見出し画像

娘たちが大人になるまでに

長女が1歳になるか、ならないかの時、熱を出した。それまでも何度か、風邪をひいていたので、心配はすれど、薬を服用して安静にしていれば大丈夫だと思っていた。

ところが、夕方になる頃、こきざみに震えだしたかと思うと、手足をピクピクさせて、顔は青紫色に変わり、白目をむいて、口からよだれが出てきた。慌てて名前を呼ぶも反応はなく、急いで救急に電話した。生きた心地がしなかった。

数分で震えは止まり、呼吸は荒いが、いつもの寝顔に戻っていた。その後、到着した救急車に乗せてもらい、病院へと向かった。

どうやら、「熱性けいれん」という病気だったらしい。医師からの説明では、小児の1割くらいにみられる、発熱時にけいれんを起こす病気であり、多くは成長するに従いなくなっていくようだ。

そのときまで、熱性けいれんという病気を知らなかったため、相当心配したが、医師からは「数分で治まる場合は、救急車は呼ばないで、翌日にクリニックを受診ください」とのこと。発熱時に投与する、予防薬を処方してもらい、タクシーで帰宅した。

それから、長女は風邪をひくたびに、何度か繰り返したが、5歳を迎えたくらいから、起こさなくなった。ただ、その頃には、次女が熱性けいれんを繰り返すようになっていた。二人合わせれば10回は超えているが、相変わらず慣れるものではない。

ときには、入院にもなった。1度の風邪で複数回けいれんしたり、熱が下がらず髄膜炎など別の疾患の懸念があるときだ。そんなとき、共働きの我が家は、夫婦で交互に休みをとるようにしている。二人とも忙しいときは、両親や義両親にお願いすることもある。

子供たちは色んな風邪をひく。RSやアデノ、ノロ、ロタなど数えるときりがない。そのたびに職場や親族に申し訳ないと思いながらも、休みをとらせてもらう。

「そんなんじゃ、お前、仕事やっていけないぞ」

数年前、長女の看護休暇を相談したときに、上司に言われた言葉だ。この当時と比べると、今はだいぶ男性が育児へ参加するハードルは、下がってきたと思う。

育休の取得率が、男性で12.6%なので、私のような父親はマイノリティかもしれないが、娘たちが大人になるまでに、女性の選択肢が増えるように、少しずつでも行動していきたいと考えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?