見出し画像

実際に現場で働いてもらえるので、長期雇用にも繋がるのではないかと期待しています【おてつたび/受入先インタビューvol.17】(北海道富良野市・餃子専門店SHIRONA)

十勝岳を望み、雄大な自然が広がる北海道富良野市。初夏はラベンダー畑、冬はスキーが有名で、観光シーズンには国内外を問わずたくさんの観光客が訪れます。

壮大な景色が広がる富良野市

JR富良野駅から徒歩約3分のところで餃子専門店SHIRONAを営んでいるのは吉田幸生さん。

生まれも育ちも富良野の吉田さん

もともとメガネなどを販売する宝屋時計店を営んできた吉田さんは、昨年Uターンで富良野に戻ってきた息子さんと一緒に、大好きだった餃子のお店を開くことにしたんだそう。

吉田さんの息子で餃子店の店長である圭介さん
地元の人だけでなく、外国人観光客にも大人気というSHIRONAの餃子

2024年1月からおてつたびを利用し、これまで6名のおてつびと(おてつたびの参加者)を受け入れてきた吉田さんに、おてつたびの魅力について伺いました。

おてつたびを利用したきっかけは?

餃子店から歩いてすぐのところにトマールというホステルがあるのですが、そこが2023年からおてつたびを利用するようになったんです。トマールのオーナーと会うと「今、おてつたびの人が来ているよ」と話題にのぼるようになりました。

商工会議所の会議をトマールで行うことがあるので、立ち寄った時におてつびとと顔を合わせることもありました。

トマールのみなさんとはよくお話しています

おてつびとと話してみると、非常に素敵な方ばかり。ただ仕事をこなすだけではなくて、地域の人と繋がりたいという雰囲気があったんです。

わたし自身、町おこしに関心があって、地域の学びと交流の場『FURANO BETA大学』の学長をしていたりして。地域の人と交流を楽しんでいるおてつびとが魅力的に映ったので、「うちでもちょっと試してみようかな」と思い、募集を出したのが始まりです。

おてつたびを利用する前に不安だったこと

最初は「どんな人が来てくれるのだろう」という不安がありました。志望動機などを見て、富良野に興味がある方を積極的に選ぶようにしましたね。

また、宿泊場所に関する悩みもありました。うちは餃子を作る作業場の2階をおてつびとの宿泊スペースにしています。3つの個室があって、リビング、お風呂、トイレは共用です。シェアハウスのような感じなので、参加者たちが同性になるように調整しました

個室を寝室として使っていただいています

男性だけを採用する時期もあれば女性だけの時期もあって、当初は上手くスケジュールを合わせられるか心配でしたが、今のところは問題なく調整できていますね。

どんなお手伝いをしてもらいましたか?

おてつびとには、餃子を焼いてもらったり、簡単な盛り付けや皿洗い、お店の掃除、レジ業務をしてもらったりしています。作業場で餃子作りを手伝ってもらったこともありますね。

ある程度はマニュアル化してあるので、飲食店で働いた経験がない方でもスムーズに覚えてもらっています。

80年以上前に、吉田さんの祖父母が中国本場で餃子のレシピを学んだんだそう。おいしさはしっかり引き継がれています

仕事がない日はみなさんスキーや観光を楽しんでいるようです!

富良野周辺のスキー場。仕事のない時間にスキーを楽しむおてつびとが多い
富良野のグルメを楽しんだりも

印象的だったおてつびとは?

20代後半の男性が印象に残っています。彼はライバーで、オカリナを吹きながら動画を配信する面白い青年でした。

ライバーの青年・加賀谷さんとお店のスタッフ

彼が「今、富良野の餃子店で働いているよ」と発信したら、視聴者が富良野まで餃子を食べにきてくれたことがありました。新しい方法で富良野の魅力を伝えてくれることに驚きつつ、とても嬉しく思いましたね

また、ほかにもびっくりするようなタフさを持つ方がいました。彼はわたしたちがいつも車で行くワインの醸造所に、雪の中を1人で4kmほど歩いて行ったんです。途中で、地元の方や観光客に声をかけては「この辺りのおすすめの場所はどこですか?」と交流していたようで。積極的に地域を楽しみ、地元の人と繋がっているのを感じます!

おてつたびの魅力とは?

今、富良野は予測を上回るスピードで人口が減っています。観光シーズンは働き手が足りず、多くの宿泊施設は客室の7~8割しか稼働していません。飲食店も同様です。その点、おてつたびを活用すれば繁忙時期に人手を確保できるのでありがたいですね。

また、正社員の雇用にも繋がっていくのではないかと思っていて。人を採用する時って、履歴書や面接だけでは、その方の人柄まではわからないんですよね。実際に働いてもらって、働き方や考え方がわかったうえで就職してもらえれば、長く働いていただくことに繋がるのではないかと感じています。地元だけでなく、全国からいろいろな人が来てくれるのも魅力です。

おてつたびって本当に可能性を秘めているサービスだと思いますよ。例えば、富良野は外国人観光客が多いので、英語を学びたい方や外国人と交流したい方が、ワーキングホリデーのように活用するものいいのではと思っているんです。

現に、国際学を専攻している女性のおてつびとが、外国人のお客さまと英会話を楽しんでいる様子も見られました。

例えば『富良野留学』のようにして、受入れ側も参加者もウィンウィンになるようなものを、行政も交えて考えられたら面白いんじゃないかなと思っています。

これから挑戦したいことを教えてください

餃子店のことで言うと、冷凍餃子の販売に力を入れていきたいですね。今、地元で冷凍餃子の販売を始めたところで、これからは全国に向けて発信していきたいです。おてつたびで餃子のことを取り上げていただくと、たくさんの人が見てくれるので宣伝にもなるんだなぁと気付いたところです(笑)

あとは、まちをよくしていく活動も引き続きやっていきますよ!この地域がよくなれば自分も住んでいて楽しいし、たくさんの人が来てくれるようになる。みんな仲が良くて楽しい空気が流れていれば、移住を考えている人も「ああ、富良野なら楽しそう」と思っていただけると思うんです。外の人を受け入れられる、繋がりのある温かいまち、これからもみんなでつくっていきたいですね!
以上

🌱おてつたび先情報

お手伝いが必要な事業者さまへ

▼おてつたびの最新情報はこちらで発信しています◎▼

Facebook
X(Twitter)
Instagram

【取材・執筆:やまくぼ(おてつたびライター)】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?