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珈琲のフタ

2023年11月某日。曇り。11℃。


これまでの人生で、今一番コーヒーを飲んでいると思う。大きな理由は二つ。

一つはデートでカフェに行くようになったから。雑誌や食べログ、Instgramで洒落たカフェを見つけては週末に二人で出かけている。コーヒーを楽しんでいるのか、話すのを楽しんでいるのか、オシャレな雰囲気に酔っているのかは、わからない。

もう一つは、二人暮らしの家にドリップコーヒーメーカーがいるから。僕はそもそもモノをあんまり持たない人だけど、あるなら有効活用した方がいいと思う派。だからKALDIに寄って、オススメかつセール中の挽かれた豆を買ってしまう。いつの間にかポイントカードまで作ってしまって、これじゃKALDIの思うツボだ。

そんなこんなで土日にコーヒーを飲むのが習慣になったもんだから、平日も飲まずにはいられなくなった。カフェイン中毒なのかなあ。。。エナジードリンクは欲していないから多分セーフだと思うんだけど。
出勤時にはオシャレなカフェには行けないから、近くのコンビニでMサイズのホットコーヒーを買って出社するのがマイブーム。最初はコンビニのコーヒーを買う奴はアホだと思っていたが、気づいたら自分もアホ側にまわっていた。ちゃんと美味しかった。ごめんなさい。


一つ不思議なのが、コーヒーカップの蓋についている飲み口が狭すぎること。熱が逃げていかないよう極力外気に触れないような設計になっているんだろうが、もう少し飲みやすいようにも考えて欲しい。フーフーしながら口に入れれず、どう頑張っても舌を火傷する。どうやって飲むのが正解なのか。レジか蓋かコップに正しい飲み方を書いておいてほしい。最近はもう諦めて蓋を外して飲んでいる。面倒臭いけど、これが一番安全だ。

そんな悪態を付きながら、その日も僕はコンビニでMサイズのカップを注文してコーヒーメーカーの前で出来上がりを待っていた。機械音が鳴ってカバーを開けると、そこには並々にコーヒーが注がれたカップが。Mサイズの蓋を装着しようとしたら、サイズが合わない。どうやら注文時に「Sサイズ」と伝わったようだった。店員さんには謝って見逃してもうことになったが、このコーヒーカップをどうすればよいか分からない。必死に量を減らそうとしたが、熱すぎてなかなか飲めない。

諦めて蓋をして、恐る恐るオフィスに向かって歩き始めた。階段を下りて、横断歩道を渡り、カードキーをかざして入館、なんとか自席までたどり着いた。そういえば道中かなりカップを揺らしたが、全くこぼれていない。


よくわかった。入れすぎたコーヒーを溢さないためのモノだったのか。ありがとう、蓋。役目を果たしたコーヒーの蓋を装着し、僕は舌を火傷しながらもコーヒーを啜った。


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