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玉蜀黍(秋):

じゃがいも(初秋) / さつまいも(仲秋) / 鷹(三冬)

 とうもろこしから作られるプラスチックの話しです。

  生物によって体内や体外で分解できるプラスチックは、生分解性プラスチックと呼ばれています。2005 年の愛知万博では、ポリ(l- )乳酸という生分解性プラスチックがゴミ袋や食器などに使用されました。このポリ乳酸は、とうもろこしやじゃがいも、さつまいもといった作物を原料として製造することができます。乳酸というのは、ヨーグルトなどに含まれており、乳酸菌が糖質を発酵することによって排泄される酸味と独特なツンとくるにおいの液体です。万博会場の候補地となっていた「海上の森(かいしょのもり)」では、大鷹の営巣が確認され候補地から変更された経緯があるようです。海洋のマイクロプラスチックによる汚染が世界的に問題視されて以来、日本でも買い物袋やストローなどにこの生分解性プラスチックが積極的に使用されるようになりました。

 手元に辻秀人『ポリ乳酸ー植物由来プラスチックの基礎と応用』という本があります。一冊読み通すことは、難しいかもしれませんが、辞書として読んでも面白い本です。2008 年に主版されたもので、現在と比較しながら読むのも一興かと思いました。近年では、非メタロセンと呼ばれる触媒によって糖から高機能のプラスチックが開発されています。二度の大戦を経て、その後も公害を引き起こしてきた化学企業は「死の商人」というイメージが強いです。世界規模での変動や情勢を踏まえたうえで、昔ながらの里山のように森と人、そして海と人が共存する道は、あるのでしょうか。

ストローを噛めども食えぬ芋の秋

 写真は、こう幸 様の作品です。みんなのフォトギャラリーから拝借いたしました。

ぎんが

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