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僕が『場づくりの教科書』を書いた理由

僕が代表をしているれんげ舎をつくったのは、いまから27年前。まだ日本にNPOの法人格が存在しない時代でした。学生の頃にはじめた子どもの居場所づくりとそれを支える大人のつながりづくりを、「自分の仕事にしよう」と決心し、就職せず大学を辞めて団体を設立しました。

近年は国や自治体がNPOを支援するようになり、そうした団体も激増しました。頼もしい話ではあるのですが、掲げているミッションは輝かしくても、初歩的な運営の問題を抱えている団体が多いのも現実です。


団体運営の方法は教えてもらえない

NPOや社会貢献団体は、普通の会社と比べると少し変わっています。同じ部分もあるし、違う部分もある。でも、どこかどう決定的に異なるのか、そういうことを体系的に説明したものはなかなか見つけられません。

多くの団体は、我流で運営をしています。団体としての流儀のようなものがあればまだ良い方で、代表者やコアメンバーの属人的な流儀で運営されている場合も多く、人が変わると活動や事業の運営が難しく場合もよくあります。

表面的なテクニックばかりを売る中間支援組織

にもかかわらず、もてはやされているテクニックは表面的なものや専門的なものばかり。そうした団体を支援する中間支援組織はさかんにセミナーなどを開催していますが、そこで扱われる内容はよく言えば多彩ですし、手厳しく言えば行き当たりばったりで体系化されていません。

「数学」を学びたい人に、「引き算」と「因数分解」と「関数電卓の使い方」の講座を受けさせているみたいな感じなのです。

各セミナー単体で見れば質の高いものかもしれませんが、その寄せ集めでは力がつきません。具体的には「ファシリテーション」とか「SNS活用術」とか「事例紹介」とか「会議のやり方」とか、多彩かつ非体系的です。

基礎の基礎があれば後は自力でやれる

すごくざっくり言うと、日本のNPOや社会貢献団体にいまもっとも必要なのは、「基礎の基礎」の考え方とやり方です。

関わる人の思いと行動を社会的な成果につなげるのが、「運営」です。でも、その運営の基本に関する情報がぜんぜんない。体験談ばかりで体系化されていないのです。

そこで執筆したのが、『場づくりの教科書』という本です。色々難しい内容は脇に寄せて、「基礎の基礎」を体系的にまとめた地味な本です。「基礎の基礎」が整えば、既に団体内にあるリソースも活用出来るようになります。

既に団体運営をしている方にも、これから起ち上げる方にも、きっと役立つはずです。

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