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I♡木の実!ガトーショコラ

どーも。都内一流ホテルで16年勤務した、フリーシェフ、僕です。
今回5729字でした!
レシピ制作のポリシーを作りました。
もし気に入ってもらえたらご覧になってくださいね。

今回はガトーショコラ Gâteau au chocolat です。
下敷きに、ナッツの砂糖煮(=ヌガティーヌ)
を作って食感を変えます。
この記事を書いているときに僕が覚えていたヌガティーヌの考え方が
ちょーっと違うことがわかっちゃったんです。
しっかり調べました。
最後に後述しますけど、このレシピは作りやすい方法をとっています。


THE)材料     
○ケーキ
160℃ 40-50min  ⌀13cm

(ミックスナッツ空焼き)
180℃5分+2分

☆ヌガティーヌ(ちょっと余る分量のはずです)

ミックスナッツ(無塩) 120g
(今回はくるみ、アーモンド、カシューナッツ)
砂糖 30g
ハチミツ 5gほど
(省略可能。その場合は砂糖を5g足してください)
バター 30g
生クリーム42% 30g

☆生地(A)

チョコレート 100g
(ブラック20g、ハイミルク80gでも可)
バター 50g
卵黄 3個
砂糖 45g
生クリーム42% 30g

☆生地(B)

卵白 3個分
砂糖 45g
薄力粉 30g
ココアパウダー 40gほど
(粉2種類分量は後述)

☆ココア2種類を勝手にリンク。
僕はスティックにしましたが、18g×2本を使い、
不足分4gは薄力粉で補いました。

☆⌀とは『直径記号』。型の大きさを示します。


特別な器具+調味料)

型に塗る用バター 10gくらいのひとかけら
クックパー
13㎝型 底はあってもなくっても可
メレンゲ用電動ホイッパー
オーブン180℃
オーブン160℃
計り
砂糖計量用お茶碗(後述)

☆お茶碗というのは、計りの上にお茶碗を置いて
砂糖だけ計量することを指しています。
今回砂糖の計量は3回ですが、アントルメ entremet (後述。ケーキと思ってください)をしっかり作るとなると
砂糖の計量が5回10回当たり前です☆
デザート作るときにはこの方法で砂糖を計量することをおすすめします。
ラップに包んで計量、全部図ってそれぞれに目方書く方法もあります。
今回僕は1アイテムごとに計量しています。



工程)
型にバター塗ってクックパー貼りつける、ナッツをカット、素焼き5分ほど、ヌガティーヌ制作、砂糖ハチミツ生クリームバターを火にかけ、ナッツを加えて炊く、クックパー敷いて冷ます、生地Aを計量、チョコとバター湯せん、別ボウルで卵黄と砂糖でブランシール(後述)、生クリーム沸かしてチョコに加えて、卵黄とチョコを合わせる、生地Aは室温保存、生地Bを計量、卵白と砂糖でメレンゲを作る、角が立ったら(後述)、粉2種を振るってさっくり加える、チョコをある程度柔らかくして、さっくりメレンゲを加える、生地完成、型底にヌガティーヌを撒く、生地を流す、上まで流したら型を落として、無駄な気泡を抜く、160℃45-50分焼成(しょうせい)、中まで焼けたら、ケーキクーラー、粗熱が冷めたら型とクックパー外して、完成。


では行きましょう。


見づらい!けど、型にバターを薄く塗りました。ベタベタではなくて、全体に行き渡らせてください。多少、レンチンしたバターを使うと塗りやすいかもしれませんね。
クックパーで型紙を作ります。まずは底から。クックパーをまな板に置いて、型置いて、丸く包丁入れて、切り取ります。切り取れたら型紙に貼ります。
周りの型紙を作りましょう。幅を大体で測って、長さを決めてカット。それを貼り付ける。この作業を2回行いました。写真で見えますか?幅のクックパーが2本あるんです。
重なってもOK。
それを貼り合わせる感じですね。

☆注意!!
クックパーはちぎれやすいモノです。
下手に細かく型紙を作ったり、端っこがしっかり切られていなかった場合、
破れた端っこがケーキに入っちゃいます!
ヌガティーヌを作ります。
どーん、とミックスナッツをまな板に広げました。
今更ですけど、少しずつ広げたほうが丁寧に出来ます。
木の実って食材は包丁で叩くより刻んでいくイメージです。
ガンガンまな板の上で包丁を振り回すより、大人しく数個ずつカットしていきましょう。
サイズは『歯で噛める大きさ』です。
カットすることによって、
ナッツをパックしたときに着いた嫌な湿気をしっかり飛ばすことが出来ます。
では、カットしたナッツをクックパーに広げてオーブン180℃5分入れて
かき混ぜて2分空焼きしましょう。
かき混ぜて2分し、味見してまだ変な湿気があれば
後一回だけ2分(最大合計4分追加)空焼きしてください。
焦がしちゃだめよ!
出たら室温においておきます。
もしかしたら今回のハイライトはここかもしれません…!
ヌガティーヌを作ります。
軽量した砂糖ハチミツバター生クリームを計量して火にかけます。
強火でいいのでたまに鍋を振るってかき混ぜてください。
こんな感じになります。もうちょっと加熱するのでそのまま加熱。
火加減そのまま。
ヘラではなく鍋を振って全体に混ぜてください。
じゃないとダマが出来ます。
これで砂糖がカラメルのようになるので、砂糖の加熱はここまで。
超あついぞ!!
だけどやはりある程度は鍋を振って?回して?全体を加熱してください。
これ以上やると焦げます。
で、ナッツを加えます。
火は少しだけ弱火に落としてください。
カラメルでナッツを煮るイメージです。
ヌガティーヌってナッツの砂糖煮ですから、そのイメージです。
ヘラでかき混ぜるのですが、砂糖の温度が余裕で100℃超えます。
木製か耐熱ヘラを使ってください。ヘラが溶けます。
ここでナッツを煮て程よく煮たら完成。
オーブンシートを敷いた天板に平たくして冷ましておきます。
カラメル化に成功していると冷めたらパリパリになっています。
この場合に必要な処理が出来ていないとチューインガムみたいになります。
特に、色がつくまで砂糖を加熱しないとガムっぽくなります。
両方美味しいので、できたものを使ってください。
次に生地(A)を作ります。
まずは材料全てを計量して、
ボウルを2つ用意して、チョコは砕いて湯銭。
今回はショコラティエのような繊細な仕事を要求されないのですが、
チョコの湯銭は沸いたお湯の『火を消して』ボウルの上で行ってください。
湯銭の温度が下がったら湯銭だけ火にかけてください。
チョコは湯銭から下ろす。
ボコボコ沸いてるお湯の上にチョコは置きません。
チョコとバターを湯銭で合わせてください。
今回はチョコとバターを一緒に入れていいでしょう。
溶けたら湯銭から降ろしてください。
じゃないと分離しちゃいます。
卵黄と砂糖をボウルに入れ、『ブランシール』します。
(残りの卵白は冷蔵庫で冷やしておいてください。後述)
ブランシールに関しては僕の記事、バニラアイス内にあります。
ご興味あればご覧ください。
リンクは貼ります。
職業パティシエの方に聞けば間違いなく教えてくれます。
その後の作業が違っても、分量が違っても、
洋菓子においてのブランシールは絶対に同じ工程を踏みます。


その位泡立てるの?
↑これよりもうちょっと。
ゴメン、チョコ溶かしたボウル、きったない…
いつも撮影してから反省してますが、きったない…
のが、反省点です。
とにかく、湯銭したチョコとバターです。
卵黄をブランシールするのに時間がかかりすぎてチョコが固まっているのなら
再度湯煎して柔らかくしてください。
この位の柔らかさ。
今回、やりませんけど、チョコレートには『テンパリング』という作業が必要です。
ざっくりいうと50℃程まで溶かして、40℃弱まで冷して
再度必要な温度まで上げる。こんな感じです。
今回、僕はどーにかカカオの結晶を安定出来ました。
艶がその証拠。ホイッパーでいじり過ぎると分離します。
日本の板チョコ(ロッテ様ありがとう!)を使ってますが、
結晶が安定しやすいのはひとえに
日本のお菓子メーカー様の企業努力…
だそうです。
調理師学校でショコラティエが教えてくれました。
では、ブランシールしたら卵黄をチョコに加えます。
2種類以上の生地を混ぜる際には
『固いものに柔らかいものを少しずつ加える』
のが原則です。
チョコに卵黄を混ぜるのですが、3回ほどに分けて加えてください。
マヨネーズを乳化させるように糸を垂らすようにー、は不要です。
なぜかって『チョコが分離するから』。
僕はホイッパー使いましたけど、もしかしたらゴムヘラでざっくり混ぜて
最後にホイッパー使うのもいいかもしれません。
生クリームを『沸かして』から加えます。
今回は少量なので電子レンジで沸かすのが正解です。
熱いまま2回くらいに分けて入れてください。
混ざったのがこれ。
ここまで混ぜたらカチカチに固まることはないでしょう。
だからボウル汚いって!
室温においておきます。
生地(B)を作ります。
まずは卵白と砂糖、粉2種を計量します。
この卵白は可能な限り冷蔵庫で冷やしておいてください。
卵白はメレンゲになります。
ハンドミキサーを用意。
器具に油脂がついていないことを確認してください。
油脂がたくさん付着していると分離します。
卵白をほぐし分量の砂糖の内、ちょっとを加えます。

☆別件で調べていて、レシピ外ですが紹介します☆
冷たい卵白をほぐしてから少し砂糖を入れてある程度入れて泡立てる。
残りの卵白を3回に分けながら泡立てる。
ハンドミキサーであればしばらく高速、最後の仕上げで低速を使う。
これがクラシックなやり方でした。
メレンゲ作るときに氷水を使ったことは聞いたことがないのですが、
使うレシピーもいくつか見つけました。
考えてみたら、ボウル(+卵白)をキンキンに冷やすのですから
氷水当てるのは理にかなっています。
ハンドミキサーを使って、全部で10分弱泡立てます。
写真は5分ちょい。
砂糖は残り1回分。
僕写真撮るの上手くないの!
目標はこの位。
そろ、そろ、か、な?
位に『固くなってきます』。
最後はハンドミキサー低速か、ホイッパーでやりましょう。
1点を超えると一発で分離します。
計量したココアと薄力粉です。
軽くでもいいので振るって混ぜた状態です。
メレンゲに粉を入れて『さっくり』混ぜます。
さっくり。
でも、粉が混ざっていないのはアウト。
混ぜれば混ぜるほどメレンゲの泡が消えます。
出来上がりが膨らまなくなります。
チョコは柔らかいですね?
生地(A)と(B)を混ぜます。
メレンゲに粉を混ぜてチョコに加えました。
やはり、さっくりと。
ヌガティーヌを割りましょう。
適切で妥当な大きさにカットして型の底に敷きます。
今回の量ですと型に対してちょっと多いです。
余ったら翌日のおやつにしましょうか。
底にヌガティーヌ敷いたら生地を流します。
下敷きヌガティーヌはあまり入れすぎないようにしてください。
ヌガティーヌは付け合わせで
チョコケーキを食べるデザートです。
でもね。
ナッツ大好きならガンガン入れてもいいでしょう!
流した。
のがこれです。
もし生地が余ったら、
天板にオーブンシート敷いてクッキー状に焼いちゃいましょう。
型を何度か台に落とし『余分な空気を抜きます』。
やりすぎると気泡がつぶれすぎます。
また、落とすことにより上面が平均化されます。
焼成(しょうせい)160℃で45分から50分ほど。
40分で一度出して中まで火が入っているか確認してください。
このケーキはオーブン開けるとしぼみます。
35分ほどたってから差し替えてください。

焼けた。
のがこちら。
ちょっと焼きすぎましたが、このケーキって上面が割れます。
横のは余った生地をクッキー状に焼いたやつです。
粗熱が冷めてからクックパーを外します。
ケーキクーラーで冷ましてカットして盛り込みましょう。

せっかくなので皿盛りしました。
チョコケーキ以外は全部レシピ外です。
僕の家の冷蔵庫にありました。

左上から時計回り、
下敷きヌガティーヌ、バニラアイス
ガトーショコラ 1/8
ミカンのコンフィチュール
レストランではこんな指示を受けて盛り付けを行います。

美味しかったでーす。
写真ではちょーっと焼きすぎちゃった☆
ガトーショコラって、下敷きヌガティーヌとかナッツ入りとか
ベリー入りとか、あまりしません。
家庭では好きなの作るべきです。
でも僕は、どこから食べても全部同じ味、食感、
があまり好きじゃないんです。
写真の皿盛した時のようなソースがあれば別ですが、
『同じ一皿はこの世に存在しない』、
フランス人で星付きシェフの話にあった、よう、な…?
盛り付けのことを言っていたと記憶していますが、
味に関しても同じでしょう。
神様が与えたもうた生物には同じものは2つとない、ってやつです。

たとえば…
食感(テクスチャーとも言います)
味、色彩、香り、いろんなことで食べる人は料理を判断します。
コレ、テリーヌやってるときにどなたかに教わりました。
あー、
でも厚焼き玉子丸かじりはいつかしたいですね☆




☆おまけ)

〇ヌガティーヌ nougatine
って、今回のレシピのようなモノをヌガティーヌであると
ずっと考えていました。
念のため、フランス料理の辞書で再確認したところ、
大体合っていましたが、クラシックのヌガティーヌはアーモンドスライス。
ナッツを使うのですが、ゴマを加えたりもするそうです。
また、砂糖の結晶化の関係でグラニュー糖ではなく水あめと
『フォンダン』を使うのもクラシックだそうですね。

勝手にリンク。
製菓材料の富澤商店様が小分けしてくださっています。

〇デセールとアントルメ
アントルメって何?
食事における、チーズの後に出る甘いケーキなどのこと。
別の意味ですがアントルメ氏というシェフもいます。

じゃあデザートは?
食事において、グラスとお皿を片してから出てくる、
チーズ、ケーキ、フルーツのこと
と、されています。

でもねー。通じるほうが大切ですから、
デザート、ケーキといった方がいいですね。

念のため、僕が使っているフランス料理の辞書です。
僕のは旧版。
基本、コレから引用していますが、
洋菓子の辞書は別の辞書を使っています。
日仏料理協会様がむかっしから出している辞書です。
一生モノです。
フランス語の引用は全部これだけ!ではありません。

読んでくださってありがとうございました。

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