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2023年、54公演の観劇を雑にふりかえる

サクッとおさらい、自分用の記録です🙇🏼‍♀️
文字数と感動の度合いは比例しません。
正直なところ思い出せない演目もすごいある。

  • 54公演=おかわり含むチケット数

  • たぶん96演目ある (おかわりをのぞく)

  • 日付は観劇回

  • 未消化日程は後日更新します 完了しました

(以下、敬称略)


1〜3月

新春浅草歌舞伎

『双蝶々曲輪日記 引窓』
『男女道成寺』
『傾城反魂香 土佐将監閑居の場』
『連獅子』
浅草公会堂(1月2、14、23日)

連獅子は恐ろしい踊りですね。初日にモッチモチのまんまるだった莟玉さんが、後半スッキリ身軽に!

壽初春大歌舞伎 第二部

『壽恵方曽我』
『人間万事金世中 強欲勢左衛門始末』
歌舞伎座 1月8日(日)

虎之助さんの強欲娘は、ハムスターのような可愛らしい瞳に狂気が宿っており、最高でした。

初春歌舞伎公演

『通し狂言 遠山桜天保日記-歌舞伎の恩人・遠山の金さん-』
国立劇場 1月9日(月・祝)

左團次さんに会えた最後の日になってしまいました😭 ありがとう左團次さん…

『逃避奇行クラブ』

悪い芝居
本多劇場 2月4日(土)

ジェンダーにとらわれないキャスティングがヤンチャで良かったです。若くて関西色コテコテの勢いある劇団です!

『モノノ怪 化猫』

荒木宏文(現・新木宏典) ほか
飛行船シアター 2月11日(土)

わたしの霊感が「荒木さんが心配だよ」と言っていたので見守っていた時期です。

二月大歌舞伎 第一部

『三人吉三巴白浪』
歌舞伎座 2月19日(日)

和尚吉三が松緑さん。上演機会の少ない場面がみられて貴重でした。

『信長ピンポン』

劇団ベイビーベイビーベイベー×劇譚*華羽織 対抗試合公演
萬劇場 2月25日(土)

決して若くはない役者たちが高校卓球部を演じ、武将がちょいちょい降臨しました!

『大逆転!大江戸桜誉賑』

松平健・久本雅美・コロッケ・荒木宏文(現・新木宏典) 他
明治座 3月12日(日)

松平健さんがお元気🩵 購入したブロマイド付きサイン色紙は家宝です。心配だった荒木さんは晴れ晴れとマツケンサンバを踊っておられ、しばらく後に改名されました。

『君と行く桜並木の春の朝』

コルバタ志田組
築地本願寺ブディストホール 3月24日(金)

平和への願いとプロレスが融合!ありがたいお話を聴くホールでレスラーが宙を舞っていました。

4〜6月

『ハリー・ポッターと呪いの子』

向井理 ほか
TBS赤坂ACTシアター 4月1日(土)

観劇に慣れていない人々を眠くさせない仕掛けの数々が溢れていた一方で、役者や空気をじっくり愛でさせてもらえないストレスが強かった。

鳳凰祭四月大歌舞伎 昼の部

『陰陽師 滝夜叉姫』
歌舞伎座4月22日(土)

壱太郎さんの内から外からあふれ出す退廃美が炸裂。腐りかけのみっくんの腕(の作り物)を抱く姿がお耽美でございました!

團菊祭五月大歌舞伎

『寿曽我対面』
『若き日の信長』
『音菊眞秀若武者 岩見重太郎狒々退治』
『宮島のだんまり』
『春をよぶ二月堂お水取り 達陀』
『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』
歌舞伎座 5月13日(土)

舞踊劇『達陀』のバレエリュス風味に興奮し、ずいぶんいろんな人を捕まえてはオタク語りをしてしまいました。歌舞伎版・春の祭典といったところでしょうか。普段とは違う身体の使い方をするキツい演目だったろうと思います。

『いきてるみ』

安住の地
調布市せんがわ劇場 5月27日(土)

身体表現寄りの劇団。荒削りで、実験的で、さまざまな問いを投げかけられました。万人受けはしないだろうけど、はるばるみにいって良かったです。

『アヅマカブキ2023 ~恋し、愛し、儚し~』

吾妻会 吾妻流再興90周年記念 初代吾妻徳穂 27回忌追善
常磐津『将門』
長唄『櫓三番叟』
長唄『流れ』
長唄『二人汐汲』
常磐津『苗売り』
長唄『二人椀久』
箏曲『虎が雨』
長唄『娘道成寺』
長唄『花』
フィナーレ 祭の彩り~ 清元『吾妻菊祭事祝舞』
国立劇場 5月28日(日) 夜の部

吾妻徳陽さん(歌舞伎役者・中村壱太郎さん)が中心となって盛大に催されました。みっくんはフィナーレでお祭りの棟梁を踊られまして、袖口からチラつくモンモンにゾクゾクしました!

六月大歌舞伎 昼の部

『傾城反魂香 土佐将監閑居・浮世又平住家』
『児雷也』
『扇獅子』
歌舞伎座 6月18日(日)

坂東新悟さんの踊りがまたまたお上手に。以前からしなしなとした柳のような佇まいで唯一無二の存在感ですが、お菓子ばっかり食っててあの身体らしいよ!

7〜9月

『流罪 親鸞の無念』

中目黒キンケロシアター 7月1日(土)

昨年の続編。台詞をいうときに声を潰して怒鳴らせるのは演出の指示? 主催団体は思想や信仰にのっかってお客さんを集める系なのかしら…

国立能楽堂 普及公演

解説『原罪としての殺生』宮本圭造
狂言『魚説教』
能『阿漕』 ※英語字幕あり
普及公演
国立能楽堂 7月8日(土) 13:00

能で泣く? おれは泣いたぜ! 英語字幕のトーンは様々な文化的背景を持つ人々に感動を伝えるために考慮されているのかも。What a sinful fire! What a hell! くらいの煽り加減で激アツ。

『サバイバルヘッズDX 夢をみすぎた島』

男肉 du Soleil
小劇場B1
7月15日(土) 13:00、7月16日(日) 13:00

男肉のパフォーマンスのヤバさはおっさんになってもパワーアップしているのですが、題材が「投資」ということで、今後の方向性が心配になってしまいました。

尾上右近自主公演 第七回 研の會

『夏祭浪花鑑』
『京鹿子娘道成寺』
浅草公会堂 8月2日(水) 11:00

先週この公演のDVDが届きました。タイムカプセルのように思い出がよみがえってきて嬉しかったです! 酷暑のド平日に賑わいましたね〜!

八月納涼歌舞伎 朝の部

『裸道中』
『大江山酒呑童子』
歌舞伎座 8月12日(土)

裸道中の次郎長親分が彌十郎さん。スーパーポジティブに子分を褒めて伸ばす! お気軽な娯楽作品のあとになぜか酒呑童子。

八月納涼歌舞伎 昼の部

『新門辰五郎』
『団子売』
歌舞伎座 8月20日(日)

幸四郎さんの辰五郎がsexyすぎて変な気しか起きない! 団子売は量感ある身体の児太郎ちゃん(妻)と、バレエダンサーのように細いみっくん(夫)の対比が味わい深かった! 2人とも良かった!

『それを言っちゃおしまい』

平田広明・坂東巳之助
六本木トリコロールシアター 8月26日(土) 19:00

朗読形式のお芝居。みっくんが「妻」を演じられたことが、とても新鮮でした。きゃー、そんなこと言っちゃうの!って。8月は泥に沈められて、団子を売って、夜は妻として、忙しかったですね。

『勧進帳』

木ノ下歌舞伎
東京芸術劇場 シアターイースト 9月3日(日)

現代劇として歌舞伎をやる劇団。さまざまな方向からインクルーシブな作品にしようと努められた関係者のみなさんを心から尊敬します!

『情景 河原にて』

遊舞舎
Dance Vision 2023 under 30
アトリエ第Q藝術 9月9日(土)

遊舞舎さんは双子の姉妹による舞踏ユニット。活動が興味深いです。河原という場所や言葉がはらむ事象を丁寧に静かにあらわされていました。夕暮れ時に心地よかったなあ。

観世九皐会 九月定例会

狂言『水汲』
能『蟻通』
仕舞『通盛』『唐船』『項羽』
能『梅枝』
矢来能楽堂 9月17日(日)

水汲では野村万作さんのお元気さにびっくり! 御歳92歳の今やる滑稽劇は、万作さん自身がお客さんの反応を面白がっておられるのかもしれないな。

この日はお祭りのため外をお神輿が通る音が入る可能性がある旨のおわびがあらかじめあったのですが、お神輿は通らなかったのか、わたしが気づかなかったのか。窓があって、自然光が入って、時間によって空間の表情が変わる、素晴らしい能楽堂でした。

『黒蜥蜴』

劇団東京ミルクホール
上野ストアハウス 9月23日(土) 14:00

激アツおでんから日舞まで何でもありの超娯楽大作。佐野さんの暖かいご指導やお人柄が透けてみえるような気がしました。note

宮内庁式部職楽部「舞楽」

『安摩・二ノ舞』
『新鳥蘇』
国立劇場 9月30日(土) 14:00

古代にはこれらが呪術であり、人々の願いを背負って踊り継がれてきたのだと思います。素晴らしかった。note

10〜12月

錦秋十月大歌舞伎 夜の部

『双蝶々曲輪日記 角力場』
『菊』
『水戸黄門 讃岐漫遊篇』
歌舞伎座 10月7日(土) 、10月22日(日)

角力場は個人的にゆかりのある演目で、熱くなってしまいます。すみません。パンデミック中はできなかった、小屋から人がぞろぞろと出てきたり、二人羽織(?)で花道を歩いたりする演出が、ようやく復活しました。

放駒長吉と若旦那をみっくん(坂東巳之助さん)が2役で。長吉の瑞々しい若者らしさや心の揺れ動くさまを鮮やかに演じられ、はっとさせられました。若旦那は推し力士に萌える贔屓の姿を柔らかく愉快に演じられて、お客さんが盛り上がりました。

『塩さえ送れりゃそれでいい』

三年物語Neo
ステージカフェ下北沢亭 10月9日(月・祝) 15:00

上杉謙信と武田信玄の因縁のお芝居の後に、なぜか本編とまったく関係ない歌謡ショーがあった!

神楽坂芸妓組合『第2回 水穂会』

素囃子『かぐら三番叟』
長唄『松の緑』
清元『青海波』
長唄『胡蝶』
長唄『島の千歳』
長唄『俄獅子』
『神楽坂さわぎ』
四谷区民ホール 10月14日(土) 二部 15:30

現役の芸妓のみなさんによる発表の場です。お姉さん方、先生方、旦那衆、贔屓筋の方々に囲まれて、どんなに緊張しただろうか…‼️

『オムネ・アニマル・ポスト・コイツム・トリステ・エスト すべての動物は性交のあと悲しくなる』

劇団やりたかった
参宮橋 Trance Mission 10月21日(土) 14:00

ひきこもりの中年男性ふたりが親の再婚によって義理の兄弟になってしまうという着想はとても良かったんですが、女子高生のいじめの話はつらすぎて、休日の余暇の時間にみたいものではなかったです…

錦秋十月大歌舞伎 昼の部

『天竺徳兵衛韓噺』
『文七元結物語』
歌舞伎座 10月22日(日) 11:00

文七元結は寺島しのぶさんのご出演。時代劇「剣客商売」の美冬さまの大ファンだったので、歌舞伎座でのご活躍を生で拝見できてとても嬉しかったです!

『幸福な島の夜』

円盤に乗る派
こまばアゴラ劇場 11月3日(金・祝) 15:00

現代演劇では今年いちばん刺激的でした! うねうねとした動きと合成音声なような話し方で、未来なのか宇宙なのか、生命体なのかロボットなのか、すっかり撹乱させられました。note

吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

『松浦の太鼓』
『鎌倉三代記 絹川村閑居の場』
『顔見世季花姿繪』
春調娘七種・三社祭・教草吉原雀
歌舞伎座 11月11日(土) 16:30

三社祭は奥が深いですね。誰がみても頑張っていることが伝わる、迫力ある右近さん。一方、ひらりと粋に軽やかでありつつ、踊り好きの人々には身体能力のヤバさが分かる巳之助さん。そんな対照的なふたりが踊りました。

『おどる湯』

我妻恵美子
北條工務店となり 11月12日(日) 15:00

生命力と江戸の粋が我妻恵美子さんの身体からビリビリと放たれていて素晴らしかったです。色んな事柄がうまく調和して、綿密さとゆるさのバランスも秀逸だったと思います。note

『ガラスの動物園/消えなさいローラ』(渡辺えり回)

尾上松也・吉岡里帆・和田琢磨・渡辺えり
紀伊國屋ホール 11月17日(金) 14:00

まぜると危険そうな尾上松也さんと渡辺えりさんの共演は楽しい事故の予感がする、そんな2人の掛け合いをまのあたりにして幸せですよ。note

銕仙会 第十回記念公演 花乃公案

能『鉢木』
狂言『棒縛』
舞囃子『羽衣 和合之舞』
能『卒都婆小町 一度之次第』
宝生能楽堂 11月23日(木・祝) 13:00

この公演はおすしちゃんの半世紀弱の人生の中でもおどろくべき観客のお行儀の悪さ。まるで授業中にウロウロする困った子どものような大人たち。演者にも、他のお客さんにも、失礼すぎます。胸が痛くなりました。

『Pupa』

room. Onaya Rion
シアタートラム ネクストジェネレーション vol.15 -Physical-
シアタートラム 12月9日 14:00

この公演の主体や主旨がよくわからないと感じてしまいました。受賞アーティストに焦点を当てて、シンプルに才能を讃えてよいのでは…😞

『白夜』

池の下
劇場MOMO 12月16日(土) 19:00

主役のSUMIOさんの柔らかい声と佇まいが素晴らしかったです。偏頭痛持ちの人は分かってくれると思うのですが、偏頭痛が癒されるというのはすごいことなのです。note

インドミュージカル『ムンバイ⭐︎スター』

文京シビックホール 大ホール 12月19日(火) 18:30

多様な人々を一緒に楽しませるためには、このくらいシンプルかつパワフルで良し!

十二月大歌舞伎 第一部

『旅噂岡崎猫』
『超歌舞伎 今昔饗宴千本桜』
歌舞伎座 12月21日(木) 11:00

まだ34歳のみっくん、化猫のおばあさんが強烈。けれども本当に身体の使い方が美しいですし、猫たちと踊りだす場面はさすがです。

超歌舞伎はペンライトが歌舞伎座で揺れる! テクノロジーと人力の混ぜ加減がよい塩梅で、獅童さんがお客さんを煽るようすも面白かったです。

『第一幕ふぁイナル公演 スーパーふぃクション ふぉーエヴァー』

悪い芝居
新宿シアタートップス 12月23日(土) 13:00

ヤンチャで関西色コテコテな感情ジェットコースターっぷりとは裏腹に、お客さんを1人残さず連れていくための思慮と愛情があります。劇団としてはしばらくお休みされるようです。帰ってきてね!

グランディーババレエ団 ジャパンツアー2023

『オダリスク パ・ド・トロワ』
『ゴーフォーバロッコ』
『パ・ド・ドゥ』
『瀕死の白鳥』
『くるみ割り人形』
大田区民ホール・アプリコ 12月25日(月) 18:30

男性だけで演じるコメディバレエ。健全でお上品なコンテンツです。みなさん本当に可愛らしくて乗せ上手、おねだり上手です。note

『泉鏡花生誕150年記念公演 泉鏡花の夜叉ケ池 素ネオかぶき』

花組芝居
二子玉川セーヌ・フルリ 12月29日(金) 13:00

立派な稽古場での公演、お客さんを巻き込んでお祭りのような楽しさ🎵「素」のお芝居によって加納さんの所作の美しさがたいへん際立ちました。note

『菓』

UNIca
Performing Gallery&Cafe 絵空箱 12月30日(土) 13:00

淡白さと濃密さが共存する不思議な幻想世界。あれだけ床を這って絡みあって、なぜ汗をかかないのだろう…。note

あとがき

ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。12月30日(土)ようやく観劇納めしました。神楽坂は閉まっているお店が多く、東西線が空いていました。

「舞台好き」の方の97%くらい(筆者体感)が商業性と娯楽性の高いものを嗜好される中、より根源的な表現研究、芸術追求に励む舞台人のみなさまに光が当たればわたしも嬉しいです。

どうぞみなさま、良いお年をお迎えください。

おすしちゃん

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