見出し画像

【美術館を味わう⑦】三度目の直島は、何をするのが正解?/直島旅行記

夏の瀬戸内芸術祭について書く、と予告していたのに、季節を1つ飛び越え冬になってしまった。仕事が少し変わり、心が少し忙しかったせいだろう。暖房をガンガンにかけながらビールを飲む、という冬ならではの最高シチュエーションで、恐らく今年最後になるであろうnoteを書こうと思う。

行こうと思ったきっかけ

「東京以外に住むなら?」と聞かれたら、即答するくらいに好きな場所である直島。大学4年、社会人2年目と過去2回訪れたことがあるが、一度もベネッセハウスに泊まったことがなかった。特にオーバル棟には憧れがあり、いつか泊まりたいと思っていた。

誕生日が近い親友と毎年その付近でご褒美旅行やディナーをする。今年の計画をたてている時に、ちょうど芸術祭のタイミングということもあり、オーバルに泊まってみることにした。

旅行計画について

二人とも直島が3回目なので、たいていの場所には一度行ったことがあった。なので、新しくできた場所、これまで行ったことのなかった場所を中心に計画を立てた。
ベネッセハウスは土曜夜の一泊しか予約していなかったが、土日まるっと楽しめるように、金曜夜に早めに仕事を終わらせて高松に行くことにした。

さて、2泊3日、以下のように動いた。

1日目:夜に高松着→高松で夜ご飯→そのまま高松泊

2日目:直島・ベネッセハウス着→チェックイン・昼食→ナルシスの庭→李禹煥美術館→地中美術館でナイトプログラム→リトルプラムでご飯→杉本博司ラウンジ

3日目:朝食→時の回廊・ベネッセハウスの展示→「EN」で鮨ランチ→高松に戻る

2日目がすごくタイトにみえるが、すべての場所が近いため、実はそんなに忙しくない。青森旅行記と同様、すべてについて細かく書くのは難しいので、直島に複数回行ったことがある人におすすめの体験をいくつかピックアップしてお伝えしようと思う。

① ベネッセハウス「オーバル棟」に宿泊

今回の旅行のメインであったオーバル棟について、まずは書きたい。

ベネッセハウスには4つの宿泊棟があり、
ミュージアム:美術館の中の宿泊棟
パーク:緑に囲まれた宿泊棟
ビーチ:海辺の宿泊棟
オーバル:丘の上の宿泊棟
とそれぞれに特徴がある。

オーバルは上記の通り、丘の上にあるため、モノレールで移動する。写真のように水に浮かぶようにわずか6つの客室があり、夜も昼もとっても美しい。この秘密の部屋感が堪らないのである。窓を開けると瀬戸内海が一面に広がり、なんとも気持ちがいい。

少し前まではオーバル棟にバーがあったのだが、時の回廊の横にバーができたため無くなってしまったようで残念。

決して便利な場所ではないが、日常と切り離されてゆっくりと過ごしたい、という人にはうってつけの場所だと思う。

② 杉本博司ラウンジでお酒を嗜む(宿泊者限定)

さて、ベネッセハウスに宿泊したのであれば、宿泊者の特権を活用していきたい。宿泊者の特権とは「一般の人が入れない時間帯にベネッセハウスに入ることができる」ということだ。これができると、例えば深夜の展示室がみれて普段とは違った空気を感じられたり、早朝の空いている時間帯の展示がみれたりするのだ。
2022年3月にできたばかりの「杉本博司ギャラリー 時の回廊」の横にあるラウンジも、昼間帯は一般の方も入ることができるが、夜のバータイムは宿泊者限定になる。

杉本博司の作品に囲まれながらお酒を飲めるなんて。こんな贅沢な体験はなかなかできない。

③ 草間彌生「ナルシスの庭」を鑑賞

時の回廊と同じく2022年にできたばかりなのが、草間彌生の「ナルシスの庭」である。これを見ることも、この旅の目的の一つであった。
少しだけ作品について触れておくと、この作品は1966年のヴェネツィア・ビエンナーレで発表されたのを機に、世界各地で何度か公開されてきた。当初はゲリラ的な手法や、商業主義への反発などが象徴的な作品だったが、直島での常設は、自然や建築との融合を強く感じた。
(詳しく知りたい方はベネッセミュージアムのHPに詳しく書いてあるので是非読んでいただきたい→https://benesse-artsite.jp/story/20220704-2371.html


直島の草間彌生=カボチャの印象が強いが、直島の広大な土地、安藤忠雄建築とマッチしていて、新たな代表作となるのではないだろうか。

④ 李禹煥美術館を鑑賞

こちらは以前からある美術館なのですでに行ったことがある方も多いと思うが、私たちはなぜか過去2回とも訪れていなかった。今回はゆったりと直島体重を楽しむことを目標にしていたこともあり、ゆったり時を過ごせそうなこの美術館を訪れた。

館内写真が禁止なので、深い内容については割愛するが、とても心地の良い美術館だった。全体を通して、瞑想をしているような感覚になる。豊島美術館とかと近しい良さがある気がした。

この美術館でもう一つ良いなと思った点は、ミュージアムグッズだ。あまりフィーチャーされていないが、グッズのデザインがどれも素敵だった。李禹煥の作品がデザインに落ちていて、ミニマルアートのようだった。私は写真右に飾ってあるハンカチを購入した。

公式HPより(https://benesse-artsite.jp/art/lee-ufan.html)

④ 地中美術館はナイトプログラムを申し込む

地中美術館はもちろん過去2回訪れたときも足を運んでいる。何度でも行きたい、好きな美術館のうちのひとつである。特にモネの展示室は、心が潤うような、不思議な感覚を味わうくらいに神秘的で綺麗だと思う。

直島に宿泊できる方は、ぜひナイトプログラムを申し込むことをお勧めする。ジェームズ・タレル「オープン・スカイ」で日が沈む様子を見ることができる。時が過ぎること、昼から夜に空気が変わること、これを肌で感じとることができる。

ただし、このナイトプログラムに参加すると、夜ご飯難民になるので注意が必要。直島は飲食店が閉まるのが早いので、終わった時間だとやっているお店が限られる。宿で食事を用意しておいてもらうのが一番安全。
ちなみに、私たちはタクシーで宮浦港までいき、リトルプラムさんで夕食にした。こちらのお店は比較的遅くまで営業しているし、美味しかったのでおすすめだ。

⑤ 「EN」で鮨をいただく

今回の旅で、一番の正解だったかもしれないのが、「EN」の鮨ランチだ。このお店は、2022年にできたばかりのろ霞というホテルの中にある。ホテル内にもたくさんのアートがあるようだったが、ENでは名和晃平の作品を正面に眺めながら鮨をいただくことができる。

アートに囲まれた環境だけでなく、普通にすごく美味しいのだ。海辺だから当然なのかもしれないが、東京の鮨屋よりリーズナブルな値段で美味しい鮨をいただくことができる。ワインとのペアリングもできるので、直島でゆったり食事を楽しみたい方におすすめだ。

⑥高松滞在も楽しむ

今回、初日の夜は高松に宿泊した。また帰りの飛行機まで時間があったので、少し高松で時間を潰した。その際に利用した高松内の施設もおまけで紹介しておこうと思う。

▼小綺麗なクラフトビアバー。ビールの種類も豊富で美味しかった。

▼おしゃれバル。女性でサクッとご飯を食べるのにおすすめ。

▼高松唯一?のナチュラルワインバー。都内にも負けず劣らずのラインナップ

▼帰りに時間潰して訪れたスーパー銭湯。とにかく広いので、ゆったり外気浴もできてしまう。

直島まとめ

さて、長々と書いてきたが、3回目ならではのこれまでとは少し違ったゆったりした旅ができたと思う。

「美術館を味わう」というタイトルだが、本当にENが素敵な店だったので、もし4回目行く際はろ霞に宿泊してみたい。

2022まとめ・2023展望

今年最後のnoteになるので、年末らしく今年の振り返りを書いておきたい。
今年はコロナも落ち着き、たくさん地方の美術館を訪れることができた。
実はnoteに書けていないものもあり、
・光の館/新潟
・福岡県立美術館
このあたりは、来年の時間のある時にでも思い出して書きたい。

来年の展望として、年始に関西に行けそうなので、念願の京セラ美術館に行けたらいいなと思っている。あとはそろそろ海外旅行にも行きたい。韓国かアメリカ、ヨーロッパあたり、せめて1か国はいきたいところだ。

そして、実は年末に引っ越しを控えている。せっかくならいいものを、とインテリアについて調べ始めたらとても面白く、ヴィンテージ家具収集が最近のブームになりつつある。そのあたりもnoteで書けたら面白そうだ。いろいろやりたいことが尽きないが、幸せな悩みだと思い、来年もマイペースに過ごしていけたらと思う。

今年は青森旅行記をはじめ、沢山の方にnoteを読んでもらうことができ、とても嬉しかった。来年も引き続きよろしくお願い致します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?