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和田誠展

昨日ふと思いついて
和田誠展へ行ってきた。
数日前に雑誌を見ていたら
平野レミさんがこの展覧会を紹介する記事があって、
是非足を運んでねと書いてあったから
よし行こうと思ったのがきっかけだ。

知っている絵、
初めて見る絵、
壁にはたくさんの絵が飾られている。
膨大なポスター画が
びっしりと均一に壁一面に貼られている。
どれも新鮮で、
でもどれも馴染み深いそんな絵の数々だった。
年齢毎に絵と共に紹介される演出では、
年齢がぷつりと途切れ、
その先の真っさらなスペースが物寂しかった。

線はシンプルで、
構図も単純で、
色も各色ペタリと塗られているだけに
素人の私の目には映っている。
簡単そうに見えるんだけどなぁと思いながら、
真似しても決して描けないことを知っている。
こういうのを職人というのだろう。
憧れの領域だ。

展覧会は大盛況で
平日午後一の時間帯だったにも関わらず
展示室は混み合っていた。
だれも懐かしさと親しみをもって
見入っているように感じた。
じっと見て、でもすっと次の人に譲る人が多くて
人が多いのにストレスのない心地いい空間だった。
和田さんの優しい絵がそうさせているのだろうか。

私が一番驚いたのは
たばこのハイライトのデザインが和田さんであること。
全く知らなかった。
父が生前吸っていた銘柄で、
まだ子どもがたばこを買える時代だったため
私は買いに行かされることが多く、
すごく馴染みのあるデザインだ。
「カートン」という単位を知ったのもハイライトだし、
1カートン買ってきてと言われて
自販機で1個ずつ買ったバラ10個のタバコを
小さな体から落としそうになりながら必死で腕に抱えて帰り、
お店の人に言えばまとまっているのを渡してくれるのにと
困った顔で笑われたのもハイライトだ。

生活の中に、思い出の中に、
知らずにも和田さんの絵がある。
素敵だなぁ、いいなぁとしみじみと
行ってよかったと思える展覧会だった。

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