一騎討ちProjectは前作「忘華」もすごくいいお話しだったので今回も期待大で観劇してきました！

お弁当はガチで食べるし、焼きそばもちゃんと出てきてソースの匂いが…最前だったのでもろに食らって飯テロ舞台でしたww
夜はちゃっかりめんたいこおにぎりと茄子の揚げ浸し買いましたww

ストーリーの感想

誰に感情移入するかで、見え方が人それぞれ変わる作品だなと思いました。

私は、長男で誰かのために一生懸命頑張る「正輝」に共感し、ラスト涙しました。早くに両親を亡くし、弟のために「親代わりにならないといけない」「しっかりしないといけない」そんな重圧に耐えながらも"弟がいたから頑張れた"正輝は帰省してきた弟 恭次郎と話しているうちに何かの糸が切れる。

「思い出の中ではお前はいつも主役だもんな」

この何気ないセリフがずっと引っかかっていました。
それは長男である正輝の振る舞いと、長女である自身の振る舞いが似ていて、頼りにされるのはいつも自分なのに、話題の中心は下の兄弟にスポットライトが当たる羨ましさ、嫉妬のように感じました。
そりゃ、考え始めたらなんのために今まで頑張ってきたのか、全て捨てたくなる。

提灯が一つだけつかなかったのも、実は電球が切れていただけで簡単に灯されたことも兄弟の関係性や心情を演出しているのかなと思いました。

「蝉はなんのために鳴くと思う？」

私は、葵ちゃんが話した理由が自分の考えと近かったので聞いた時は少し納得していたのですが、ラストその理由を正輝が明かした時全く違う理由だったので本当に驚きました。
でも不思議なもので、どの理由を挙げられてもその人が送ってきた人生に重なった答えだったからどれも納得してしまう理由でした。
ここも冒頭で話した部分と似てきますが、それぞれの解釈で感想が変わってきそうなポイントでした。

私がこの舞台を見て、出した答えは
「助けてほしいと叫ぶために鳴いている」

怒られたくても怒ってもらえなくて去勢を吐き注目を集め鳴く蝉、こんな弟に育ててしまったと後悔するもどこか完璧で居ないといけないという気持ちから鳴けなかった蝉。

そして最後に腹を割った後の蝉は優しく鳴くヒグラシでした。

キャストの感想

【　定本楓馬くん　】
今回一番の目当て役者さんです。
楓馬くん演じる"壮太"はお調子者だけど、どこか憎めない。とってもピュアで自分の生まれた町を愛する素敵な男の子。

そして全編関西弁のお芝居。
違和感なくちゃんとものにしていて本当にすごかったです！

なんと言っても私は楓馬くんのお芝居の中でも幼少期の演技が本当に好きなんですよね。ふざけ方がほんと同級生にいたわ〜って思わせてくれるんですよねw無邪気で今を楽しんでる姿を見ると弟にしたくなります（黙れ）

ラストの涙を流しながら思いをぶつけるシーンで完全にもらい泣きしました。初めて直近で泣くお芝居を見たんですが本当に綺麗でした。
たまに口から泣く俳優さんがいますが私はとても苦手で…気づいたら涙が出ていたというお芝居をしてくれる楓馬くんが好きだなと思いました。

【　松井勇歩くん　】
最近ではオムさんの作品常連さん。
勇歩くんの役はどれもハマっていて素敵です。

勇吾という役を通じて、今あちこちで頑張っている青年を本当に「生きて」いました。
実際青年団の方と関わる機会があったんですがこんな人いたな〜と思いながら見ていました。

焼きそばを作って父親に合格点もらった時の表情が好きでした…！
きっとこうして親から子に継がれていくんでしょうね。。
あのシーンだけでもほっこりしました。

【　宮下貴浩さん　】
いつもふざけた役ばかりやっている宮下さんw←
貶してません！褒めてます！！私はいつも面白い宮下さんを見に劇場へ足を運ぶくらいですw

今回もそんな面白要素をくれる宮下さんに期待していましたがいい意味で裏切られました。
あ…宮下さんってこんなお芝居もできるんだと新しい発見でした。
面白いだけじゃない、包み込んでくれるような優しくて柔らかい正輝に戸惑いも感じましたがお弁当食べるシーンではいつもの宮下さんを発揮していて最高でしたww

恭次郎とぶつかり合うシーンも、藤田に土下座して弟のことを頼み込むシーンも、糸が切れて急に投げやりになったシーンも…長男の中でも責任感強い部類の兄という役で本当に自分に重なるところが多くて後半本当に辛くなりました。

いつも笑わせてくれる宮下さんに、今回はがっつり泣かされました。

行くか悩んでいる方は8/29(火)までやっているので
ぜひ見に行ってほしいです！