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『読み書き』が苦手と気づかれない

先日、こちらの記事で発達性読み書き障害という言葉をちらっと出した🔽


ちなみにこの記事、ありがたいことによよパパさんが引用して紹介してくださいました🔽

是非読んでみてほしい。


話は戻って…

発達性読み書き障害(発達性ディスクレシア)を聞いたことがある人はどれくらいいるだろうか。


発達障害の一つで、知能や話し言葉に問題がないのに読み書きにだけ特に困難が現れる。

・何度も練習しているのに音読ができない
・音読できてもスピードが極端に遅い
・漢字や仮名の形を思い出せず書けない
・文字の形にならない


このような症状を示すのが特徴で、小学生になって初めて気づかれることが多い。

世間の認知度も低いため、努力不足といわれたり、板書やテストが書けずに成績不良とされる場合も多い。

前に紹介したリエゾンという漫画にも登場している。


脳卒中や脳外傷などで脳がダメージを受けることで同じように読み書きができなくなることもある。

こちらは発達性ではなく後天性で、失読失書(しつどくしっしょ)と呼ばれる。

私たち言語聴覚士は、発達性読み書き障害と失読失書、どちらにも専門的に支援を行う仕事だ。

なので、自分のお子さんや周りの子が読み書きで悩んでいたら、

“言語聴覚士に相談する”

という選択肢があることを是非覚えておいてほしい。


もちろん小児精神科の医師や小児の心理士も対応できるはず。


ただし、学校の教員は知らないことが多いというのが現状の課題だ。

下手すると、特別支援学校の先生や療育に従事している人ですら知らないことがある。


しかし!

ある研究では、日本の1年生〜6年生までを対象にした調査では、約7%の子が発達性ディスレクシアだったとの結果がでている。

つまり、40人の学級だったとすると約3人の子が当てはまるのだ。


発達障害の中でも出現頻度が高いのにも関わらず、認知度がとても低いのが問題。

大人になって気づく人もいれば、そのまま気づかずに困難さを抱えたままの人もいるのが現実だ。



なぜこんなにも認知度が低いかというと、日本で言語障害に対する基礎研究が進んでいなかったから。

他の自閉症やADHDなどの発達障害は行動面の障害。

そのため、多少文化的な違いはあっても他国の研究を日本人にも当てはめることができた。


でも、発達性読み書き障害は言語面の障害だ。

他国で研究されても、言語が全く違うので日本には反映することがきない。

その上、日本では『日本語の文字を習得するためにどんな能力が必要か』などの研究がほとんどされてなかった。

結果、専門職の中でもどういう風にアプローチすればいいのかわからなかったことが理由の一つ。


もうひとつは、クラスの中で目立たない存在だったこと。

席に座れず走り回っているような子と比べると、読み書きだけが苦手な子は授業進行の邪魔にはならない。

よって、教員の認識として『勉強が苦手なおとなしい子』で済まされてしまうことが多いのだ。

さてこんなにも知られていない発達性読み書き障害。

なぜ読み書きが苦手か。


といきたいところですが、長くなってしまったので明日の記事でまとめたいと思う。


ここまで読んでくださりありがとうございました!

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