保ち、温度、水温にも気をつけねばならないと言う。実家ではこれらを一切守っていなく、こんな事ってあるのかどうか一度阿寒湖畔エコミュージアムセンターに問い合わせした事があった。対話をしてくれた方はとても不思議がっていたので、ぜひこの旅で更に詳しく聞いてみたかった。そしてこのマリモは、私ではなくて私の息子に形見分けすることも母は決めていたので、息子の旅の同行は私としても楽しみだった。
本当はマリモの入った瓶を阿寒湖まで持って行きたかったが、機内には持ち込めないし、スーツケースに入れて、旅中様々な揺れに耐えられるとは思わなかったので写真だけ撮っておいた。今は4センチから5センチに育っている。

阿寒湖畔エコミュージアムセンターに到着。すると前日の厚岸グルメパーク同様まさかの休館日の立て看板が。何たる失敗。添乗員失格である。
諦めて、どこかのホテルやお土産屋さんで天然のマリモを息子に見せてあげたいと思っていた時に一台の車が。ここの職員さんで、私がここを訪ねた経緯を話し、スマホで撮影した写真を見せる。私は専門家ではないのでと語り、代わりに奥から環境省の職員さんが出てくる。その環境省の方にも同様にマリモの謎を話すと、とっても不思議がる。
瓶の口から入れられたマリモ。何十年もウイスキーの瓶の中で、50年以上も水も替えず、サイドボードの中で日光にも当てずに大きく育ったマリモ。こんなことは前例がないと。お土産屋さんで売っているマリモは形成された物で成長はするが、このように円形にはならないと言う。これは間違いなく天然物だと言う。50年くらい前ならば規制が弱く、何らかの方法で持ち帰った物だろうと。瓶の口から入れられたであろう小さなマリモがここまで大きく成長しているは誠に不思議だと。
私はここ以外のホテルやお土産屋さんで天然のマリモを見られる場所はないかと尋ねると、今度は入れ替わりに先程の職員さんが出てきて「特別に5分程度であればどうぞ」と館内に招き入れてくれた。そこには大きな天然のマリモ幻の魚イトウやヒメマス、大きなヒグマの剥製などが展示されていた。大興奮の5分間であった。
息子は言う。「探偵ナイトスクープに頼んだらどうだったかなぁ?」
私は「やはりきっとここへとたどり着いただろうね」と。

阿寒湖畔にて

曇り空の阿寒湖。観光船に乗れば浮かぶ小島にはマリモ展示観察センターもある。次に阿寒湖に来た際にはゆっくり立ち寄ってみよう。

霧の摩周湖ではなくて霧の先に摩周湖

摩周湖から弟子屈町へと昨夜走った道を行く。前日同様深い霧に出会う。飛び出してくる鹿には出会いたくないのでゆっくりゆっくり車を進める。

峠道を超えると時折晴れ間も広がる。本来の予報ならば土砂降り。このような雄大な景色も堪能出来た。この瞬間に実家に電話を。マリモの謎、特別にと開けてくれた館内。興奮を伝えると向こうは土砂降りだと言う。大雨洪水警報も発令していると。

摩周湖へ向け、弟子屈町から緩やかな坂を登る途中霧も出てくる。もしかしてこれは「霧の摩周湖」がと思ったが第1展望台からはハッキリと摩周湖が見てとれた。とても大きい。ここに来る事も憧れだった。

ここ展望台の土産店で買った私自身へのお土産はこれだ。どれだけいくらラブなのだろう。

三度の通行止めがもたらす出会い

ここ第1展望台から第2展望台を抜け川津温泉や屈斜路湖畔へと続く道が冬期通行止めになっていた。またもや通行止めにあったと諦めて来た道を弟子屈町まで戻る。すると弟子屈カントリークラブの向かいの収穫の終わった畑に沢山の白鳥が飛来していた。本来ならば屈斜路湖畔で白鳥をと思っていたので、またしても通行止めが野生動物との出会いをもたらせてくれた。この後屈斜路湖のほとりに白鳥や湖畔見たさに行く時間も短縮出来たと思えば一石二鳥・・・いや白鳥は二羽ではなかった。生態に詳しくない私は、グレーの白鳥はまさに子供なのかも知れないと思った。「みにくいアヒルの子」なのかと。

強風の美幌峠からの絶景

屈斜路湖へと向かう道。馬の厩舎も眺められた。屈斜路湖の左手、南から北へと向かう道からは屈斜路湖の絶景には出会いない。やはり手前で右折して屈斜路湖畔に行くべきだったか。屈斜路湖プリンスホテルに車を入れ、写真だけ撮らせてもらうべきだったか。行く手には展望台やお土産店などは一切なくちょっとした停車場があるだけで、そこからは木々の間からの屈斜路湖と、満足する写真は撮れない。美幌峠に差し掛かり写真は諦めて窓の外からの景色を楽しむ。すると美幌峠にレストハウスを発見。ここには展望台があり巨大な屈斜路湖が見渡せる。小雨と身体を持っていかれそうな強風の中、展望台を目指す。スゴイ。デカイ。こんな語彙の少ない私の感動は伝わるであろうか。
ここで全ての観光を終える。美幌峠から女満別空港へ向かう。お世話になったニッポンレンタカー。そしてこのトヨタライズ。空港までワゴン車にて送迎してもらう。

最後のお楽しみのグルメ

Standing sushi bar 縁戸。女満別空港の2階にある立ち食いの寿司屋だ。北海道の旬のネタを一貫ずつ楽しめる。もう運転する予定のない私はビールを。ホタテやボタン海老、イカにサンマなどなどを運転を頑張った自分に、同行してくれた息子にご褒美だ。値段を気にせず好きなものを好きなだけ食べよう。

さようなら道東 また必ず戻ってきます

事前に予約すると安くなるピーチ航空の別料金お預け手荷物。ネット予約で1800円。空港で買ったお土産を機内持ち込み手荷物にし、スーツケースを預ける。息子の座る窓からは女満別の厚い雲を3度抜け西に傾く夕焼けを眺める。流氷ドラフトの缶ビールをプシュっと開ける。

今回出会えた野生動物たち。キタキツネ、エゾ鹿、タンチョウヅル、イトウ、ヒメマス、ヒグマ(剥製)、白鳥。飼育されているホルスタインにジャージー牛、馬。
ここまで完璧に旅が出来た事に感謝。2つのホテルの従業員さんたち、お土産昆布屋の店主、標津サーモン科学館の受付の女性、牡蠣の馬場商店、阿寒湖畔エコミュージアムセンターの方々、Standing sushi bar 縁戸の板さん。そして縁の下で旅を支えてくれたお天気の神様、母、妻、息子に声を大にして言いたい。ほんとにありがとうと。

訪れることが出来なかった網走観光、流氷、知床半島の自然満喫、羅臼からの眺め、根室半島納沙布岬、釧路湿原。また次の機会に。

上空で少し揺れたが飛行機は無事に成田空港へ。機内で販売していた京成スカイライナーの特急券は250円安い。これを窓口で5分後出発の乗車券に替え乗車。京浜東北線の車内ニュースではこれから大荒れの北海道を伝えていた。翌日のニュースでは、宿泊した阿寒川の下流域で洪水警報が、ウトロでも記録的な大雨だったらしく、私達はこの大荒れの天気の間を旅したようだ。
お天気、キタキツネに遭遇、満天の星空、斜里や標津の観光、3度の通行止めがもたらした野生動物との出会い、阿寒湖畔エコミュージアムセンターの見学。私がこれらをミラクルと言ってもきっと許されると思う。

お読みいただきありがとうございました。

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