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【島根県】しめ縄が作れる大しめなわ創作館

縁起を巡る旅「めでたび」の概要はこちら。

街中でしめ縄を見つけると、私はとても嬉しい気持ちになる。
私には「しめ縄はめでたいものだ」という認識があり、見るだけでありがたく感じてしまう。そんなしめ縄を作る体験がいつでもできる施設があると聞き、私は体験を予約した。

入口にも立派な大しめ縄がかかっている

島根県飯南町にある大しめなわ創作館は、出雲大社の神楽殿にかかる大しめ縄をはじめ、全国各地の大しめ縄を製作・奉納している由緒ある施設だ。

しめ縄は神社や寺院の建物、鳥居など様々なまつりの場に張られている。
しめ縄の内側は神や仏が占有する神聖な場所を示し、神仏と人間の境界も表している。ここから先は神聖な場所だ。そう思って施設に入ると内側にもしめ縄が飾られていた。

外に大しめ縄、中に入っても大しめ縄。さらに館内には各地で形が変わる、さまざまなしめ縄飾りが展示されている。海老やごぼうのスタンダードな形から、飯南町だけの見たこともない形まで。
まるでしめ縄の博物館だ!

さて今からどんな形を作ろうか。

初めてしめ縄を作る今回は、ワラの本数が少ない初級に挑戦する。
一本の縄から作れるものならどんな形でも大丈夫とのことで、私は兼ねてから憧れていた「の」の字の形のしめ縄を作りたいと若い職人さんに申し出た。
「この形は初めて見ました。作れるか先輩に確認してきます。」
見本にない形を作りたいと言う人は稀なのだろう。少し気恥ずかしい気持ちだったが、私は念願の「の」の字のしめ縄作りをできることになった。(その様子は最後に動画を転載しておく。)

机に固定されたワラを力強く編み、水を吹きかけてさらに編む。水をかけてワラを柔らかくすると格段に編みやすくなった。
観葉植物を部屋に置くと癒されると聞いたことがある。植物に触れ合っても同様の効果があるのだろうか。ワラを使って飾りを作るという体験が、こんなにも心を穏やかにするとは想像もしなかった。

メガネ型しめ縄作成の様子

編んだワラを真っ直ぐに整え、終始穏やかな気持ちで形を作る。
このしめ縄飾りはお正月に使うつもりだ。お正月に飾るしめ飾りは、自分の家が年神様を迎えるのにふさわしい清浄な場所だと示す目印になる。
私のような素人が作っても神様は気づいてくれるだろうか。

それから数ヶ月。大掃除も終わり家がすっかりキレイになった頃。
「神様、いつ来てくれても大丈夫ですよ。」
そうやって祈りを込めて、玄関のドアに自らの手で編み上げたしめ飾りをかける。なんだかとても誇らしいような気恥ずかしいような心持ちで。

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