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舞台感想 宝塚歌劇  星組博多座公演 ME AND MY GIRL ミー&マイガール

博多座の星組公演を観てまいりました。
礼さんの休養で、水美舞斗さんと暁千星さんの役替わり公演となりました。
これは、両方観なくっちゃ!
もしも一回だけなら、私はマイティのビルが観たーい!と思っていましたが、ありちゃんのビルが観たいという方の方が私の周りには多いように感じました。だから、本当に人の好みはそれぞれだなあって思います。
でも、両方とも観られることになりました。
前のりするから、ハウステンボスまで足を延ばそうと思って、ハウステンボスも楽しんできました。
感想は、こちら
ハウステンボス~博多座ツアー|おとぼけ男爵 (note.com)

さて、舞台感想です。
両方とも観て驚いたのは、同じ作品なのに別な作品を観たような違いがあったことです。
配信をご覧になるなら、両方ご覧になるのがおすすめです。
ホント、全然違って見えました。

さて、一日目は、ありちゃんがビルです。
私の印象では、正統派宝塚版ビルといった感じがしました。
なんてったって頭身バランスが良くて美しいでしょう。
育ちが良くないので下品なはずだけど、愛嬌たっぷりの青年でその下品さがなんとも可愛いって感じです。
サリーもそれに合わせて、少女のような初々しさをもった女の子。
もう、二人とも、か・わ・い・い!
コメディですから、笑うシーンも多いのですが、大爆笑というよりは、うふふふ、クスクスという感じに思わず笑いが洩れてしまう感じです。
やんちゃで自由奔放、悪気のない、純な二人が、周りの大人たちの価値観をかき回していく痛快さを感じる、ビルとサリーでした。

二日目に見たのは、マイティがビルです。
こちらは、ちょっと大人のビル。
そして、作品自体がコメディ作品として完成していて、どっかん、どっかん、笑いをとります。大爆笑って感じです。笑いの間の上手さ、笑いの空気を作るセンス、さすがだなあと思いました。
そしてサリーはそれを楽しむようにはっちゃけています。
私の観た回は、前日までジョン卿だったマイティが久しぶりにビルを演じたせいか、図書室で「海の狂犬病」と口走り、サリーがアドリブでそれに返すというシーンがありました。それがとっても自然で、客席からも笑いをとってしまいました。

なこちゃんが、暁ビル、水美ビルのそれぞれにあわせて、お芝居を変えている勘の良さは、天性のものかもしれません。
大したものです。

ジョン卿は、色気のあるイケオジ水美に対して、誠実さを感じる大人の暁という感じ。

それに対する、マリア公爵夫人がまた違って見えるんですね。
水美ジョン卿にはどこか大人の色気を感じるマリア。暁ジョン卿には貴族の誇りを頑なに守り続けてきた貴婦人って感じに見えました。

もちろん、ビルとジョン卿にあわせて他の演者の演技も変化しているように見えます。
本当に、役者ってすごいなあって感じます。

それぞれの役も印象的です。

極美ジャクリーン。
ビジュアルの美しさに加えて、歌の技術が急上昇! 女声で訴えかける歌には脱帽しました。
めちゃくちゃ綺麗で、こんな美女の我儘は我儘にあらず! 足元にひれ伏したくなる美しさと高慢さが、最高です。
それにコントラストをつけるかのような、天華ジェラルドが良い。
情けなくって、尻に敷かれているのに、ジャクリーンが大好きという気持ちが溢れていて、頑張れ!と言いたくなります。

ひろ香パーチェスターは、その場をしっかり自分の空気にしてしまう貫禄を感じる好演です。
輝咲ヘザーセットは、安定感があって、その存在で舞台の空気がしまる感じがします。

曲もすべて良いし、タップが楽しいし、とにかくどちらの回も楽しめました。

ただ、一回目の観劇終わりは、胸がいっぱいになってちょっと泣けました。
久しぶりの生の舞台の観劇ということもあります。作品を目いっぱい楽しんで幸せな気持ちになった感情と共に、星組の皆さんが全力で頑張っておられる姿を見て、なぜか涙が零れました。
複雑な思いをそれぞれにコントロールしながら、お客さんを楽しませようとする舞台人としてのプロの魂が感じられたからだと思います。

特別な世界で生きる彼女たちの世界を、一般人の常識だけで判断してはいけないと思いました。
私は、観客として彼女たちが届けてくれるパワーを力にし、幸せに感じることを素直に喜びたいと思いました。

素晴らしい公演をありがとう。
毎日見たいくらい、力を頂きました。

今までの舞台感想はこちら
宝塚歌劇 舞台感想まとめ|おとぼけ男爵 (note.com)






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